菅首相の学術会議会員任命拒否は違憲・違法の暴挙
首相は任命拒否撤回し、説明責任果たせ
非核の政府を求める会
(2020.10.15)
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菅義偉首相が日本学術会議の推薦する6人の会員候補の任命を拒否したことに対し、任命拒否の撤回と拒否理由の説明を求める声が、幅広い団体・個人から沸き起こっています。問題が明らかになった9月30日以降、学術会議が総会で6人を任命するよう政府に求める要望書を採択したのをはじめ、180近い学会が声明・要望書を発表。菅首相に任命拒否の撤回を求めるネット署名は10日間で約15万に達しています。
菅首相は学者や野党の批判を前に、弁明を日ごとに変えていますが、日本国憲法違反、日本学術会議法違反という任命拒否問題の核心についてはまともに説明できず、深刻な破綻ぶりを露呈しています。
そもそも学術会議会員の任命は、「優れた研究又は業績」(日本学術会議法17条)を唯一の選考基準として、「(学術会議の)推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」ものであり、この基準に基づく評価、判断ができるのは専門家集団である学術会議だけです。首相が「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断した」などと意味不明の「基準」を持ち込んで学術会議人事に介入するのは、学問の自由、学術会議の独立性を侵害する違憲・違法の暴挙です。
「総理大臣が任命」が拒否権のない形式的なものであることは、政府自身、1983年の学術法改定時の国会答弁で明言しています。国民に責任を負う国会答弁を、時の政権に都合よく法解釈を変更して覆す「安倍政治の継承」など許すわけにゆきません。
菅政権は今回の任命拒否を直ちに撤回し、説明責任を果たすべきです。
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【談話】
菅総理に私たち6名の任命を求めたい
小沢隆一・東京慈恵会医科大学教授〈憲法学〉
私は、ことしの8月、日本学術会議の会員候補者として推薦されました。また私は、2008年10月から12年間、学術会議の「連携会員」として同会議の活動に誠心誠意参画してきました。この度の推薦は、これまでの活動や研究などが勘案されての栄誉なことと思い、10月1日開催の総会への参加を準備していました。
しかし、9月29日、総理大臣による任命がされない旨、学術会議事務局から伝えられました。推薦された会員候補者が任命されなかったのは、過去一度もありません。
私を含む候補者6名への任命拒否の理由について、総理大臣からはなんの説明もありません。
私たちへの任命見送りは、学術会議法に照らして違法なものです。
同法は、学術会議が「優れた研究又は業績がある科学者」のうちから「選考」した会員の候補者を総理大臣に「推薦」し、この「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」と定めています。誰が「優れた研究又は業績がある科学者」かは、学術会議を中心とした学問の世界の中での自律的な判断に任され、よって総理大臣の任命は形式的なものであると従来から説明されてきました。
今回の事態は、私だけの問題ではなく、日本学術会議の存立をも脅かすものです。日本学術会議の地位、職務上の独立性、権限は、会員の任命が内閣総理大臣の意のままになれば、すべて否定されてしまいます。
学術会議が独立性を失い、学術の立場からきちんと物を言うことができなくなれば、「人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与すること」(学術会議法前文)という使命が果たせなくなり、日本国憲法23条が保障している学問の自由に対して、深刻な悪影響を及ぼします。
菅総理大臣は、学術会議側が送った105名の名簿は見ていないとしていますが、学術会議の推薦にもとづいて総理大臣が会員を任命するという学術会議法に違反することは明らかです。
菅総理には、今回の任命手続きの違法性を即座に正して、私たち6名を今すぐ任命するよう求めたいと思います。 |
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