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 ●国連・世界の動き
 
「核兵器完全廃棄のための行動計画の諸要素」
(NPT再検討会議における非同盟グループ提出の作業文書=10.4.28)

 核不拡散条約(NPT)の非同盟締約国グループは4月28日、2010年NPT再検討会議の開催に先立って、「核兵器完全廃棄のための行動計画の諸要素」と題するA4版4ページの作業文書を発表した。基本構想は3段階15年での核兵器全廃である。文書の構成は次の通り。

 はしがき
 行動計画
  第1段階:2010〜2015年
   A.核の脅威の減殺をめざす諸措置
   B.核軍備撤廃をめざす諸措置

  第2段階:2015〜2020年
   核軍備の縮小と諸国間の信頼の増進をめざす諸措置

  第3段階:2020〜2025年、さらにそれ以降にむけて
   核兵器のない世界の定着をめざす諸措置

 以下、この非同盟締約国グループ提出の作業文書の翻訳である。

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はしがき

 核軍備縮小撤廃の分野においては若干の前向きな兆候と動向がみられるものの、世界は依然として未解決の数々の難題に直面している。核兵器国の間から、最近、核兵器のない世界を実現する行動を追求する意向について声明が発表されており、これは前向きである。しかし、全面的かつ完全な軍備の縮小撤廃を達成するためには、核兵器国の相互間で合意された約束に則した、核兵器国による緊急かつ具体的行動が引き続き不可欠である。もしも安全保障の文脈における核兵器の役割が非正当化されなければ、そして現行の核ドクトリンが放棄されなければ、核軍備競争の脅威および核兵器による威嚇のエスカレーションはつねに存在するであろう。核兵器の完全廃棄こそ核兵器の使用または使用の威嚇を防止する唯一の絶対的保証である。

 核兵器国は、自国の核兵器の完全廃棄を達成するため、2000年に合意された明確な約束を実行せねばならない。第6条を実施する体系的かつ漸進的な努力のための13の実際的措置は透明性、検証可能性および不可逆性の原則に則して全面的に実施されるべきである。核兵器国は、核兵器条約を含む、特定の時間枠の中での核兵器の完全廃棄のための段階的な計画について、交渉を開始するよう促されるべきである。さらに、国際司法裁判所が到達した全員一致の結論すなわち厳重かつ効果的国際管理の下における全面的な核軍備撤廃へと導く交渉を誠実に行ないかつ妥結に至らしめる義務があるとした結論があることも、想起されるべきである。

 非同盟運動は、今回の再検討会議の審議の基礎として、以下の具体的な諸措置を含む、特定の時間枠の中での核兵器廃棄のための行動計画を提案する。各段階における措置のリストは網羅的であるよりは指標的であり、それら諸措置の順番は必ずしも優先順位を反映するものではない。にもかかわらず、いかなる核軍備撤廃計画においても、すべての諸措置が分かちがたく連結していることは理解されるべきである。

行動計画

第1段階:2010〜2015年

 A.核の脅威の減殺をめざす諸措置:
  以下の諸項目に関する同時並行の交渉が早期妥結をめざして即時に開始されるべきである:
  (a)核兵器用の核分裂性物質の生産を禁止する条約。この交渉は、1995年再検討・延長会議および2000年再検討会議で承認されたように、シャノン付託条項にもとづいて行なわれるべきである。
  (b)以下の2点に関する合意を通じて、核兵器の質的改良の停止。
    (?@)核兵器実験の完全停止(核兵器国を初めとする包括的核実験禁止条約の批准)、CTB
       Tの早期発効、および核兵器実験場の全面閉鎖。
    (?A)核兵器研究開発の禁止を含む、現行核兵器体系の改良のための新技術の利用を防止す
       る措置。
  (c)核兵器国による、自国の軍事・安全保障政策における核兵器の役割を排除するための核兵器態勢の見直し。
  (d)非核兵器国にたいする核兵器の使用または使用の威嚇の防止を保証するための、多国間交渉により纏められかつ法的拘束力を有する普遍的かつ無条件の法律文書。
  (e)核兵器の使用または使用の威嚇を無条件に禁止する条約。
  (f)核兵器廃棄のための条約(核兵器条約)を含む、特定の時間枠の中での核兵器の完全廃棄のための段階的計画に関する合意を「可能な限り早期に」達成するための国際会議。
  (g)トラテロルコ、ラロトンガ、バンコク、ペリンダバ、および中央アジアの諸条約ならびにモンゴル1国の非核の地位の全面的施行(これには核兵器国による関連議定書の調印と批准が含まれる)および追加的な非核兵器地帯の設立。
  (h)中東における非核兵器地帯の設立およびその目標と目的を実現するため1995年中東決議の実施。
  (i)各国による核兵器と核兵器使用可能な物質の明確かつ検証可能な申告および核兵器国による核軍備の削減を各国で、2国間で、または集団的に監視するための多国間体制に関する合意。
  (j)核兵器システムの作戦準備態勢の低減。

 B.核軍備撤廃をめざす諸措置:
  2000年再検討会議で合意されたものを含む、NPTの下における核兵器国による核軍備縮小撤廃の義務と約束の完全実施;第6条に則した交渉の加速化および13の実際的措置の実施。
  核軍備のさらなる削減(START)に関する交渉の妥結。
  カットオフ条約の締結までの間、核分裂性物質の生産の一時停止。
  核兵器国によって軍事利用から平和利用へ移転された核分裂性物質のIAEA保障措置のもとへの配置。
  2010年から2020年までの十年期を「核軍備縮小撤廃の10年」とする公式宣言およびその諸目標の実現。

第2段階:2015〜2020年まで

  核軍備の縮小と諸国間の信頼の増進をめざす諸措置:
  核兵器を廃棄する条約の発効、および、以下の各措置を含む遵守保証のための単一の、統合された、多国間の包括的検証体制の設立。
  (a)核弾頭と運搬手段の分離。
  (b)特殊核物質の弾頭からの除去までの間、核弾頭は国際管理の下にある確実な貯蔵施設に配置。
  (c)核分裂性物質を含む核物質および運搬手段の「平和目的」への移行。
  核分裂性物質、核弾頭およびその運搬手段をふくむ核軍備の在庫調査書の国際的主宰のもとでの作成。
  核弾頭運搬用を意図されたミサイルの漸進的かつ均衡のとれた削減。
  2020年再検討会議による2020年代を「核兵器完全廃棄の10年」と宣言するとの勧告。

第3段階:2020〜2025年まで、さらにそれ以降にむけて

  核兵器のない世界の定着をめざす諸措置:
  以下の諸項目を通じての核兵器完全廃棄の条約およびその検証体制の全面的実施。
  (a)すべての核兵器の廃棄。
  (b)核兵器の生産のためのすべての施設の「平和目的」への転換。
  (c)核施設は普遍的に保障措置の下に配置。