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 ●政府への要請
 
日本政府へ申し入れ
−第58回国連総会で核兵器廃絶に積極的役割を果たすこと−
2003年9月9日

内閣総理大臣・小泉純一郎 殿
外務大臣  ・川口 順子 殿
   
2003年9月9日

非核の政府を求める会常任世話人会
日本政府への申し入れ
−第58回国連総会で核兵器廃絶に積極的役割を果たすこと−

 第58回国連総会は、イラク復興問題はもちろん、核兵器廃絶などをめぐって重要な総会となることが期待される。われわれは、日本政府が被爆国にふさわしい非核・平和の確固とした立場から、今国連総会で、核戦争防止、すみやかな核兵器廃絶のために、いまこそ積極的役割を果たすよう切望するものである。

要 請 項 目
1、すみやかな核兵器廃絶の意思を明確にし、積極的イニシアチブを発揮すること。とくに、第58回国連総会で、非同盟諸国、新アジェンダ連合諸国と共同して核兵器廃絶決議に賛成し、「核兵器廃絶の明確な約束」の実行を核保有国にせまること。

2、アメリカ政府の先制核攻撃政策や核兵器使用政策に抗議し、このような危険な政策を撤回するよう要請すること。地下核実験再開を絶対に認めないこと。

3、被爆国政府として、アメリカの「核の傘」からの脱却、核抑止力への依存政策を見直すこと。核兵器は違法との確固とした立場から、核兵器保有を可能とする憲法解釈をあらためること。

4、将来にわたって「非核三原則厳守」を明言すること。日米核密約を調査・公表・破棄し、非核三原則の徹底厳守のために法制化にふみだすこと。

5、アメリカとのミサイル防衛の協力や研究・配備のための予算計上をやめること。

(1)米英軍によるイラクへの武力攻撃は、国連中心の世界平和ルールに正面から挑戦するものであった。大量破壊兵器の廃棄を名目にしながら、自らは大量殺戮・非人道兵器を使用し、多数のイラク人に犠牲を強い、米英軍の犠牲者数も5月の戦闘終結宣言以後、急増している。その大量破壊兵器の存否をめぐって、「世界をあざむいた戦争」であったことが大問題となっている。
 いまとなってアメリカは、イラク占領の責任を回避して行き詰まりを打開しようと、みずから主導権を握ったまま国連と加盟各国に役割分担させようとしている。イラク人道・復興支援に必要なのは、国連の中心的役割であり、イラク人自身の政府樹立と米英軍の早期撤退である。それまでは、国際法上の責務として占領軍である米英軍が治安確保に責任を果たさなければならない。

(2)核兵器問題をめぐって、その廃絶を求める世論が大きな国際的潮流となっている。それは今夏の原水爆禁止世界大会に各国政府代表が出席し、元首・首脳からのメッセージなどが寄せられたことにもしめされている。2000年NPT再検討会議での「核兵器廃絶の明確な約束」合意以来、国連総会ではこれに言及した核兵器廃絶決議が多数の賛成によって採択されている。
にもかかわらずブッシュ米政権は、危険な先制攻撃戦略とかつてない核使用戦略を国家政策に公然とかかげ、核態勢の見直しをおこない、新世代核兵器の開発をおしすすめている。CTBT(包括的核実験禁止条約)を反古にし、MD(ミサイル防衛)の具体化・実戦配備を推進するなど核覇権主義を露骨にしている。広島・長崎への原爆投下の日を前後して、核兵器専門家の秘密会合を開き、現有核兵器の備蓄管理、新世代核兵器の開発方針などを全面的に検討したとされていることは重大である。このような世界のどこででも即座に核兵器使用に移れる危険な体制づくりは、核兵器廃絶を求める世界の流れに真っ向から逆らうものである。

(3)唯一の被爆国であり平和の憲法をもつわが国政府が、それにふさわしい非核・平和の役割を国連において果たすことが、今日ほど厳しく問われている時はない。
ところが、小泉政権は、一貫してアメリカに追随してイラク戦争推進の側に身を置き、その後の軍事占領を無条件で支持・容認する態度をとり、世界の反戦の流れに逆行する態度を際立たせた。とりわけ国連現地本部が爆破されるなどの事態のもとで、政府・与党が、日本国憲法をじゅうりんしてイラク特措法を強行したことの道理のなさが、いよいよ明らかになっている。未だ「戦闘地域」であるイラクへの自衛隊派兵をあくまで推進することは、歴史に取り返しのつかない禍根を残すことになる。派兵の延期ではなく計画の中止、そして法の廃止こそ必要であり、国連を中心とした復興のための真摯な努力こそ求められている。
核兵器問題でも、政府は、国連で核兵器の「すみやかな廃絶」ではなく、装いを変えた「究極的核廃絶論」の立場から核兵器廃絶に背を向ける態度をとり、ブッシュ政権の核兵器使用政策を「米国の選択肢」として事実上容認している。さきの有事法制の強行は、米核戦略の最前線基地とされている日本が、核戦争につながる核持ち込みや核出撃基地となる現実的危険とも深く結びついている。このような政府の姿勢が、政府高官や自民党一部議員などが公然と「非核三原則の見直し」や「日本核武装論」を唱えるような悪しき土壌を生み出しているのである。こうした態度こそ根本的に転換しなければならない。

(4)北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が核兵器開発をすすめていることは、被爆国として断じて許すことはできない。北朝鮮の唱える核抑止力論は、国際的孤立をいっそう深刻にし、同国はもちろんアジアと世界の平和と安全にとって有害で危険な事態を拡大するだけある。北朝鮮の核兵器問題は、平和的外交的に解決しなければならない。北京での6カ国協議は、対話の継続による段階的な問題解決をめざすとした点で解決への重要な一歩となった。日本政府は、「日朝平壌宣言」にもとづいて、北朝鮮が国際約束を遵守する立場から核兵器開発をただちに中止し、各国との平和友好の関係に踏み出すよう、強くはたらきかけることが求められている。
以 上