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 ●日本政府の動向
 
提訴から6年 原爆症認定集団訴訟一括解決へ道筋
   ――全原告救済、「被害実態に見合った行政」へ大きな一歩 (2009.8)

 広島「原爆の日」の8月6日、原爆症認定集団訴訟が原告の「全員救済」で終結に向かうことになりました。同日、広島平和公園近くのホテルで、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の坪井直代表委員、田中煕巳事務局長と麻生太郎内閣総理大臣・自民党総裁が、「原爆症認定集団訴訟の終結に関する基本方針に関わる確認書」(写真)に署名し取り交わしました。署名式には山本英典・全国原告団団長、宮原哲朗・全国弁護団事務局長が同席しました。
  確認書署名式(2009年8月6日) 2003年の提訴から6年、原告・被爆者がようやく手にした一括解決への合意――。「確認書」は、▽1審(地裁)勝訴原告全員の認定▽敗訴原告も基金を設けて救済する▽認定基準の改定等にむけて厚生労働大臣と被団協・原告団・弁護団との定期協議の場を設けることを盛り込むなど、日本被団協、原告側の要求にほぼそったもので、訴訟の早期一括解決、被爆実態に見合った認定行政への転換に道筋をつけるもの。これは、裁判のなかで自分のプライバシーをさらけだし、被爆後の病気と生活の苦しみ、心の悩みを訴え続け、命をかけてたたかった原告・被爆者の大きな勝利です。
 原告団側が厚生労働大臣の謝罪を求めていたことについて、河村建夫官房長官が「裁判が長期化し、被爆者の高齢化、病気の深刻化などによる被爆者の方々の筆舌に尽くしがたい苦しみや、集団訴訟に込められた原告の皆さんの心情に思いを致し、これを陳謝いたします」との談話を発表したことも、重要な成果です。
 同時に、議員立法で創設される「基金」の性格・金額・運用がどうなるか、「定期協議」で認定基準改定をどう進めるか、8000人近い未審査滞留者の認定実現など、まだ解決しなければならない課題も残されており、日本被団協、原告団、弁護団は、解決にむけて引き続く支援をよびかけています。
 「原爆被害の過小評価は核戦争の危険につながる」との大義に立ってたたかい続けた原告・被爆者。いまその気概に改めて思いを寄せ、「核兵器のない世界」を求める世論と運動の前進と重ね合わせて、すみやかな訴訟の一括解決のためにさらに支援をつよめるときです。

 原爆症認定集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書
 1 1審判決を尊重し、1審で勝訴した原告については控訴せず当該判決を確定させる。
 熊本地裁判決(8月3日判決)について控訴しない。
 このような状況変化を踏まえ、1審で勝訴した原告に係る控訴を取り下げる。
 2 係争中の原告については1審判決を待つ。
 3 議員立法により基金を設け、原告に係る問題の解決のために活用する。
 4 厚生労働大臣と被団協・原告団・弁護団は、定期協議の場を設け、今後、訴訟の場で争う必要のないよう、この定期協議の場を通じて解決を図る。
 5 原告団はこれをもって集団訴訟を終結させる。
 以上、確認する。
平成21年8月6日

日本原水爆被害者団体協議会
  代表委員   坪井  直
  事務局長   田中 熙巳
内閣総理大臣 自由民主党総裁  麻生 太郎