| グローバル・ゼロ行動計画――核兵器のない世界に向けて(09.6.29) |
| 非核の政府を求める会常任世話人会(2013.4.29) |
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昨年末、地球規模の核兵器ゼロをめざして国際的著名人100人超を集めて結成された「グローバル・ゼロ」は、2030年までの20年の期限を切って、4段階に分けて核軍備撤廃を実現する行動計画を公表した。
「グローバル・ゼロ行動計画」を6月29日、ワシントン市内の記者会見で発表したのは、リチャード・バート元米国務次官補。かれは、かつて米ソ間の第1次戦略兵器削減条約(START?I)交渉のさい、アメリカ側主席代表を務めたベテランである。
この計画の下、最初に米露両国が2国間協定を結んでそれぞれ1000基にまで核弾頭を削減する。次いで多国間協定を締結して、米露がそれぞれ500基にまで削減し、また他の核兵器国も段階的かつ「比例的」に核弾頭を削減して、最終的にゼロに到達することになる。
「グローバル・ゼロ」運動は、核不拡散条約で核兵器国として認められている米、露、英、仏、中の5ヵ国のほか、インドやパキスタンなど他の核兵器国や核兵器能力保有国からも政界、官界、学界、宗教界などの指導者や退役軍人が参加している。
また、大統領在任中、15年間3段階の核兵器廃絶計画を提唱した旧ソ連のゴルバチョフ氏のほか、アメリカのカーター元大統領、南アフリカのツツ大主教、バングラデシュのユヌス氏などのノーベル平和賞受賞者がこの運動に参加していることも注目される。
以下、バート氏が発表した「グローバル・ゼロ行動計画」の〈概要〉と〈計画〉の部分を抄訳で紹介する。
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概要
「グローバル・ゼロ行動計画」は(1)地球的規模の核兵器ゼロ協定に到達するのに14年間(2010〜2023年)を予定し、(2)その協定の締結時点で残存するすべての核弾頭を解体するのにさらに7年間(2024〜2030年)を予定する。
歴史的な背景として、次のような数値が参考になるであろう。
(1)これまでの主な核兵器関連の国際協定は、それを交渉により取り決めたうえ、さらに批准するのに、平均4年を要している。
(2)米露両国は、過去20年間(1989〜2009年)、4万基超の弾頭を退役させ、かつ破棄した。これは、このグローバル・ゼロ行動計画のもとで今後20年間(2009〜2030年)に解体を予定する弾頭2万基超の2倍に相当する。
行動計画
第1段階:2010〜2013年
(1)米露それぞれの核弾頭を1000基にまで削減することを協定する。
――START後継条約の締結に続いて、米露双方の核弾頭をそれぞれ1000基にまで削減することを交渉により取り決める(2018年までに実施するものとする)。
――米側の解体速度(現行、年間350基)を歴史的平均速度(1960〜2002年、年間1000基)にまで引き上げる。
――露側の解体速度(現行、年間450基)を歴史的平均速度(年間1500基)にまで引き上げる。
(2)多国間交渉を準備する。
――米露2国間交渉と並行して、他のすべての核兵器国はそれぞれの核軍備計画を拡張しないよう強く勧奨される。
――すべての核兵器国は多国間交渉のための技術的および外交的な準備を実行する。
・それぞれ自国内の完全な在庫調査を行う(弾頭および物資)。
・弾頭の検証された輸送および解体の方途を開発し、実験する。
・多国間交渉の外交的枠組みを設定する。
――核兵器能力を有するすべての国は:
・CTBTおよびFMCTの署名および批准に向けて早急に努力する。
・すべての核分裂性物質を確保する。
――緊急発進態勢の解除、先制使用計画の終了、および非核兵器地帯その他の地球的ゼロへの前進に貢献する措置を奨励する。
第2段階:2014〜2018年
(1)多国間協定を取り決めかつ批准する。
――多国間枠組みのなかにおいて、米露は核弾頭をそれぞれ合計500基にまで削減することに同意する(2021年までに遂行するものとする)。そのさい、他のすべての核兵器国はそれぞれの保有する核兵器を2018年までの間凍結し、そのあと2021年までの間、比例的に削減するものとする。
――すべての核兵器国により批准されたとき、直ちに発効する。
――この協定は以下の各項目を含む検証および執行の体制を確立する。
・運搬装置、弾頭および物資の完全な監査。
・予告抜きの現場査察による立ち入った検証。
・紛争の解決および遵守の執行のための合意されたメカニズム。
(2)民間核燃料サイクル保障措置を強化する。
――ウラン採鉱、原子炉を含むすべての段階における包括的なIAEA保障措置。
――IAEA追加議定書の採用。
――国際燃料銀行の完成。
――濃縮・再処理施設の国際管理の開発。
第3段階:2019〜2023年
グローバル・ゼロ協定の取り決めおよび批准。
――すべての国の核軍備について、核弾頭合計ゼロを2030年までに達成するための段階的かつ比例的な削減のスケジュール。
・すべての核兵器国は2021年の水準を2025年までに50%削減する。
・すべての核兵器国は2030年までにゼロに削減する。
――すべての核兵器能力を有する国が批准したとき、直ちに発効する。
――検証および執行の体制。
・国際的な監視および執行の継続。
第4段階:2024〜2030年
すべての残存核弾頭の廃棄。
――2030年までにすべての核兵器の段階的、比例的、および検証された解体を完了する。
――検証および執行体制。
・国際的な監視および執行の継続。
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