| 2008・年頭声明 |
| 非核の政府を求める会常任世話人会 |
| 08年1月24日 |
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広島・長崎の被爆から63年目の2008年を迎えました。昨年の漢字には「偽」が選ばれましたが、それは食品偽装にとどまらず、イラク作戦に加わる米艦船への自衛隊の給油流用疑惑、日米同盟強化と一体の防衛利権疑惑等、官製偽装を含意してのことでした。参議院選挙での自民・公明の大敗も、ニセ「改革」への国民の批判の高まりの反映であり、昨年の流行語「KY(空気を読めない)」を象徴する政治的出来事でもありました。激動の中で迎えた2008年は、衆議院の解散・総選挙含みの幕開けとなりました。ことしが非核・平和の日本、自公政治に代わる新しい政治をひらく歴史的転機の年となるよう、民意を大いに示そうではありませんか。
国民のみなさん。「核兵器も戦争もない世界を」の声はいま、圧倒的な国際世論となっています。そのことは、昨秋の国連総会で、核保有国に核兵器廃絶の「明確な約束」の履行を求める新アジェンダ連合提出決議、核兵器廃絶のための交渉開始を求める非同盟諸国提案決議などの核兵器廃絶関連決議が圧倒的多数の国々の賛成で採択されたことに、端的に示されています。キッシンジャー元米国務長官ら米政界長老4氏による、昨年に続くことし1月の核兵器廃絶共同論評の発表、米クリントン政権時代の元国務副長官による次期大統領への核兵器廃絶提言等の動きも、米支配層のあいだの新たな変化を示すものとして注目されます。6ヵ国協議の合意にもとづき、北朝鮮核の無能力化作業が、なお紆余曲折含みとはいえ進んでいることも、北東アジアと世界の平和と安定の新たな展望を開くものです。
同時に、世界にはいまなお2万7000基もの核兵器が配備・貯蔵されて、人類の生存を脅かしつづけています。とりわけ米ブッシュ政権が、単独行動主義・軍事的覇権主義の一定の手直しを余儀なくされつつも、依然として世界戦略の要に核戦力を位置付けている事態は、いささかも軽視することはできません。最近も、世界の米軍再編と結んだミサイル防衛(MD)配備計画の展開、新たな“代替核弾頭”開発計画等を着々と進めています。昨年5月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)では、核兵器を含む米国の軍事力が「拡大抑止の中核」であると公言しました。イラク戦争失敗に対する米議会内外の批判に直面しながら、いまなお戦争正当化に汲々としています。
重大なのは、昨年9月に発足した福田政権が、アメリカいいなり政治にしがみついていることです。新テロ特措法を、否決した参議院の意思も国民多数の声も踏みにじって強行成立させたことも、インド洋での米艦船への給油再開を至上命題とする姿勢の表れにほかなりません。オーストラリアなど米同盟国の新たなイラク撤兵が進む中、一度撤退した自衛隊の再派兵が、世界の中で突出した行為であることは、誰の目にも明らかです。防衛省利権疑惑を大もとから正そうとせず、MD開発等を含む軍事費優遇予算を組むなど、対米公約優先の軍事偏重政治を継承しようとしています。昨年4月に提唱された「非核日本宣言」運動は、各界各層の反響を呼び、570を超える自治体首長・議長の賛同、120余自治体での意見書採択へと広がっています。日本政府は「国際貢献」を口にするのであれば、核兵器廃絶と「非核3原則」の堅持を世界にむけて宣言し、被爆国政府として核兵器廃絶のためのイニシアチブをこそ発揮すべきです。
原爆症認定基準の抜本的改善を求める運動はいま、厚生労働省が「原因確率」論を全面的に改める新基準の構想「新しい審査のイメージ(案)」を提示したことにより新たな局面を迎えています。被爆から63年、被爆者は高齢化とさまざまな疾病に苦しめられてきました。同案が、原爆症認定却下の根拠とされた認定基準「原因確率」論を改めるとしたことは当然ですが、認定訴訟の原告全員救済などの要求とは依然、隔たりがあります。政府は来年度から新基準を適用するとしていますが、被爆者援護の精神にたって、被爆者の実状に添った基準を確立すべきです。
国民の皆さん。今年は、国連史上初めて、核兵器廃絶をはじめ軍縮問題に議題を絞って開催された第1回国連軍縮総会から30年目にあたります。同会議は、それまでの「核軍縮」の部分的措置が役立たなかったことを確認し、核戦争阻止の課題の切迫した意義を強調するなど、その後の世界におけるすみやかな核兵器廃絶の実現を求める国際世論の形成と展開に向けて歴史的な一石を投じるものでした。この節目の年に、憲法9条をもち、世界で唯一核兵器による惨禍を体験した国として、「核兵器は人類と共存できない」との原点に立ちかえって、非核の日本と核兵器廃絶求める世論を大いに広げようではありませんか。 |
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