| 宇宙の軍事利用問題について論議 |
| 非核の政府を求める会核問題調査専門委員会(08/10/16) |
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非核の政府を求める会核問題調査専門委員会の例会が10月16日、開かれ、平山武久専門委員が「宇宙の軍事利用問題」について報告しました。
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| 【宇宙基本法の概要】 |
平山氏は冒頭、5月に成立、8月施行となった宇宙基本法の概要について、2、3、14条が「宇宙の軍事利用」に道を開く条文になっていると指摘。防衛省の「宇宙開発利用推進委員会」発足にあたり、防衛大臣らが「(基本法成立という)環境の変化を受け、防衛省・自衛隊としてわが国の安全保障に資する宇宙開発利用について検討を加速させる」「(防衛にとって)情報面での優位性の確保が不可欠であり、それを強化する宇宙開発利用は重要」などと挨拶したことを紹介し、この点に宇宙基本法によせる防衛省の企図が示されていると述べました。
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| 【基本法制定で変わった宇宙関連予算】 |
続けて平山氏は基本法成立後最初の宇宙関連予算の特徴を分析。防衛省が概算要求の「総合的な調査・研究」として、「宇宙開発利用に関する調査研究」「防衛分野に適用可能な宇宙関連技術の調査」「衛星を活用した統合防空システムに関するシミュレーションの研究」「各種衛星の継続的な活用」等をあげていることから、偵察衛星に限定せず広い範囲の宇宙利用に積極的に取り組もうとする姿勢が感じ取れると発言。弾道ミサイル防衛関連、宇宙関連分野、商用衛星利用などを含め宇宙関連の防衛省概算要求は前年比47%増の622億円にのぼり、これとは別に内閣関連の情報収集衛星分の655億円が加わります。平山氏は、情報偵察衛星の運用実績は国会議員にも明らかにされていないと述べ、その大部分が防衛省用途に使われている可能性があると指摘しました。
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| 【国会決議との関係】 |
平山氏は、基本法をめぐる基本的問題点として、宇宙利用を「平和目的に限る」とした国会決議との関連に言及。基本法は国会決議の「自主、民主、公開、国際協力の原則」に風穴を開けるものだが、国会決議そのものは取り消されない限り生きていることを捉えて、引き続きこの理念をたたかいに生かすことが重要だと話しました。
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| 【中長期の軍事技術展望と宇宙利用】 |
さらに「宇宙利用と防衛省・自衛隊」について、自衛隊が活動範囲を海外に拡大するにつれて、防衛専用通信衛星の保有が不可欠とする要求が防衛省・自衛隊周辺から出ていることを紹介。中長期の軍事技術変化としてネットワークを中心とするロボット装備=戦闘の無人化が展望されており、それを可能にする高速・大容量の軍事通信ネットワークに、内閣主導の「準天頂衛星」が位置付けられているとみられると述べました。
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| 【準天頂衛星】 |
準天頂衛星については、その開発経過を時系列で詳しく説明しました。1998年の「全世界的衛星測位システム(GPS)の利用における日本政府とアメリカ合衆国との間の協力に関する共同声明」に端を発し、2001年7月、日本経団連の「準天頂衛星システム構想」提案で具体化に踏み出した経過が示すように、将来、米国のGPSに組み込まれる軍事衛星になる可能性があること、財界・軍需産業主導の開発計画であることを解明しました。
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| 【BMD計画推進に不可欠】 |
弾道ミサイル防衛(BMD)計画と基本法との関わりについて平山氏は、BMD計画に宇宙利用は不可欠であり、とくにミサイルの発射指揮・統制通信システムは衛星通信なしにはできないとの見解を示し、その意味で基本法の成立は、BMDを推進する政府にとって大きな意味をもつと強調しました。
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