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 ●提言・声明
 
2023年・年頭声明
非核の政府を求める会常任世話人会
(2023.1.27)

  1月23日、第211通常国会が開会しました。岸田政権がロシアによるウクライナ侵略等に乗じて戦後の安全保障政策を大転換し、「戦争国家づくり」に暴走するもとでの国会です。敵基地攻撃能力保有と大軍拡を許さず、国民の命とくらし、平和を守る政治をなんとしても実現しなければなりません。「平和か戦争か」の歴史的岐路に立つ新年にあたり、今一度、いっしょに確かめたい誓いがあります。
 《日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する》――憲法9条です。
 この憲法の規範があるがゆえに、歴代政権は「専守防衛」をわが国の安全保障の原則としてきました。この立場を根本から変え、自衛隊も攻撃力を持ち、米軍の戦争の肩代わりをしようとするのが、敵基地攻撃能力の保有にほかなりません。戦争準備をすれば戦争の確率が高まることに議論の余地はありません。現代戦でひとたび戦火を交えれば、国民、国土が甚大な被害に見舞われることは避けられないでしょう。平和を望むなら、求められるのは平和を準備する政治です。私たち主権者、国民が今こそ声を挙げ、今年を平和な日本とアジア、世界をひらく意義ある年としようではありませんか。
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 核兵器禁止条約の発効から2年。「核兵器なき世界」の実現をめざす世界の流れは、この1年にも新たな進展をみせています。同条約の署名国はすでに92ヵ国、批准国は68ヵ国を数えます。昨年6月にウィーンで開かれた核兵器禁止条約第1回締約国会議は、同条約の存在感をまざまざと示し、核廃絶へ即時行動を呼びかける「ウィーン宣言」と「行動計画」を採択して、大きな成功をおさめました。8月の核不拡散条約(NPT)再検討会議でも、多数の政府代表が核兵器国の「自国核軍備の縮小撤廃約束」不履行の責任を厳しく問い、核兵器国を防戦一方に追い詰めました。採択に至らなかったとは言え最終文書案に核禁条約の発効と第1回締約国会議の開催を「認識する」との文言が最後まで残ったことは、今後の核廃絶をめぐる国際社会の論議を新たな段階に押し上げるにちがいありません。核兵器の非人道性を正面から問う核禁条約を力に、核兵器国・核依存国の政府を包囲する世論の形成はいよいよ重要です。私たち被爆国の市民社会の真価発揮のときです。
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 このとき、日本政府が世界の流れに逆行していることは重大です。岸田政権は被爆国の政府でありながら、核禁条約に反対して第1回締約国会議へのオブザーバー参加さえ拒み、広島、長崎の「原爆の日」式典挨拶においても同条約に言及しませんでした。被爆者・国民に対する許しがたい背信です。昨秋の国連総会でも、日本提案決議で核禁条約に初めてふれたものの、条約への参加を促す決議案には5年連続で反対票を投じ、世界を唖然とさせる有様です。日米首脳会談でも米国の核戦力による「拡大抑止」への傾斜を強め、「軍事には軍事、核には核」の危うい姿勢を示しました。有事の核持ち込みを認める日米「核密約」の破棄、「非核3原則」厳守の課題はますます重要です。国民の多数は日本政府の核禁条約参加を望んでいます。岸田政権が核固執政策をとり続けるのであれば、私たち国民の声と運動で、「核兵器禁止条約に参加する政府」「非核の政府」の実現を急ぐほかありません。
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「原発への回帰」も重大です。過ちの歴史で得た教訓と誠実に向き合おうとしない岸田首相の政治姿勢の表れです。岸田首相を議長とするグリーントランスフォーメーション(GX)は昨年12月、新たな原発推進政策を含む基本方針を決めました。再稼働の加速、原則40年としてきた原発運転期間の延長を認め、次世代炉の開発・建設に取り組むとしています。福島第一原発事故後、政府は「新増設や建て替えは想定していない」と繰り返し表明してきたにもかかわらず、です。かかる大転換を、国会論議も経ず首相の号令一下で決めるなど、断じて許されません。気候危機打開は待ったなしです。脱炭素・脱原発・再生可能エネルギーの大規模普及への政策転換は急務です。
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 岸田政権のウソとごまかしの政治をこれ以上許してはなりません。「他国を攻撃しても専守防衛だ=v「世界第3位の軍事費でも軍事大国にならない=v「武力で威嚇しても脅威にはならない=v――こんな出任せが通用するはずはありません。いまや内閣支持率は、政権の危険水域≠ニされる3割を切るまで急落しています。国民の共同のさらなる前進で、新しい政治実現のときです。
 まもなく4年ぶりに現地開催となる3・1ビキニデーを迎えます。7月には第11回NPT再検討会議・第1回準備委員会が予定され、8月に原水爆禁止2023年世界大会、秋には第78回国連総会が、11月には核禁条約第2回締約国会議がニューヨークで開かれます。これら会議を節目として、被爆国から核兵器の非人道性と核禁条約の規範力を大いに発信し、2023年を、「核兵器の使用も威嚇も許すな!」「戦争準備をやめ、国民の命とくらしを守る政治に転換を!」の声を拡げ、「核兵器禁止条約に参加する政府」実現の展望ひらく歴史的な転機の年としようではありませんか。