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第74回国連総会・核兵器関連決議――禁止条約の署名・批准呼びかけ
山崎伸治・「しんぶん赤旗」記者(2020.2.15)
(2020.02.15)

  第74回国連総会は2019年12月12日の本会議で、軍縮・国際安全保障問題を扱う第1委員会に付託された57本の決議を採択しました。そのうち核軍縮に関連する決議は19本で、2本が全会一致・無投票で採択され、あとは投票に付されました。採決状況は別表の通りです。
 決議「核兵器禁止条約」は、同条約を署名ないし批准した約50カ国が共同で提案。各国に同条約の署名・批准を求めています。
 決議「核兵器のない世界へ――核軍備撤廃の約束履行の加速化」は、核兵器廃絶を求める国家グループ「新アジェンダ連合」が中心となって提案。核兵器禁止条約を「核軍備撤廃に向けた法的拘束力のある有効な手段」の一つとして歓迎しています。
 2012年に核兵器の非人道性を告発した34カ国の「共同声明」にもとづく決議「核兵器の人道的結果」も、15年以来5年連続で採択されました。
 今年4〜5月には、5年に1度の核不拡散条約(NPT)再検討会議がニューヨークの国連本部で開かれます。それを前に、決議「1995、2000、2010年核不拡散条約再検討会議の核軍備撤廃義務合意の後追い」が採択されました。
 同決議は、2000年の再検討会議が採択した「最終文書」に、核兵器保有国が自国の核兵器の完全廃絶を達成するとする「明確な約束」が盛り込まれたと指摘。2010年の再検討会議がそのことを再確認したとして具体化を求めています。
 一方、日本が提出した決議案は「核兵器のない世界に向けた共同行動の指針と未来志向の対話」という表題で、前年までとは異なる内容となりました。
 政府は今年の決議案について、NPT再検討会議に焦点を当てた内容としたと説明しましたが、核兵器廃絶を「究極的目標」に先送りし、核保有国による核廃絶の「明確な約束」という、曲がりなりにも昨年までの決議にはあった文言も削除。核兵器禁止条約への言及はありません。
 NPTの履行についても「国際間の緊張緩和」などが、あたかも「前提条件」と取れる文言となっています。軍縮を促すには「未来志向の対話が必要」だと指摘。この点は採決で棄権した米国から「評価」を受けるなど核兵器国の意に沿った内容だったことを裏付けています。
 日本の決議案は、計12段落について個別に採決が行われました。採決後、意見表明した国も18カ国に上りました。それだけ内容に疑義が強かったことを示しています。
 意見表明では、「(NPTの)核軍備撤廃義務の順守に『条件付け』の考えが盛り込まれている」(メキシコ)、「NPT第6条の核保有国の義務に留保を付け、『明確な約束』を弱体化させるもので、容認できない」(リヒテンシュタイン)と厳しい指摘が続きました。
 日本政府は賛成国が160カ国に上ったことを「評価」しています。しかし、ある外交官は「しんぶん赤旗」の池田晋記者に対し、日本との2国間関係への配慮から賛成票は投じるものの、水面下では日本の決議案に多くの国が「(文言が)非常に弱い」と懸念を示している、と話しました。