| 鳩山政権は核兵器廃絶へ役割発揮を |
| 第64回国連総会に向けて、非核政府の会が日本政府に申し入れ |
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鳩山由紀夫首相が国連安保理会合で核廃絶の先頭に立つ決意を語るなどの新たな変化のもとで、非核の政府を求める会は9月30日、外務省を訪れ、日本政府が国連総会で核兵器廃絶に向け、唯一の被爆国としてイニシアチブを発揮するよう、日本政府に申し入れを行いました。
笠井亮(日本共産党衆院議員)、高橋和枝(新日本婦人の会副会長)、野口邦和(日本大学専任講師)、増田善信(気象学者)の各常任世話人、斎藤俊一事務室長が参加。新政権側からは西村智奈美・外務大臣政務官らが応対しました。
鳩山首相、岡田克也外相宛ての要請は、@国連総会が、核兵器全面禁止条約の締結に向けた交渉のすみやかな開始を決議するなど、役割を発揮すること、A非同盟諸国、新アジェンダ連合等提案の核兵器廃絶決議案に賛成し、それらの国とともに核兵器廃絶の先頭に立つこと、B核兵器国に対し来年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で核兵器廃絶の「明確な約束」実行を再確認・加速するよう求めること、C「非核3原則」の厳守、法制化推進の明言、日米「核密約」を調査・公表、破棄し、「核の傘」から離脱すること――など4項目。
西村政務官は、「世界が核兵器廃絶に向けて動き出した。日本の唯一の被爆国としての役割が大きくなっている。世界の橋渡し役をしたい」と発言。会の代表は、鳩山首相の核兵器廃絶をめぐる演説を「国民の声を代弁した発言」と歓迎するとともに、核兵器廃絶の先頭に立つことを要望。重ねて、核兵器全面禁止条約の締結に向けた交渉を開始するようイニシアチブの発揮を求めました。
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| ■日本政府への申し入れ書 |
いよいよ第64回国連総会が始まりました。ことしの国連総会は、「核兵器のない世界を」の声が、核保有国首脳らによる諸提案を含めて、世界的広がりを見せる中で開かれるだけに、日本と世界の諸国民が、かつてなく大きな関心と期待をもって注視しています。今総会はまた、2010年NPT(核不拡散条約)再検討会議を核兵器廃絶への新たな転機とするうえで、極めて重要な意義をもつ総会となります。
思想・信条、政党支持の違いをこえて、核兵器のない平和な日本と世界を求める人々によって1986年に結成されたわが会は、一貫して核兵器の廃絶、「非核3原則」厳守、非核の日本を求めてきた立場から、貴職が第64回国連総会で、核兵器の廃絶に向けて、唯一の被爆国政府ならではのイニシアチブを発揮されるよう、強く望むものです。
ことし4月、プラハで「核兵器のない世界」を国家目標として追求すると宣言したオバマ米大統領は、今回の国連総会演説で、「核兵器のない世界」の重要性に改めて言及しました。国連安保理会合では、「核兵器のない世界」をめざした条件づくりに取り組むとする決議が全会一致で採択されました。核兵器国である常任理事国が一致して、拘束力を持つ決議を採択したことは、核兵器廃絶に新たな道を開く画期的な出来事です。わが会は、この一連の動きを歓迎するとともに、核兵器廃絶のための実効性ある具体的行動、とりわけ核兵器廃絶条約実現に向けた交渉開始を強く希望します。
鳩山首相は国連総会演説で、「友愛精神」にもとづき世界の「架け橋」となるとして「核軍縮・不拡散の促進」を明言するとともに、同安保理会合でも、「唯一の被爆国としての道義的責任」として日本が「核兵器廃絶に向けて先頭に立つ」と表明しました。「非核3原則」堅持も国際社会に誓いました。これらはわが会が長年、日本政府に求め続けてきた方向と基本的に合致するものであり、評価するものです。今回の貴職の言明、その誠実な実行の方向こそ、わが国が真に国際社会で名誉ある地位を得る道となります。この立場から、「核兵器廃絶の先頭に立つ」当面の行動の1つとして、これまで日本政府が国連総会で固執し続けた消極姿勢――核兵器廃絶を「究極」=遠い将来の課題に先送りする、非同盟諸国提案の核兵器廃絶のための諸決議に棄権する等――を、いまこそ抜本的に改めるときです。そして、「核兵器は人類と共存できない」との道義に立って、核兵器の脅威で他国を抑えつける「核抑止」路線、「核の傘」依存から脱却し、真に非核の日本へと転換すべきです。日米「核密約」問題についても、岡田外相の言明通り「調査・公表」するとともに、「密約」を破棄し、「非核3原則」を名実ともに堅持することが何よりも重要です。
広島、長崎に米国が原爆を投下して64年が経ちました。一瞬にして20万人余の人々の命を奪った悪魔の兵器は、生き残った人々をも放射線障害等で苦しめ、今も苦悩の人生を強いています。今年の原爆忌で広島・長崎両市長は、「こんな思いを他の誰にもさせてはならぬ」という被爆者たちの悲願を実現するため、日本政府に核兵器廃絶の旗手としての役割発揮を求めました。貴職がかかる被爆地、被爆者の声に真摯に耳を傾け、また、来年のNPT再検討会議の成功に向けて、第64回国連総会の場で、核兵器廃絶のためにさらに積極的な役割を果たされるよう、申し入れるものです。
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| 【要請項目】 |
1.第64回国連総会が、核兵器全面禁止条約の締結に向けた交渉をすみやかに開始することを決議するなど、核兵器廃絶への具体的道筋をつける場となるよう、被爆国であり憲法9条をもつ国の政府にふさわしい役割を発揮すること。
2.非同盟諸国、新アジェンダ連合等提案の核兵器廃絶決議案について、賛成し、それら諸国とともに核兵器廃絶の先頭に立つこと。
3.先の国連安保理決議にもとづき、すべての核兵器国にたいし、2010年NPT再検討会議を核兵器廃絶の「明確な約束」実行を再確認・加速する場とするよう、強く求めること。
4.わが国が将来にわたって「非核3原則」を厳守し、そのための法制化を推進する立場に立つことを明言すること。いわゆる日米「核密約」について、真相を解明・公表し、破棄すること。「核の傘」からの脱却を宣言すること。
内閣総理大臣 鳩山 由紀夫殿
外 務 大 臣 岡田 克也殿
2009年9月30日
非核の政府を求める会常任世話人会 |
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