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 ●提言・声明
 
イラクへの軍事攻撃を回避し、いまこそ非核・平和の世界と日本を
2003年1月23日 非核の政府を求める会常任世話人会


 2003年の世界は、新年の幕開けから、イラクへの軍事攻撃をめぐって緊迫した局面を迎え、北朝鮮による新たな核開発の動きも重大化するなど、核兵器問題が報道されない日はない。21世紀の世界の平和秩序の根本にかかわる事態が進行しているいま、われわれは、何としても戦争を回避し、核兵器使用のたくらみを許さず、非核・平和の世界と日本をめざして、さらなる努力を強めることを誓うものである。

 今日の国際的な動向の大きな特徴は、ブッシュ米政権が核兵器の先制使用も辞さない先制攻撃戦略をあらわにする一方で、イラクへの軍事攻撃に反対し、国連憲章にもとづく平和と理性での解決を求める声が高まっていることである。新しい平和秩序をめざす流れは力強く広がり、米国は孤立を深めている。

 世界30カ国以上でいっせいに「イラク攻撃反対」の大規模な集会がおこなわれるなど、欧米でも中東、アジアでも、平和解決を願う世論が大きく動いている。アフガニスタンへの報復戦争には心ならずも賛成した国々をふくめ、各国政府の大多数が戦争回避と平和解決を求めている。これほどまでの戦争を未然に防ごうという動きは、かつてない。

 核兵器使用を許さず、核兵器廃絶を願う流れも確実な前進をとげている。これは、昨年の第57回国連総会で、新アジェンダ連合諸国が先制核攻撃の米戦略を厳しく批判し、核兵器廃絶の諸決議が圧倒的多数の賛成で採択されたことにも示されている。原水爆禁止2002年世界大会には外国政府代表も参加し、採択された「国際会議宣言」にもとづき、ヒロシマ・ナガサキをくりかえさないために、核兵器の使用を許さず、核兵器全面禁止・廃絶を要求するとりくみも内外ですすめられている。
 こうしたなかで、昨秋の国連安保理決議1441が、国連によるイラク査察の結果について判断し、それへの措置を決める権限は安保理だけが持っていることを明確にし、米国による自動的な武力行使を排除したことは、平和的解決への道を開くものとして、今日重い意味を持っている。しかし、依然として戦争への危険には深刻なものがある。それは、ブッシュ米政権が、昨年の「悪の枢軸」発言以来、「核態勢見直し報告」や「国防報告」、「国家安全保障戦略」などで打ち出した先制攻撃戦略にもとづいて、一方的な軍事攻撃を辞さない立場から、戦争への道を追求し、その準備をあくまですすめているからである。

 米国による一方的軍事攻撃計画の放棄を要求するとともに、イラクが国連安保理決議を無条件かつ誠実に履行することを求め、国連憲章にもとづく平和的解決のための国際社会の努力が、いまほど急務となっているときはない。

 しかるに日本政府が、このような世界の流れに逆行する態度をあらわにしていることは重大である。小泉内閣は、米国のイラク攻撃計画にたいして、「予断をもっていうことはできない」と明確な反対の意思をまったく示そうとしない。そればかりか、イージス艦のインド洋への派遣など戦争を後押しする行動をとってはばからない。米国の先制核攻撃戦略さえ容認し、先の国連総会では、被爆国日本が、核兵器廃絶を求める新アジェンダ連合などが提案した核兵器廃絶諸決議に賛成せず、棄権したのである。

 しかも、今通常国会では、日本国憲法を真っ向から蹂躙し、米国の戦争に参戦するための有事法制の強行が執拗に狙われている。また、小泉首相は三度、靖国神社参拝を強行した。いままさに、イラク問題でも北朝鮮問題でも、平和的解決が世界の流れになっているとき、このような時代錯誤を断じて許してはならない。非核・平和の願いに背く政治はまた、消費税増税のたくらみ、社会保障破壊など、国民のいのちと暮らし、民主主義を破壊する政治と表裏一体である。

 今春にはいっせい地方選挙がおこなわれ、衆議院解散・総選挙も年内に予想されている。外交でも内政でも、国民の願いに背く政治の矛盾と破綻が際立つもとで、非核・平和の日本の実現はいま、広範な国民がつよく願うところであり、非核の政府を求める会の役割はいよいよ重要となっている。

 いまこそ「戦争やめよ」、「日本政府は、いっさいの戦争協力を拒否し、平和的解決に努力せよ」、「核兵器使うな、すみやかな廃絶を」、「有事法制廃案・憲法守れ」の世論と運動を大きく広げ、非核・平和の世界と日本の実現へ、ともに力を合わせよう。