“一歩一歩”でなく、一日も早い核兵器廃絶へ
NPT第3回準備委で被爆国としての役割発揮を
非核政府の会 日本政府に要請 |
| 非核の政府を求める会常任世話人会(2014.4.17) |
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2015年核不拡散条約(NPT)再検討会議第3回準備委員会が4月28日からニューヨークで開かれます。非核の政府を求める会は同17日、外務省を訪れ、同準備委員会を核保有国に核兵器廃絶の具体的決断を求める場とするために、日本政府が被爆国にふさわしい役割を発揮するよう申し入れました。
要請の内容は、@第3回準備委員会で核保有国にNPT再検討会議の核兵器廃絶「合意」の実行を促すことA「核兵器全面禁止条約の速やかな交渉開始」の合意形成に向けて各国政府に働きかけることB「核の傘=核抑止力」依存からの脱却を宣言すること。「非核3原則」の厳守・法制化を明言すること。「日米核密約」を破棄することC北朝鮮の核開発・軍事挑発に対し、平和的・外交的解決のために積極的役割を果たすこと――の4項目(全文別掲)。
要請には駒場忠親(日本自治体労働組合総連合顧問)、高橋和枝(新日本婦人の会副会長)、増田善信(気象学者)の各常任世話人と斎藤俊一事務室長が参加。日本共産党の笠井亮衆議院議員(同会常任世話人)が同席しました。
外務省からは石原宏高・大臣政務官らが応対。
石原氏は申し入れに対し「核保有国にはすべての核兵器の削減を迫りたい」と述べるとともに、「一気に核兵器廃絶へとはいかない。東アジアの状況をふまえれば、一歩一歩近づけるのが現実的」と述べて、核兵器禁止条約に否定的な立場を表明。「核の傘」離脱要請についても、「日本の安全保障上きびしい」と従来の見解に終始しました。
会の代表は、「被爆国の日本が動けば世界の核兵器状況は一気に変わる」「来年は被爆70年。一日も早く廃絶を≠フ被爆者の声、世界の声に応えるべき」と強調。政府の積極的な役割発揮を重ねて求めました。
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内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
外務大臣 岸田 文雄 殿
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2014年4月17日
非核の政府を求める会常任世話人会 |
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2015年NPT再検討会議第3回準備委員会についての申し入れ(案)
2015年核不拡散条約(NPT)再検討会議のための最終(第3回)の準備委員会が、まもなくニューヨークで始まります。昨年の準備委員会や第68回国連総会では、多くの国々が核保有国に対し2010年NPT「合意」の実行を迫りました。今年の準備委員会は、核保有国に「合意」の履行状況と、2015年会議に向けて核兵器廃絶への具体的決断を求める場となるかどうかが焦点となります。
2010年NPT再検討会議では、核保有国を含む全締約国が「核兵器のない世界の平和と安全」の達成を国際社会の「目標」として確認し、そのための法的・時間的「枠組み」づくりに努力することに合意しました。しかし、その後も核保有国が動かないなか、新たに、核兵器廃絶のための包括的条約の早期締結、早急な交渉開始を求める非同盟諸国提案の「国連総会ハイレベル会合」や、核兵器使用による人道上の壊滅的影響を具体的に指摘し、法的拘束力ある基準の必要を主張した「第2回核兵器の人道上の影響に関する国際会議」等、局面打開に向けた意欲的なイニシアチブが発揮されて注目されます。
こうしたイニシアチブは本来、被爆国の日本政府こそ担うべきです。私たちは、今回の準備委員会開催にあたり、日本政府が、同準備委員会を、速やかな核兵器廃絶への具体的で有益な合意形成の出発点とすべく、被爆国であり憲法9条を持つ国の政府にふさわしい役割を発揮するよう、以下、申し入れるものです。
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(1)第3回準備委員会が、核保有国に2000年、2010年NPT再検討会議の核兵器廃絶「合意」の実行を促す場となるよう、積極的な役割を果たすこと。
――核保有国は2010年NPT会議後も、国連総会での核兵器関連決議・投票結果に示されるように、核保有姿勢を変えようとしていません。米ロの核軍縮努力や、核不拡散・核テロ防止の国際会議、日本政府の軍縮・不拡散イニシアチブ等を真に意義あるものとするうえでも、核保有国の核兵器廃絶「合意」の実行が不可欠です。第3回準備委員会を、その決断の場としなければなりません。
(2)「核兵器全面禁止条約のための速やかな交渉開始」の合意形成に向けて、各国政府に働きかけること。
――「1日も早い核兵器の廃絶」は、広島・長崎の被爆者の大願であり、被爆国日本の国際的責務です。第68回国連総会で日本政府は、「核兵器がいかなる環境のもとにおいてもけっして二度と使用されないことは人類生存の利益」とする「核兵器の人道的影響に関する共同声明」に賛成したからには、その目的達成の先頭にたつべきです。また、この立場と両立しえない、「個別的・集団的自衛権にもとづく極限状況下」での核兵器使用容認政策は撤回すべきです。従来の「ステップ・バイ・ステップ」方針を転換して、速やかな廃絶交渉のために尽力すべきです。
(3)核兵器の存在と使用を是認する「核の傘」依存政策からの脱却を国際社会に宣言すること。わが国が将来にわたって「非核3原則」を厳守し、その法制化に取り組むことを明言すること。「日米核密約」の存在をはっきり認め、これを破棄すること。
――核保有国が「核抑止力」論に立ち続けるかぎり、核兵器も、新たな核拡散もなくなりません。自らは米国の「核の傘」に依存しながら、他国に核兵器不保持を訴えるやり方が、国際社会で道理も説得力も持ちえないことは明白です。また、「非核3原則」を厳守するうえで、「日米核密約」の破棄は急務です。
(4)北朝鮮の核開発・軍事的挑発問題に対し、国際社会に実効性ある制裁を求めるとともに、平和的・外交的解決のために、積極的な役割を果たすこと。
――国連決議を無視して北朝鮮が核実験・ミサイル発射等を強行したことは、アジアと世界の安定を脅かす行為であり、実効性ある制裁を求めるのは当然です。日本政府は、軍事的対応に偏することなく、憲法9条をもつ国として、同問題の平和的・外交的解決の先頭に立つべきです。
以上 |