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第65回国連総会・核兵器廃絶関連4決議
(新アジェンダ連合/日本/マレーシア/非同盟諸国=2010・12)  


【新アジェンダ決議案】

核軍備撤廃公約の実行を加速せよ!

 新アジェンダ連合決議案「核兵器のない世界に向けて:核軍備撤廃公約の実行を加速する」は10月26日、国連総会第1委員会において、圧倒的な多数の支持を得て承認された。
 賛成158票、反対5票、棄権4票であった。日本は今回もこの決議案に賛成した。反対は米、仏、イスラエル、北朝鮮とインド。棄権は英、パキスタン、ブータンとミクロネシアであった。
 新アジェンダ連合決議案の集めた賛成158票は、日本決議案の賛成154票を上回っている。これは、委員会段階ではあるが、昨年に続き2度目の成果として注目された。
 ただし、昨年の総会本会議では、日本決議は171票を集め、新アジェンダ決議の169票を2票上回って採択された。
 以下は2010年新アジェンダ連合決議案全文の翻訳 (原文文書番号:A/C.1/65/L.25)。

 * * * * *

総会は、

2009年12月2日付決議64/57を想起し、

核兵器が使用される可能性により引き起こされた人類にとっての危険に対して重ねて深刻な憂慮を表明し、

核軍備の縮小撤廃と不拡散が双方ともに緊急かつ不可逆的な進展を要する相互補強的過程であることを再確認し、

1995年核不拡散条約再検討延長会議においていずれも採択された「核不拡散条約再検討過程の強化」、「核兵器不拡散と核軍備縮小撤廃の原則と目標」および「核不拡散条約の延長」の諸決定および中東に関する決議、ならびに2000年核不拡散条約再検討会議の最終文書を想起し、

核不拡散条約第6条のもとでの公約に則ってなされた、核軍備撤廃へと導く自国核軍備の完全廃棄を達成するとの核兵器国による明確な約束をとくに想起し、

包括的核実験禁止条約の早期発効がもつ核軍備縮小撤廃と核兵器不拡散の目標の推進にとっての決定的重要性の継続を認識し、およびマーシャル諸島、中央アフリカ共和国およびトリニダード・トバゴによる最近の同条約批准を歓迎し、

2000年核不拡散条約再検討会議がその最終文書のなかで非核兵器地帯設置が地球的および地域的規模の平和と安全を増進し、核不拡散体制を強化し、および核軍備縮小撤廃の諸目標の実現に貢献するとの確信を再確認したことなどを想起し、

2010年核不拡散条約再検討会議がその最終文書のなかでさらなる非核兵器地帯の設置を奨励したことを認識し、およびこの奨励が現在のところ非核兵器地帯が存在しない中東など世界各地域における同地帯設置のための協調的な国際の努力につながることへの希望を表明し、

1995年中東決議の完全実施のための実際的措置に関する2010年核不拡散条約再検討会議における合意に満足の念をもって留意し、

2010年4月30日、ニューヨークにおいて開催された「非核兵器諸地帯および非核モンゴルの設置に関する条約の締約国および調印国の第2回会議」を歓迎し、あわせてその「成果文書」に留意し、

ロシア連邦とアメリカ合衆国の間の「戦略攻撃兵器の一層の削減及び制限に向けた措置に関する条約」の締結と調印および同条約の早期発効と完全実施を追求するとの両締約国の公約をあわせて歓迎するとともに、両国の核軍備の一層の削減を達成するため両国が後続の諸措置に関する討議を継続するようにとの2010年核不拡散条約再検討会議の両国に対する奨励に留意し、およびすべての核兵器国が透明性、検証可能性および不可逆性の基本原則を遵守する効果的な核軍備縮小撤廃措置を講じる必要を強調し、

防衛目的にとってすでに不要であると指定されたプルトニウムの管理と処理に関するロシア連邦とアメリカ合衆国の間の協定、および国際原子力機関との間において検証措置実施に関する法的拘束力のある協定を締結するとの両国の公約をあわせて歓迎し、

2010年核不拡散条約再検討会議が核兵器の完全廃棄こそ核兵器の使用と威嚇を防止する唯一の絶対的保証であると再確認し再認識したこと、および非核兵器国が核兵器国より明確にして法的拘束力のある安全保障確約を受けることの正当な利益を再確認し再認識したことを想起し、

1.核軍備撤廃、核兵器不拡散および原子力平和利用ならびに中東とりわけ1995年中東決議の実行に関する後続の行動についての結論と勧告を含む、2010年核不拡散条約再検討会議による実質的な最終文書の採択を歓迎する。

2.同再検討会議が、条約の諸目標に則して、すべてのものにとってのより平和な世界を追求すること、および核兵器のない世界の平和と安全を達成することを決意した事実をとりわけ歓迎する。

3.同再検討会議が核兵器のいかなる使用も人道上の破滅的な結果を引き起こすとの深刻な憂慮を表明したこと、およびすべての国が国際人道法を含む適用可能な国際法をつねに遵守する必要のあることを再確認したことをあわせて歓迎する。

4.同再検討会議が核兵器国に対して相互信頼を強めるため透明性をさらに増進するよう要請したことを歓迎し、この点に関する最近の積極的な諸措置を認識し、およびすべての核兵器国に対してこの点に関する諸活動を早期に実行するよう要請する。

5.条約第6条のもとですべての締約国が公約している核軍備撤廃へと導く、核兵器国による自国核軍備の完全廃棄を達成するとの明確な約束の具体的な再確認など、2000年再検討会議の最終文書に含まれた実際的諸措置の有効性の継続の再確認を歓迎する。

6.2010年再検討会議において核兵器国によってなされた2000年再検討会議の最終文書に含まれた核軍備撤廃へと導く諸措置の具体的な進展を加速するとの公約の重要性、および2015年再検討会議のための2014年準備委員会会合に先立って実質的な進展を保証するための核兵器国による敏速な関与の公約の重要性を強調するとともに、核兵器国が2010年再検討会議により採択された核軍備撤廃に関する行動計画の下での彼らの公約の実施に関して定期的に報告することを奨励する。

7.配備中か未配備かを問わずあらゆる型式の核兵器を1国的、2国間、地域的および多国間の諸措置を通じるなどして削減しおよび究極的に廃棄するためさらなる努力を行なうとの核兵器国の公約に満足の意をもって留意する。

8.すべての核兵器国にたいして、2010年核不拡散条約再検討会議の最終文書の核軍備撤廃に関する行動計画に則して、各核兵器国により軍事目的にとってすでに不要であると指定されたすべての核分裂性物質の不可逆的除去を保証するため、および核軍備撤廃に関する適当な検証能力の開発を支持するために、さらなる措置を講じることを奨励する。

9.すべての核不拡散条約締約国に対して、1995年再検討延長会議において採択された中東決議の完全実施に向けて努力することを要請し、および国連事務総長と1995年決議の共同提案国、およびその他のすべての関係国と関係機関に対して、この点に関する2010年NPT再検討会議で合意された実際的措置を執行するためあらゆる必要な準備を行なうことを約束するよう要請する。

10.核軍備撤廃と核兵器不拡散を達成するさいの核不拡散条約の中心的役割およびその普遍性を引き続き強調するとともに、すべての締約国に対して自らの義務を尊重するよう要請する。

11.すべての国に対して、核軍備撤廃と核兵器不拡散に関するすべての公約を完全に遵守すること、およびその目的のいずれかを損なうかも知れず、あるいは新たな核軍備競争へと導くかも知れない行動を決してとらないことをあわせて要請する。

12.すべての締約国に対して、核不拡散条約の普遍性を達成するためあらゆる努力を惜しまないようにとの呼びかけを繰り返すとともに、この点に関して、インド、イスラエルおよびパキスタンに対して非核兵器国として早急かつ無条件に同条約に加入することを強く促す。

13.朝鮮民主主義人民共和国に対して、2005年9月の共同声明のなかの公約を含めて6者協議の下での公約を履行すること、すべての核兵器と現行核計画を放棄すること、および平和的に朝鮮半島の非核化を達成するため早急に核不拡散条約および国際原子力機関との保障措置協定の厳守に復帰することを強く促すとともに、6者協議に対する堅い支持を再確認する。

14.第66会期の暫定議題のなかに「核兵器のない世界に向けて:核軍備撤廃公約の実行を加速する」と題する項目を含めること、および同会期において本決議の実行状況を検討することを決定する。



【日本決議】

「核兵器の完全廃棄に向けた共同行動」(A/C.1/65/L.43)


提案国:
アフガニスタン、アンドラ、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ベニン、ブルガリア、ブルキナファソ、カナダ、チリ、コンゴ、コスタリカ、クロアチア、キプロス、チェコ、コンゴ民主共和国、デンマーク、ドミニカ共和国、エルサルバドル、エリトリア、エストニア、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イラク、イタリア、日本、カザフスタン、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マダガスカル、マリ、モンテネグロ、ネパール、オランダ、パラグアイ、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、サンマリノ、セネガル、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スワジランド、スイス、東ティモール、ウガンダ、アメリカ合衆国、ジンバブエ

決議案:
核兵器の完全廃棄に向けた共同行動

総会は、

核兵器のない平和で安全な世界を実現するために、すべての国が核兵器の完全廃棄にむけた実際的かつ効果的なさらなる措置をとる必要を想起し、および、この件に関する国連加盟国の共同行動をとる決意を確認し、

軍備の縮小撤廃の過程における各国の努力の究極的な目標が厳重かつ効果的な国際管理のもとにおける全面的かつ完全な軍備撤廃であることに留意し、

2009年12月2日付総会決議64/47を想起し、

いかなる核兵器の使用も人道に反する破滅的結果をもたらすことへの深甚なる憂慮を表明し、すべての国がつねに国際人道法をふくむ適用可能な国際法を遵守する必要を再確認するとともに、核戦争と核テロリズムを防止するためあらゆる努力を払うべきであることを確信し、

国際の平和と安全の強化と核軍備縮小撤廃の推進が相互に補強しあっていることを再確認し、

核軍備縮小撤廃における一層の前進が国際の平和と安全にとっても不可欠である核兵器不拡散の国際体制の整備に貢献するであろうことをあわせて再確認し、

核兵器の不拡散に関する条約(NPT)が国際不拡散体制の礎石として、またNPTの3本柱すなわち核軍備縮小撤廃、核兵器不拡散および原子力平和利用の探求のための不可欠な土台として、決定的に重要であることをさらに再確認し、

2010年5月3〜28日に開催された2010年NPT再検討会議の成果を歓迎し、および同会議において採択された行動計画の完全実施の必要を再確認し、

原爆投下65年目の今年、国連事務総長による日本の広島と長崎への訪問が行なわれたことを歓迎し、

国連事務総長により2010年9月24日に招集された、ジュネーブ軍縮会議の事業の再活性化および多国間の軍備縮小撤廃交渉の促進に関する高級会合に留意し、

2010年4月8日に行なわれたロシア連邦とアメリカ合衆国の間の「戦略攻撃兵器の一層の削減及び制限に向けた措置に関する条約」(新START条約)の調印を歓迎し、

フランス、イギリス、およびアメリカ合衆国によって最近行なわれた保有核弾頭の総量に関する発表およびロシアによる核軍備の現況に関する発表が透明性のさらなる増進と相互信頼のいっそうの強化に役立つことに留意するとともに、これとの関連で、核兵器国5カ国が2010年NPT再検討会議の後続会合を2011年中にパリで開催するとの発表を歓迎し、

大量破壊兵器の拡散とりわけ拡散ネットワークによるものを含む核兵器の拡散が引き起こす危険の強まりについて深甚なる憂慮を表明し、

加盟国間の共通の目標である核軍備縮小撤廃、核兵器不拡散、および原子力平和利用とともに核セキュリティの目標の重要性を認識し、および核セキュリティの強化と核テロリズムの脅威の削減への顕著な貢献となった2010年4月12〜13日の核セキュリティ・サミットを歓迎し、

朝鮮民主主義人民共和国によって2006年10月9日と2009年5月25日にそれぞれ発表された核実験に関する安全保障理事会の2006年10月14日付決議1718(2006)と2009年6月12日付決議1874(2009)の重要性をあわせて認識し、および朝鮮民主主義人民共和国がNPTの下でいかなる状況においても核兵器国の地位を持ちえないことを宣言し、

1.すべてのNPT締約国が同条約のすべての条文のもとでの義務を遵守することの重要性を再確認する。

2.NPTの普遍性の決定的重要性をあわせて再確認し、およびNPT締約国でないすべての国にたいして早急にかつ無条件で非核兵器国としてNPTに加入すること、およびNPTに加入するまでの間、同条約の規定を遵守するとともに同条約を支持する実際的措置をとることを要請する。

3.NPT第6条のもとですべての締約国が約束している核軍備撤廃をみちびく、それぞれ自国の核軍備の完全廃棄を達成するとの核兵器国による明確な約束をあわせて再確認する。

4.核兵器国にたいして、1国的、2国間、地域的および多国間の措置などを通じて、配備中と未配備とを問わず、あらゆる型式の核兵器を削減しかつ究極的に廃棄するため、さらなる努力を払うことを要請する。

5.核軍備撤廃および核兵器不拡散の過程との関連において、不可逆性、検証可能性、および透明性の原則を適用することの重要性を強調する。

6.核軍備撤廃および核兵器なき世界における平和と安全の達成のためには公開性と協力が必要とされることを認識し、および透明性と効果的検証の強化をつうじて信頼を増進することの重要性を確認する。

7.ロシア連邦とアメリカ合衆国にたいして、新START条約の早期発効と完全実施に努めること、および両国の核軍備のさらなる削減を達成するため後続の措置に関する討議を継続することを奨励する。

8.包括的核実験禁止条約について未だに調印と批准を済ませていないすべての国にたいして、同条約の早期発効と普遍性達成を視野に入れて調印と批准を行なうよう促すとともに、同条約の発効までの間、核兵器実験爆発または他のいかなる核爆発についても現行モラトリアムを維持することの重要性を強調し、さらに同条約の遵守の保証を提供することになる検証体制の開発の継続の重要性を再確認する。

9.ジュネーブ軍縮会議の2011年会期における核分裂性物質カットオフ条約に関する交渉の即時開始とその早期締結を要請するとともに、すべての核兵器国とNPT非締約国にたいして、同条約の発効までの間、核兵器またはその他の核爆発装置のための核分裂性物質の生産に関するモラトリアムを宣言しかつ維持することを要請する。

10.核兵器国にたいして国際の安定と安全を促進する方途によって核兵器の事故によるまたは無許可の発射のリスクをさらに削減する措置をとることを要請するとともに、若干の核兵器国がすでにこれとの関連において講じた措置を歓迎する。

11.核兵器国にたいして、軍事と安全保障に関する概念、理論、および政策のなかにおける核兵器の役割と意義をさらに削減することを視野に入れて、早急に取り組むことをあわせて要請する。

12.核兵器国それぞれの一国的見解表明に留意しつつ、1995年4月11日付安全保障理事会決議984(1995)を想起するとともに、すべての核兵器国にたいして安全保障確約に関する現行の公約を十分尊重することを要請する。

13.地域の国ぐにの間で自由に到達された取り決めにもとづき、および軍縮委員会の1999年指針に則って、さらなる非核兵器地帯が創設されることを奨励する。

14.すべての国にたいして、核兵器とその運搬手段の拡散を防止しかつ制限する努力を倍加させること、および核兵器の不保有を誓ったことの義務を十分尊重しかつ遵守することを要請する。

15.国際原子力機関(IAEA)の包括的保障措置協定をいまだ採択・履行していない国ぐにを包含するために、同保障措置協定の普遍化の重要性を強調するとともに、IAEA理事会により1997年5月15日に承認された単数または複数の国とIAEAの間の協定のモデル追加議定書の普遍化、および、2004年4月28日付決議1540(2004)の完全実施の達成に向けてのさらなる努力を強く奨励する。

16.すべての脆弱な核物質および放射性物質を確保するためのあらゆる努力を奨励するとともに、すべての国にたいして核セキュリティの増進のため国際社会として協調的に努力すること、および必要に応じて能力開発への支援をふくめ援助を要請しおよび供与することを要請する。

17.すべての国にたいして、核兵器のない世界の達成を支持する軍縮・不拡散教育についての国連の研究に関する国連事務総長報告に含まれている勧告を実行すること、およびこの目的にむけて自らが取り組んできた努力に関して情報を自発的に共有することを奨励する。

18.核兵器不拡散と核軍備撤廃を促進するにあたり市民社会の果たした建設的役割を称賛しかつさらに奨励するとともに、すべての国にたいして、市民社会との協力のもと、核兵器使用の悲劇的結果についての大衆の認識の増進に役立ちかつ核軍備の縮小撤廃と不拡散を促進する国際努力の弾みを強化するための軍縮・不拡散教育を促進することを奨励する。

19.第66回会期の暫定議題のなかに「核兵器の完全廃棄に向けた共同行動」と題する項目を含めることを決定する。



【マレーシア決議】

「『核兵器による威嚇または核兵器の使用の合法性』に関する国際司法裁判所の勧告的意見の追求」
(A/C.1/65/L.50)


提案国:
アルジェリア、バングラデシュ、ベニン、ブラジル、ブルネイ、ブルキナファソ、カンボジア、チリ、コンゴ、コスタリカ、キューバ、エジプト、フィジー、グアテマラ、ホンジュラス、インド、インドネシア、イラン、イラク、ヨルダン、ラオス、リビア、メキシコ、マダガスカル、マレーシア、マリ、ミャンマー、ニカラグア、フィリピン、シンガポール、シリア、タイ、東ティモール、ウルグアイ、ベネズエラ、ベトナム、ジンバブエ。

決議案:

総会は、

 1994年12月15日付決議49/75K、1996年12月10日付決議51/45M、1997年12月9日付決議52/38O、1998年12月4日付決議53/77W、1999年12月1日付決議54/54Q、2000年11月20日付55/33X、2001年11月29日付決議56/24S、2002年11月22日付決議57/85、2003年12月8日付決議58/46、2004年12月3日付決議59/83、2005年12月8日付決議60/76、2006年12月6日付決議61/83、2007年12月5日付決議62/39、2008年12月2日付決議63/49および2009年12月2日付決議64/55を想起し、

 核兵器の存続が地球上の人類とすべての生物にとって脅威となっていることを確信し、および核の破滅にたいする唯一の防御が核兵器の完全廃棄およびそれら兵器が決して二度と生産されないことの確実性にあることを認識し、

 核兵器の完全廃棄を通じる核兵器なき世界という目標の実現についての国際社会の公約を再確認し、
 核兵器の不拡散に関する条約(NPT)の第6条において約束された締約国の厳粛な義務、とりわけ、核軍備競争の早期停止と核軍備撤廃に関連する効果的な措置について誠実に交渉を行なうとの義務に留意し、

1995年NPT再検討延長会議において採択された核軍備の不拡散と縮小撤廃についての原則と目標、2000年NPT再検討会議において採択された核軍備撤廃をもたらす自国の核軍備の完全廃棄を達成するとの核兵器国による明確な約束、および2010年NPT再検討会議において核軍備撤廃に関する「今後の行動についての結論と勧告」の一部として合意された行動計画諸項目を想起し、

核兵器のいかなる使用であろうともそれが引き起こす破滅的な人道的諸結果にたいして深い憂慮の念を共有し、および、その文脈において、国際人道法を含む適用可能な国際法をすべての国がつねに遵守する必要を再確認し、

すべての核兵器国にたいして具体的な核軍備縮小撤廃の努力をすることを要請するとともに、すべての国が核兵器のない世界の実現と維持のために特別な努力をする必要があることを強調し、

国連事務総長の核軍備撤廃についての5項目の提案、とりわけ、強固な検証システムに裏付けられた、単一の核兵器条約に関する交渉の検討または異なった相互に補強しあう複数の法律文書の枠組みに関する合意の提案に注目し、

1996年9月10日の決議50/245における包括的核実験禁止条約の採択を想起し、および同条約を調印しおよび批准した国の増加に満足の意を表明し、

南極条約およびトラテロルコ、ラロトンガ,バンコク、ペリンダバ、およびセミパラチンスクの各条約ならびにモンゴルの核兵器なき地位がこれらの条約の対象とする南半球全域と近隣地域を核兵器から漸次解放しつつあることを満足の感をもって認識し、

核兵器の完全廃棄に至るまでの間、非核兵器国にたいする核兵器による威嚇または核兵器の使用を行わないことを保証するための多国間で取り決められかつ法的な拘束力を有する法律文書の必要を認識し、

ジュネーブ軍縮会議が果たす軍備の縮小撤廃に関する唯一の多国間交渉の場としての中心的役割を再確認し、

ジュネーブ軍縮会議が特定の時間的枠組みをそなえた核兵器完全廃棄についての段階的計画に関する交渉を開始する必要を強調し、

核兵器国が、2000年NPT再検討会議の最終文書に含まれた、核軍備撤廃へとみちびくNPT第6条を実施するための13の実際的措置の具体的な進展を加速させる緊急な必要を強調し、

2007年にコスタリカとマレーシアによって国連事務総長に提出され、文書A/62/650として国連事務総長によって配布された「モデル核兵器条約」に注目し、

効果的な国際管理の下における核兵器の開発、生産、実験、配備、貯蔵、威嚇または使用の法的拘束力のある禁止およびそれら兵器の破棄の目標を達成することを切望し、

1996年7月8日に発表された「核兵器による威嚇または核兵器の使用の合法性」に関する国際司法裁判所の勧告的意見を想起し、

1.厳重にして効果的な国際管理の下における核軍備の全面的な撤廃をもたらす交渉を誠実に行いかつ完結させる義務が存在するとの国際司法裁判所の全員一致の結論を重ねて強調する。

2.すべての国にたいして、核兵器の開発、生産、実験、配備、貯蔵、移転、威嚇および使用を禁止し、およびそれら兵器の廃棄を規定する核兵器条約の早期締結をもたらす多国間交渉を開始することによって、その義務をただちに履行することを重ねて要請する。

3.すべての国にたいして、本決議と核軍備撤廃の実施に関してそれぞれが行った努力と措置について事務総長に通報することを要請するとともに、事務総長にたいして第66会期においてその情報を総会に供与することを要請する。

4.第66回総会暫定議題のなかに「『核兵器による威嚇または核兵器の使用の合法性』に関する国際司法裁判所の勧告的意見の追求」と題する項目を含めることを決定する。



【非同盟諸国(ミャンマー)決議】

「核軍備縮小撤廃」

提案国:
アルジェリア、バングラデシュ、ブータン、ボリビア、ブルネイ、カンボジア、
中央アフリカ共和国、コンゴ、キューバ、ドミニカ共和国、フィジー、インドネシア、イラン、
ヨルダン、ケニア、クウェート、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、
フィリピン、セネガル、シエラレオネ、シンガポール、スリランカ、タイ、東ティモール、
ウガンダ、ベネズエラ、ベトナム、ザンビア、ジンバブエ。


総会は、

1994年12月15日付の核の脅威の段階的削減に関する決議(49/75E)、および1995年12月12日付(50/70P)、1996年12月10日付(51/4500、1997年12月9日付(52/38L)、1998年12月4日付(53/77X)、1999年12月1日付(54/54P)、2000年11月20日付(55/33T)、2001年11月29日付(56/24R)、2002年11月22日付(57/29)、2003年12月8日付(58/56)、2004年12月3日付(59/77)、2005年12月8日付(60/70)、2006年12月6日付(61/78)、2007年12月5日付(62/42)、2008年12月2日付(63/46)、および2009年12月2日付(64/53)の核軍備縮小撤廃に関する決議を想起し、

核兵器の完全廃棄および核兵器のない世界の確立の目標にたいする国際社会の公約を再確認し、

細菌(生物)兵器と毒素兵器の開発、生産と貯蔵の禁止およびそれらの兵器の破棄に関する1972年条約および化学兵器の開発、生産、貯蔵と使用の禁止およびそれらの兵器の破棄に関する1993年条約がそれぞれ生物兵器と化学兵器の完全禁止に関する法的な体制を確立していることに留意し、および、核兵器の開発、実験、生産、貯蔵、貸与、移転、使用と使用の威嚇の禁止およびそれらの兵器の破棄に関する核兵器条約を達成すること並びにかかる条約を早期に締結することを決意し、

核兵器のない世界の確立の条件がいま存在することを確認し、およびこの目標の達成に向けて具体的な実際的措置を講じる必要を強調し、

軍備の縮小撤廃に当てられた最初の会期である第10回特別総会の最終文書の第50段落が核兵器体制の質的な改良と開発の停止についての協定の緊急な締結を要請し、およびあらゆる可能な場合、合意された時間的枠組みを備えた、最も早急な究極的かつ完全な廃棄へとみちびく核兵器とその運搬手段の漸進的かつ均衡のとれた削減についての包括的かつ段階的な計画を要請していることを念頭におき、

核不拡散条約が核兵器不拡散と核軍備縮小撤廃の礎石であるとの同条約締約国の確信、および1995年核不拡散条約再検討延長会議により採択された同条約再検討過程の強化の決定、核兵器不拡散と核軍備縮小撤廃の原則と目標の決定、および同条約の延長の決定ならびに中東に関する決議の重要性を再確認し、

2000年核不拡散条約再検討会議の最終文書のなかで締約国により同意された、核兵器の完全廃棄へとみちびく核軍備縮小撤廃の目標を達成するための体系的かつ漸進的な努力のための13措置の重要性を強調し、

2010年核不拡散条約再検討会議において実行された重要な作業を認識し、および核兵器条約の交渉の開始をめざす作業を強化する推進力として同会議の行動計画を評価し、

第10回特別総会最終文書のなかにおいておよび国際社会によって核軍備縮小撤廃が最高の優先課題とされていることを重ねて指摘し、

包括的核実験禁止条約の早期発効の要請を重ねて表明し、

ロシア連邦とアメリカ合衆国の間における新たな戦略兵器削減条約の調印について、両国の戦略および戦術核兵器のさらなる大幅な削減を達成するためのものとして留意し、およびかかる削減が不可逆性、検証可能性および透明性を備えるべきであることを強調し、

アメリカ合衆国とロシア連邦の間の戦略攻撃戦力削減条約(「モスクワ条約」)の発効を戦略核兵器配備の削減に向けての重要措置として想起するとともに、両国の核軍備のさらなる不可逆的な大幅削減を要請し、

核兵器のない世界の実現に向けてさらに行動するとの核兵器国による積極的な意図の表明に留意し、この目標を一定の時間枠のなかで達成するため核兵器国による緊急な具体的行動の必要があることを再確認し、および核兵器国にたいして核軍備縮小撤廃促進のためさらなる措置をとることを強く促し、

2国間、数カ国間および多国間の核軍備縮小撤廃に関する交渉の相互補完性を認識し、およびこの点に関して2国間交渉がけっして多国間交渉に代わることはできないことを認識し、

ジュネーブ軍縮会議と国連総会において表明された、非核兵器国にたいする核兵器の使用と威嚇の防止を確約する国際条約の策定の支持、およびかかる国際条約に関して早急に合意に達するための多国間努力の支持に留意し、

1996年7月8日に発表された国際司法裁判所の「核兵器による威嚇または核兵器の使用の合法性」に関する勧告的意見を想起し、およびすべての国が厳重かつ効果的な国際管理の下での全面的な核軍備撤廃へとみちびく交渉を誠実に行ないかつ完結させる義務があるとした同裁判所のすべての判事の全員一致の再確認を歓迎し、

2009年4月27〜30日、ハバナにおいて開催された非同盟運動調整局の閣僚級会合の最終文書の第102段落に留意し、

2009年7月15〜16日、エジプトのシャルムエルシェイクにおいて開催された非同盟運動諸国の第15回国家元首・政府首脳会議の最終文書のなかの第112段落と関連するその他の勧告を想起し、軍縮会議にたいして可及的速やかにかつ最高の優先課題として核軍備縮小撤廃に関するアドホック委員会を設置すること、および核兵器条約をふくむ、一定の時間枠のなかにおける核兵器の完全廃棄のための段階的計画に関する交渉を開始することを要請し、

軍縮会議が2009年5月29日、年来の停滞の後をうけて2009年会期の作業計画を採択したことに留意するとともに、同会議が議題に記載された実質的作業を2010年中に実行しえなかったことを遺憾とし、

軍備の縮小撤廃に関する唯一の多国間協議の場としての軍縮会議の重要性と妥当性を再確認し、およびその議題にもとづき、議事手続きに則して、とりわけ4つの核心的問題を取り扱い、およびすべての国の安全保障上の関心事を考慮に入れることによって、均衡のとれた包括的な作業計画を採択しかつ実行する必要を表明するとともに、

総会が1998年9月8日付決定52/492のなかで主要な実質的議題の1つとして核軍備縮小撤廃の課題を討論するよう軍縮委員会に与えた具体的委任事項を再確認し、

国家元首および政府首脳が核兵器を初めとして大量破壊兵器の廃棄に向けて尽力すること、および核の危険を除去する方途を確認するための国際会議を開催する可能性をふくめ、この目的を達成するためにすべての選択肢を開いておくことを決意した、国連ミレニアム宣言を想起し、

各国が、国連憲章に従って、国際関係における紛争を解決するにあたり核兵器の使用または核兵器による威嚇を控えるべきであることを再確認し、

テロ行為における大量破壊兵器とりわけ核兵器の使用の危険、および、それを規制し一掃する協調的な国際の努力の緊急な必要を承知して、

1.いまこそすべての核兵器国がもっとも早い時期に核兵器の完全廃棄を達成するための効果的な核軍備縮小撤廃措置を講じるべき好機であると認識する。

2.核軍備縮小撤廃と核兵器不拡散が実質的に相関関係にありかつ相互補強的であること、この2つの過程がともに連携しつつ進まねばならないこと、および体系的かつ漸進的な核軍備縮小撤廃過程の真の必要があることを再確認する。

3.関係地域の諸国の間における自由に到達された協定または取り決めにもとづき、核兵器のない中東地域の確立をふくめ世界各地における核兵器のない地域を設立する努力を歓迎しかつ奨励する。かかる非核兵器地帯の設立は核兵器のさらなる地理的な拡散を制限する効果的な措置の1つであり、かつ核軍備撤廃の大義に貢献する。

4.核兵器が使用されるリスクを最小限にするため、および核兵器の完全廃棄の過程を進めるために、戦略ドクトリンと安全保障政策における核兵器の役割を縮小する真の必要があることを認識する。

5.核兵器国にたいして核弾頭とその運搬システムの質的改良、開発、生産および貯蔵を直ちに停止するよう強く促す。

6.核兵器国にたいして、さらに暫定措置として、直ちに核兵器の緊急発進態勢を解除しおよび非活性化すること、および核兵器システムの作戦態勢をさらに低減する他の具体的措置を講じることを強く促すとともに、核兵器の配備の削減および作戦上の地位の低減が核兵器の不可逆的削減および完全廃棄の代替措置となりえないことを強調する。

7.核兵器国にたいして、特定の時間的枠組みのなかで核兵器の完全廃棄を達成するために、核の脅威の段階的な削減を実行すること、および効果的な核軍備縮小撤廃の諸措置を遂行することをかさねて要請する。

8.核兵器国にたいして、核兵器完全廃棄を達成するまでの間、核兵器の先制使用をしない集団的約束に関する国際的にかつ法的に拘束力のある文書に同意することを要請し、およびすべての国にたいして、非核兵器国への核兵器の使用と核兵器による威嚇を行なわないとの安全保障確約に関する国際的にまた法的に拘束力のある文書を締結するよう要請する。

9.核兵器国にたいして、適当な段階において核軍備縮小撤廃の効果的措置の1つとして核兵器のさらなる大幅削減に関する核兵器国自身の数カ国間交渉を開始することを強く促す。

10.核軍備縮小撤廃過程にたいし、および核その他の関連する兵器の管理と削減の諸措置にたいして、透明性、不可逆性および検証可能性の原則を適用することの重要性を強調する。

11.2000年核不拡散条約再検討会議の最終文書における、すべての締約国が条約第6条のもとで公約している核軍備撤廃へとみちびく、核兵器国による自国核軍備の完全廃棄を達成するとの明確な約束の重要性を強調するとともに、同条約締約国による核兵器の完全廃棄こそが核兵器の使用または使用の威嚇を防止する唯一の絶対的保証であることの再確認を強調する。

12.2000年再検討会議の最終文書に含まれている核軍備縮小撤廃のための13の実際的措置の完全かつ効果的な実行を要請する。

13.2010年核不拡散条約再検討会議において採択された今後の行動についての結論と勧告のなかに展開されている行動計画、とりわけ核軍備縮小撤廃に関する22項目の行動プランの完全実施をあわせて要請する。

14.核兵器国にたいして、1国的イニシアティブにもとづき、かつ核兵器削減と核軍備撤廃の過程の不可欠な一部として、非戦略核兵器のさらなる削減を遂行することを強く促す。

15.特別調整官の報告とそれに含まれた付託事項にもとづき、核兵器またはその他の核爆発装置のための核分裂性物質の生産を禁止する無差別的な、多国間の、国際的にかつ効果的に検証可能な条約に関する交渉を軍縮会議において直ちに開始することを要請する。

16.軍縮会議にたいして、軍備撤廃と軍備管理の分野における現実と現行の優先課題すべてを考慮に入れた包括的かつ均衡のとれた作業計画にもとづいて、5年以内の完了をめざしたかかる条約に関する交渉の即時開始をふくめ、実質的作業を2011年会期中に可及的速やかに開始することを強く促す。

17.非核兵器国への十分な安全保障確約に関する単数または複数の国際的法律文書の締結を要請する。

18.包括的核実験禁止条約の早期発効および厳守をあわせて要請する。

19.総会が決議64/53のなかで軍縮会議に要請した、2010年早々に核軍備縮小撤廃を担当するアドホック委員会を設置することを軍縮会議が果たせなかったことについて、遺憾の意を表明する。

20.軍縮会議にたいして、核軍備縮小撤廃に関するアドホック委員会を2011年早々の可及的早い時期に、最高の優先課題として設置すること、および一定の時間的枠組みのなかで核兵器の完全廃棄へとみちびく核軍備縮小撤廃の段階的計画に関する交渉を開始することを重ねて要請する。

21.核軍備縮小撤廃の具体的諸措置について確認しかつ対処するため、核軍備縮小撤廃のあらゆる側面に関する国際会議の早期開催を要請する。

22.事務総長にたいして、この決議の実施に関する報告を第66会期中に総会に提出することを要請する。

23.第66会期の暫定議題に「核軍備縮小撤廃」と題する項目を含めることを決定する。

(A/C.1/65/L.22)