安倍改憲策動と対決する正念場の秋を迎えて
小沢隆一(東京慈恵会医科大学・常任世話人)
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| (2018.10.15) |
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9月20日、自民党大会で安倍総裁が3選された。これで、衆院の解散総選挙か内閣総辞職がない限り2021年秋までの3年間、安倍政権が続くことになる。安倍首相の改憲策動との対決もそうした「長丁場」となることを覚悟しなければならない。そうした見通しの下で、この秋にいかなる取り組みを、どのような視点から進めるべきかを論じてみたい。
安倍首相は、総裁選のさなかに、党としての改憲案を臨時国会で提示するよう発破をかけた。3選後も「自衛隊明記9条改憲」を唱える発言を連発している。まず、この企みの出鼻をくじく必要がある。臨時国会で、とりわけ憲法審査会の場で改憲案の議論をさせない。先の通常国会の会期末に改憲論議の「呼び水」のように提出され、「閉会中審査」扱いになっている憲法改正手続法の「改正」案についても、改憲案の議論とは切り離して、真に民主的な国民投票手続の実現に資するものなのか徹底的な審議を求める。その一方で、まだ国民の中にその問題性が十分に伝わっているとはいえない9条への「自衛隊明記」の危険性をあますところなく明らかにする。こうした取り組みが是非とも求められる。
安倍首相は、これも自民党総裁選挙のさなかに、麻生派から「来年の通常国会で憲法改正国民投票を」という要請を受けた。これは、自民党内の改憲派の意気ごみであると同時に「焦り」の現れである。来年の通常国会は、予算審議に費やさざるをえない2-3月の後に、4月の統一地方選、5月1日の天皇の代替わりが控えている。6-7月に参院選もあるから大幅な会期延長はできない。そうした中で、衆参両院で3分の2の多数の賛成で、すなわち渋る与党公明党やその他野党も巻き込みつつ改憲発議を行い、最短で60日、最長で180日後に憲法改正国民投票を行うという日程をどこに「突っ込む」ことができるか、どんなスケジュールなら「改憲達成」の展望が開かれるか、現実的に考えると相当に「窮屈」である。それでも「蛮勇」を発揮して改憲策動に突進してくることを警戒しつつも、私たちがその拡大に取り組んでいる「改憲反対」の大きな世論が、しっかりと腰を落ち着けてこれを迎え撃てば、容易に突破されることはないであろう。またそういう力を蓄えるべき秋(とき)(とき)である。
そのためにも、安倍9条改憲がもつ平和破壊の本質を、ていねいに解明する必要がある。なぜ安倍首相をはじめとする改憲派は、朝鮮半島の南北首脳会談や米朝首脳会談が生み出しつつある平和の胎動に背を向け、また冷淡なのか。それは、その改憲構想が、日米核軍事同盟体制や米韓同盟、在日・在韓米軍の存在、米の「核の傘」を絶対視し、それ抜きの安全保障のあり方に想像が及ばない(Out of Mind)考えに固執しているからではないのか。私のこの思いは、菅官房長官の言葉によってより確かになった。彼は9月25日の記者会見で、北朝鮮が求めている朝鮮戦争の終結宣言に関して、「朝鮮半島における平和と安全に資するものでなくてはならない」と述べた。南北朝鮮の人民と政府とが平和実現のために痛切な思いで求めている「朝鮮戦争の終結宣言」が、即座には「平和と安全に資する」とは考えないというこの認識は、「自国のことのみに専念して他国を無視」するもの(日本国憲法前文はこれを否定)であり、それは東アジアにおける平和実現にとって途方もない障害である。
この一事をもってしても、この政権に日本とアジア、世界の平和な未来を託すわけにはいかないという思いを強くした。「3年後」を待たずに、すぐにでも退陣させなければならない。ただし、そのための何よりも確実な手段と方法は、「安倍9条改憲NO! 3000万書名」のすみやかな達成と「ヒバクシャ国際署名」の飛躍的拡大とを、「車の両輪」のように力強く、着実に推し進めることである。この2つの署名で培った世論と運動を力に、「オキナワ2018・9・30」の歴史的勝利に続いて、来年の統一地方選と参院選で、安倍9条改憲阻止・沖縄と日本とアジアの平和・核兵器の廃絶を希求する勢力の勝利をかち取り、安倍内閣を退場させようではないか。
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