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第69回国連総会第1委員会における日本大使の演説
(2014.10.10)

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 佐野利夫軍縮会議日本政府代表部大使は10月10日(金)、第69回国連総会の第1委員会(軍縮・国際安全保障担当)で演説した。核兵器関連の発言を中心にその主な内容をご紹介する。

議長、はじめに、私はこの重要な第1委員会の議長に就任されたラットレー大使に、心からの祝意を表明させていただきたい。私は、わが代表団のあなたへの全面的な支持と協力を保証させていただくと同時に、あなたおよびその他の同僚たちと密接に協力して、有意義な職務を遂行することを切望するものである。(注:ラットレー大使はジャマイカの国連常駐代表)。

議長、核軍縮の全般的目標はより少数の核兵器でより安全な世界を達成することにあり、そうした目標をめざして、政治的不安定と軍事的不均衡を引き起こさない漸進的な方途によって、現実的かつ実際的な措置を講じることが重要である。日本は、「軍縮・不拡散イニシアティブ」(NPDI)の他の参加国とともに、核不拡散条約(NPT)体制を強化するべく積極的に努めてきており、さる4月には、広島においてNPDI閣僚会議を主催した。閣僚たちは、核軍縮にむけての現実的かつ実際的な接近方法をふくむ、「広島声明」を発出した。日本は、われわれが「三つの削減」すなわち核兵器の数量、核兵器の果たす役割、および核兵器保有のインセンティブの三つそれぞれの削減にむけて努力し、それに加えて、新たな核兵器国の出現の防止、核兵器関連の物質と技術の拡散の防止、および核兵器テロの防止の「三つの防止」にむけて努力すべきであるとの提案を行った。日本は、こうしたコンセプトに留意しつつ、核兵器なき世界の構築にむけてブロックを積み上げていくべく、さらに努力する決意である。(NPDI参加国:日本,豪州,ドイツ,オランダ,ポーランド,カナダ,メキシコ,チリ,トルコ,UAE,ナイジェリア,フィリピンの計12か国。外務省広報による。)

議長、2015年という年は広島と長崎における原子爆弾投下の70周年にあたる。すべての国がさらなる決意と緊迫感をもって自らの軍縮公約を実行するとともに核兵器の不使用と不拡散を保証するため努力することこそ肝心である。日本は、核兵器の廃棄が核兵器を保有する諸国との実質的かつ建設的な協同を通じて可能になると確信している。こうした観点から、日本はふたたび本委員会に「核兵器の完全廃棄にむけての共同行動」と題した決議案を提出するであろう。われわれはこの決議案が可能な限り多くの共同提案国と賛成国を獲得することを切望する。また、2015年という年はNPT再検討会議の年にあたり、2020年にむけての新たなロードマップをわれわれに与えてくれる新行動計画についての合意が期待されている。きびしい論争を呼ぶ諸問題がこれから先に控えており、再検討会議の見通しは必ずしも明るくないが、われわれは緊迫感をもって会議の成功のために努力を結集すべきである。

議長、2014年の任期中、軍縮会議がまたもや年間作業計画の合意に達することが出来ずに終ったことは遺憾である。…[この段落、以下省略]

議長、北朝鮮の核およびミサイルの開発計画は、ウラン濃縮作業を含めて、この地域と国際社会全体の平和と安定、さらにはNPTにたいして深刻な脅威を与えている。日本は関連する国連安全保障理事会決議に違反する北朝鮮の度重なる弾道ミサイル発射、さらなるミサイル発射の可能性を示す公式発表、および、5MW黒鉛減速原子炉の再スタートとウラン濃縮施設のさらなる刷新を含むヨンビョンの継続中の諸活動について、強い懸念を表明する。日本は北朝鮮にたいしてさらなる挑発的行動を控えること、および、すべての関連諸活動を終結させることを強く促す。北朝鮮による核実験はまったく受け入れられない。なぜなら、それはNPTを中心とする国際不拡散体制にたいする重大な侵害であり、かつまた、核兵器なき世界実現のためのわれわれの努力の逆転のリスクを冒すからである。日本は、北朝鮮にたいして、国連安保理決議および2005年6者会談共同声明に基づくものをふくめて、すべての国際的な義務および約束を完全に遵守することを強く促す。我々は北朝鮮にたいして、重ねて、検証可能にして不可逆的な方途によりすべての核兵器とミサイルの開発計画を完全に放棄すること、および、国際原子力機関(IAEA)との保障措置協定と核不拡散条約(NPT)に復帰することを強く促す。

イラン核問題について、日本はイランにたいして包括的核実験禁止条約(CTBT)とともにIAEA追加議定書を批准すること、および、同国の核活動に関連する国際的懸念の払拭のためにIAEAと十分に協力することを強く促す。日本は「共同行動計画」のもとでの当初措置に関連してとられた諸措置を歓迎するとともに、EU3+3とイランの間の進行中の交渉が問題の最終的かつ包括的な解決へと導くことを希望する。日本は、これまでにとられた関連措置を歓迎しつつも、協力枠組みの第3措置としてIAEAとの間でかれらが合意した諸措置の一部が実行されていない事実を遺憾とする。この文脈において、日本はIAEAの努力を全面的に支持し、かつイランに対してはありうべき軍事分野関連の諸措置についても早急にまた着実に実行するよう促す。

議長、化学兵器条約について…。生物・毒素兵器条約については…。(この段落、以下省略)

議長、日本は12月に予定されている兵器貿易条約の発効を歓迎する…。(この段落、以下省略)

小型兵器については…。(この段落、以下省略)

対人地雷禁止条約については、…。(この段落、以下省略)

議長、私は、この演説を終るにあたって、日本が核兵器使用の人道上の影響に関する世界中の意識とりわけ若年層の意識を向上させるため、軍縮および不拡散の分野における教育の重要性を長年、主張してきたことを強調したい。われわれの否定しえない歴史的背景にもとづき、われわれはそうした人道上の影響の科学的側面に関する理解を「深める」と同時に、この人道上の影響についての意識を世代と国境を超えて「広める」ことの重要性をつねに念頭に置いている。これがわれわれ国連共同体の各メンバーにとっての普遍的問題であるゆえに、われわれとしては、核兵器の人道上のインパクトに関する討議が核軍縮の推進力として役立つばかりでなく、さまざまに異なる考えをもつ諸集団を分裂させるのでなく団結させる架け橋もしくは触媒の役目を果たすことを切に希望する。

議長、ご清聴いただき、感謝いたします。