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第73回国連総会「核兵器禁止条約に反対するP5(米ロ英仏中)の共同声明」
(2018.10.22)

 核兵器禁止条約に反対するP5(米ロ英仏中)の共同声明
(2018 年 10 月 22 日)
「リーチング・クリティカル・ウィル」のウェブサイトより

 P5(米ロ英仏中)は国連総会第1委員会で10月22日、共同声明を出し、「核兵器のない世界を達成する最善の道は、国際的な安全保障環境を考慮に入れた漸進的なプロセスによる」と強調して、核兵器禁止条約に対する絶対反対をあらためて表明した。P5は2009年から共同声明を出しているが、中国とロシアが米国との共同声明で禁止条約に反対するのはこれが初めて。以下は声明全文。

 第73回国連総会第1委員会でのテーマ別討議
中国、フランス、ロシア、英国、米国による共同声明

 われわれ核不拡散条約(NPT)によって認められた核兵器国は、署名以来の50年間にわたり同条約をそのすべての側面で再確認している。
 この画期的な条約は、核兵器が世界中に拡散する危険を押し止める国際的な取り組みの不可欠の土台であることを示してきた。それは、核技術の平和的利用――電力、医療、農業、産業のための――を人類の利益のために促進し共有するうえでの枠組みであることを示してきた。それはまた、国際緊張の緩和、ならびに安定、安全および国家間の信頼の条件創出に役立つことで、核軍縮に不可欠かつ持続的な貢献を行ってきた。
 われわれは、NPTの履行において、核技術の平和利用における可能な限りの協力の促進でも、また、核プログラムのもっぱら平和利用の保証および検証でも、不可欠な役割を果たしている国際原子力機関(IAEA)の活動に対する全面的で持続的な支持を約束する。われわれは、追加議定書の普遍性を含め、IAEAの保証体制のさらなる強化の必要性を強調する。
 われわれはNPT条約にもとづいて、核軍備撤廃に関連した効果的措置に関する、ならびに、厳格かつ効果的な管理のもとでの全面的かつ完全な軍備撤廃に関する誠実な交渉の追求に真剣にとりくんでいる。われわれは、万人の安全を減らすことのない、核兵器のない世界という究極的目標を支持している。われわれは、核軍備撤廃のいっそうの進展により資する国際環境をつくるために真剣にとりくでいる。
 この点でわれわれは、核兵器禁止条約に対する反対をあらためて強調する。われわれは、核兵器のない世界を達成する最善の道は、国際的な安全保障環境を考慮に入れた漸進的なプロセスによるものであると確信している。核軍備撤廃へのこの試されずみのアプローチは、核兵器の世界的な貯蔵数の大幅な削減を含め、明白な成果を生んできた。
 核兵器禁止条約は、永続的な核軍備撤廃を達成するうえで 乗り越えなければならない主要問題に対処することができない。それはNPTに相反し、NPTを掘り崩す危険がある。それは、国際的な安全保障状況および地域の諸課題を無視しており、国家間の信頼と透明性の増大になんら役立たない。それは、1発の核兵器の廃棄すらもたらさない。それは、核不拡散の最高基準に合致していない。それは、国際的な不拡散体制と核軍備撤廃体制の間に分断を生み出しており、軍縮の今後の進展をさらに困難なものにしかねない。
 われわれは、この条約を支持しないし、署名や批准をしない。核兵器禁止条約が、われわれ諸国にとって拘束力をもつことはないのであり、われわれは、この条約が慣習国際法の発展に貢献するとのいかなる主張も受け入れない。それはまた、いかなる新たな基準や規範も設定するものではない。われわれは、核兵器禁止条約の支持を考えているすべての国に対し、国際の平和と安全にとってこの条約がもつ意味を真剣に検討することを求める。
 むしろわれわれはすべての国に対し、順守を確保し、普遍性を促進し、不拡散の最高水準を確保し、進行中またはあらたな拡散問題に対してそれがどこであっても対応するために、NPTの継続的な成功にコミットするよう勧奨する。この点でわれわれ5ヵ国は、核軍縮の目標と目的を前進させるために、NPTの枠内でわれわれの個別的・集団的とりくみを続けることにたいするコミットメントをあらためて強調する。