2020年NPT再検討会議への
勧告案修正版
第3回準備委員会〈2019年5月9日 国連ウェブサイトより〉 |
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| NPT再検討会議第3回準備委員会(4月29日〜5月10日)でサイード議長(マレーシア)は5月9日、会議での討論を踏まえて、3日付の勧告案の修正版を各国に配布した。核兵器国による核兵器全面廃絶の明確な約束や、核兵器禁止条約への多数国の支持にひき続き言及しているだけでなく、多くの項目で記述が強化され、核廃絶を求める多数派の意見をより反映するものになっている。勧告案は米国など核保有国側の反発で合意できなかったため、サイード議長は職権にもとづいてこの修正版(勧告最終案)を「作業文書」(5月10日付、文書番号WP.49)として来年の再検討会議に提出することを決めた。 |
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2020年再検討会議
への勧告 (2019年5月9日)
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準備委員会は、断固として条約の諸規定の全面的な履行およびその目的の実現をひき続きめざす必要性を再確認し、したがって、再検討会議の仕事に影響を与えることなく、以下の勧告を検討のために2020年再検討会議に伝達する。
1、とくに条約発効50周年および無期限延長25周年を念頭に置きながら、条約に対するコミットメント、その全面的で早急な履行、ならびに過去の再検討会議の諸コミットメントおよび諸約束のひき続く有効性を再確認する。
2、条約が、世界的な核軍縮および核不拡散体制の礎石であり、国際の平和と安全の一部であって、原子力の平和利用での国際協力を促進するとの確信を再確認する。
3、条約の3本柱の全面的で非差別的でバランスのとれた履行が条約の信頼性および有効性の促進ならびにその目標の具体化にとって不可欠であることを再確認する。
4、条約の諸条項の全面的履行およびその目的の実現に対するコミットメント、並びに1995年再検討・延長会議、2000年再検討会議の最終文書および 2010年再検討会議の結論や後続行動のための勧告を含め、NPTの枠組み内でなされたこれまでのコミットメントの再確認をあらためて確認する。
5、条約の全面履行に対する全締約国の責任並びにその目的を達成するための開かれた包括的で透明な対話の重要性を再確認する。
6、条約ベースの軍縮の仕組みの衰退に対する懸念を表明し、その関連諸条約が相互に強めあう関係にあることを強調する。
T、核軍縮
7、条約第6条の完全かつ有効な履行に対するすべての締約国によるコミットメント、並びに核軍縮――それにはすべての締約国が条約第6条にもとづいてとりくんでいる――につながる自国核兵器の完全廃絶を達成するとの核兵器国による明確な約束を再確認するとともに、自国の関連諸義務を順守するための核兵器国による即時の行動を求める。
8、条約および核兵器のない世界を達成するとの目標に全面的に合致する政策を追求するとの、すべての締約国、とりわけ核兵器国のコミットメントを再確認する。
9、不可逆的で透明で検証可能なやり方での自国核兵器の完全廃絶を達成するうえで、核兵器国による加速された行動を求める。
10、米ロ2国間の軍備管理諸条約を維持し、引き続き履行する重要性、並びに新START条約の延長を含めこの点での早急な進展およびさらなる削減につながる後継条約の交渉の必要性を再確認する。
11、国際の平和と安全に対する核軍縮および核不拡散の不可欠の貢献を再確認する。
12、核兵器の完全廃絶のために、国際の安定と安全を促進するようなやり方で核兵器システムの即応体制を緩和する具体的で測定可能な措置を求める。
13、核軍縮の達成との関連で、信頼の構築に、並びに意図的であれ誤算や事故によるものであれ核兵器使用のリスクの削減に貢献しうる諸措置の作成を求める。
14、締約国に対し、以前の再検討サイクルで約束したコミットメントを含め自国による条約の履行に関して2020年再検討会議および次期再検討サイクルに報告を行い、透明性を強めるために、指定された頻度で 今後の定期的国別報告を作成することに合意するよう勧奨する。核兵器国に対し標準報告フォームについて合意するよう求めるともに、すべての締約国に対し国別報告が正確で最新で完全で比較可能な情報を提供するような報告フォームを使用するよう求める。また、国別報告の内容についての双方向の討論のために2020年再検討会議および次期再検討サイクルで十分な時間を割り当てるよう勧奨する。
15、核兵器国に対し、新型核兵器の開発をやめ、既存の核兵器の質的改良を慎み、すべての軍事・安全保障構想、基本方針、政策において核兵器の役割および重要性をさらに最小化するよう求める。
16、意図的または偶発的核爆発を含め核兵器の破局的な人道上の帰結に対する深い懸念を改めて強調し、核戦争によって全人類に訪れるだろう荒廃を防止するためのさらなる検討、並びに核戦争の危険を避けるためにあらゆる努力を行って国民の安全を守るための諸措置をとる当然の必要性を求める。また、すべての国がつねに国際人道法を含め適用可能な国際法を順守する必要性を再確認する。
17、包括的核実験禁止条約(CTBT)を促進するすべての国の責任を想起しつつ、同条約の可及的速やかな発効を求める。CTBT発効に必要な残りの8つの付属文書U諸国による早急な署名または批准を求め、この点での核兵器国の特別の責任を強調する。CTBT発効まで、核実験爆発のモラトリアムを維持して、CTBTの目標および目的を否定する行為を慎む必要性を再確認する。また、暫定技術事務局および国際監視システムに対する支援の強化を求める。
18、核兵器および他の核爆発装置を禁止する検証可能で非差別的な包括的条約に関する交渉を軍縮会議で即時開始することを求める。
19、核兵器または他の核爆発装置で使用するための核分裂性物質の生産を禁止する検証可能で非差別的で普遍的な条約に関する交渉を軍縮会議で即時開始することを求める。
20、核兵器の使用または威嚇に対して非核兵器国の安全を保障するための実効性のある国際的な法的拘束力をもった協定に関する交渉を軍縮会議で即時開始することを求める。
21、核兵器のない世界を達成し維持するために核兵器を禁止する法的拘束力のある規範の必要性を認める。
22、核兵器禁止条約およびそのNPTへの相補性を多くの締約国が支持していることを認める。
23、有効で信頼できる核軍縮検証が核兵器のない世界の達成および維持にとって不可欠であることを再確認し、この点で核兵器国と非核兵器国との間の信用および信頼の促進を目的とする進行中の取り組み、並びに適切な多国間の技術能力の発展を歓迎する。
24、いっそうの非核兵器地帯の設置および非核兵器地帯条約のすべての議定書の発効を支持する。並びに、これらの議定書との関連で核兵器国によってなされた保留や解釈声明の再検討を支持する。また、非核兵器地帯およびモンゴルに関する2020年4月の第4回会議を考慮に入れる。
U、核不拡散 〔……〕
V、原子力の平和利用 〔……〕
W、地域問題 〔……〕
X、条約の普遍性および他の諸条項 〔……〕 |