| コスタリカのバルガス教授迎え、モデル核兵器条約めぐり懇談 |
| 非核の政府を求める会核問題調査専門委員会 |
| 2007年7月19日 |
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5月にウイーンで開かれた2010年NPT(核不拡散条約)再検討会議第1回準備委員会で、中米のコスタリカはモデル核兵器禁止条約を提起しました。非核の政府を求める会核問題調査専門委員会は7月の例会に、同条約作成に携わったカルロス・バルガス教授(国際反核法律家協会副会長)を招いて懇談しました。同教授は広島で開催された「原爆投下を裁く国際民衆法廷」の判事として来日したものです。 懇談では、モデル条約をめぐる意見交換をはじめ、「非核3原則」と日本政府の核政策のダブルスタンダード、原水爆禁止世界大会の前進、若い世代への教育の問題など多岐にわたって論議が交わされました。モデル核兵器条約についてのバルガス教授の話を、次に紹介します。(文責・編集部)
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| ■モデル核兵器条約とは |
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モデル核兵器条約はもともと、国連事務総長の指示で作業を始めたものです。今回のモデル条約は、97年に国連に提起し、国連文書になったものをさらに発展させています。97年以後の法的、政治的、技術的な展開が、新しいモデル条約の基礎になっています。 モデル条約には2つの法的基礎があります。1つは、96年の国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見、もう1つはNPT第6条です。 言うまでもなく、核兵器のない世界をつくる仕事は我々世界の市民みんながやらなければいけないことです。このモデル条約は、そのための1つのガイドであり、みんなの論議を通じて実効性ある条約を作りあげていくものなのです。
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| ■今回のモデル条約の特徴 |
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このモデル条約の特徴の1つは、核保有国を含むNPT締約国に対して、核兵器の使用・威嚇の禁止を明確に要求し、締約国の義務を明記していることです。 同時にこの条約は、NPTへの加盟・未加盟を問わずすべての国に核兵器条約締結の交渉を始めるよう要求しています。96年のICJの勧告的意見では、核兵器使用・威嚇の違法性について、「自衛のため」「究極的状況」の場合の使用を認める議論が入っていますが、新しいモデル条約ではそういう議論の余地がないように練り上げたつもりです。もう1つは、95年NPT再検討会議の結論の完全実施を要求していることです。同時に、モデル条約は、包括的核実験禁止条約(CTBT)およびカットオフ条約などをふまえて作られています。NPTは核実験の問題をカバーしていないという問題がありますが、モデル条約はその点でも明確に要求しています。核分裂性物質の軍事目的での使用を禁止することも明記しています。核兵器システムのオペレーションの禁止、NPTやCTBTの査察の順守の保障、これらを実行していく機関を作る問題についても言及しています。こういうことを通じて核兵器のない世界を作り上げるという目標を明確に掲げています。
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| ■今後の展望 |
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モデル条約について、「大胆すぎる」とか、「いろんな論争状態の問題ばかりで大変だ」などの意見もあります。しかし、確信を持って言いたいことは、我々が目標を掲げ、それを忠実に実行することによってこそ目標に到達するということです。このモデル条約は、この秋の国連総会に提起します。そして、この問題について具体的に検討する方法として、ワーキンググループをつくることを提起したい。そこで論議を深めて、来年のNPT第2回準備委員会でさらに具体化していく。モデル条約は、核兵器をなくすことを現実化していくためのもので、その前提には広島、長崎を繰り返してはならないという意思があります。そういう脈絡からも、日本の役割は特に重要だと思っています。このモデル条約の価値をいろんな国、各界各層の国民の中に広めていくために、日本の皆さんがリーダーシップをとってくださるよう、期待しています。
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非核の政府を求める会は9月12日、国連総会に向けた政府要請で外務省を訪れた際、日本語版のモデル核兵器条約を木村仁副大臣に手渡し、その実現に尽力するよう求めました。
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