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 ●提言・声明
 
核兵器全面禁止条約の交渉開始提唱を
 第69回国連総会に向けて日本政府に申し入れ
非核の政府を求める会常任世話人会(2014.9.10)

 第69回国連総会を前に9月10日、非核の政府を求める会は外務省を訪れ、日本政府が核兵器の廃絶に向けて被爆国にふさわしいイニシアチブを発揮するよう申し入れました。
 要請には国分稔(全商連会長)、駒場忠親(自治労連顧問)、野口邦和(日本大学准教授)、増田善信(気象学者)の各常任世話人と斎藤俊一事務室長が参加。笠井亮日本共産党衆院議員(同会常任世話人)が同席しました。
 外務省からは宇都隆史・外務大臣政務官らが応対しました。
 要請の内容は、第69回国連総会において@日本決議で核兵器禁止条約の交渉開始を提唱するA「期限を切った核兵器廃絶」等、非同盟諸国提案諸決議を支持するB広島・長崎の被爆の実相を世界に発信し、核兵器廃絶の人道的アプローチ≠フ流れを発展させるC「核の傘」脱却、「非核3原則」厳守を国際社会に宣言する。「日米核密約」を破棄する、の4項目。
 宇都政務官は、核兵器の非人道性を告発し廃絶を求める国際的アプローチについて「共感は大きい。引き続きしっかりとりくみたい」と発言。核兵器禁止条約の交渉開始については「そういう声が大きくなっているのは事実」と述べつつ、「わが国の安全保障環境は厳しい。現実をみた対応をしていく」と消極的姿勢に終始しました。
 会の代表は、「核兵器廃絶への機運が高まるもと被爆国政府の姿勢が問われている」「核抑止政策をやめて廃絶の流れの先頭に立つべき」と重ねて要請しました。

第69回国連総会に向けての日本政府への申し入れ(全文)

 まもなく第69回国連総会が幕を開けます。昨年の国連総会で核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議の賛成国が133ヵ国に達したことなどに示されるように、今日、核兵器禁止条約の交渉開始を求める流れは世界の大勢です。核兵器の非人道性、その被害のグローバルな影響を問い、使用禁止・廃絶を求めるアプローチへの賛同も広がっています。核保有国の「核兵器廃絶約束」不履行への批判とともに、その同盟関係諸国への批判が明示されたことも、新たな特徴と言えます。今国連総会は、こうした世界の流れを加速させ、被爆70年の2015年に開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて、核兵器廃絶への新たな転機の場としなければなりません。
 今年8月の原爆忌に、広島市長は「核兵器は絶対悪」と語り、長崎市長も「日本政府は(平和の原点が揺らいでいることへの被爆者の)不安と懸念の声に真摯に向き合う」よう強く訴えました。広島でも長崎でも被爆者は、政府の集団的自衛権行使容認の方針への危惧を表明しました。アジアはじめ国際社会も、「海外で戦争する国」への日本の大転換を、重大な懸念を持って注視しています。「日本はこれからも平和国家でありつづける」と言ってみても、言葉だけで国民、国際社会の信頼を得ることはできません。被爆70年を来年に控えて、いまほど日本政府の有り様がきびしく問われているときはありません。
 当会は、こうした認識に立って、日本政府が今国連総会において、核兵器廃絶のために被爆国にふさわしいイニシアチブを発揮するよう、以下、申し入れるものです。
               ◇
(1)日本政府提案決議で、核兵器禁止条約の交渉を速やかに開始するよう提唱すること。
――「私たちが生きているうちに核兵器の廃絶を」は、広島・長崎の被爆者の悲願です。それはまた、核戦争の惨禍を身をもって知る日本が果たすべき国際的責務です。今日、核兵器禁止条約の交渉開始に否定的なのは、核保有国の一部と核抑止力依存国です。日本政府は、核兵器廃絶の課題を事実上棚上げする「究極廃絶」「ステップ・バイ・ステップ」政策をやめて、速やかな廃絶交渉実現のために尽力すべきです。
(2)期限をきった核兵器廃絶、核兵器禁止条約の速やかな交渉開始を求める非同盟諸国、新アジェンダ連合諸国提案の核兵器廃絶諸決議を支持すること。
――前国連総会で核兵器禁止条約の早期締結をめざして多国間交渉を開始するよう求める非同盟決議は、133ヵ国の賛成を得て採択されました。非同盟諸国提案決議は、核兵器廃絶への展望を明示しており、これに世界の大多数の国々が賛成しているのは当然です。日本政府は「時期尚早」などとして棄権しましたが、これは一日も早い廃絶を願う被爆者の声に背を向け、核保有国の主張に与するものと言わねばなりません。日本政府は、核兵器廃絶を今日の世界の死活的最重要課題ととらえ、非同盟諸国、新アジェンダ連合提案の核兵器廃絶諸決議案に賛成票を投じるべきです。
(3)被爆国政府として広島・長崎の被爆の実相、核兵器の非人道性を世界に発信し、核兵器廃絶の人道的アプローチを発展させる先頭にたつこと。
――日本政府は前回の国連総会で、ニュージーランド提案の「核兵器の人道上の影響に関する共同声明」に署名しました。当会は、この賛同は当然の選択であり、歓迎するものです。「共同声明」は、「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われないことは人類生存の利益」とうたっています。日本政府は、この「共同声明」支持の立場を国際社会に示した以上、個別的・集団的自衛権の名による核兵器使用容認方針を撤回するとともに、核兵器の非人道性を告発し、使用禁止・廃絶を求める国際キャンペーンの先頭に立つべきです。
(4)核兵器の維持・使用を容認する「拡大抑止」(「核の傘」)依存からの脱却を国際社会に明示すること。わが国が将来にわたって「非核3原則」を厳守し、その法制化に取り組むことを明言すること。いわゆる「日米核密約」の存在をはっきり認め、これを破棄すること。
――核保有国が「核抑止力」論に立ち続けるかぎり、核兵器も新たな核拡散もなくならないことは明らかです。「核の傘」は抑止力ではなく、軍事的緊張の根源であり、核戦争の導火線と言うべきです。日本政府は他国に核兵器不保持を訴えるのであれば、まず自らが米国の「核の傘」から離脱するのが道理です。また、今日、「非核3原則」とりわけ「核兵器を持ち込ませず」を厳守するために、政府は日米間に「核密約」が存在することをはっきり認め、これを破棄すべきです。

2014年9月10日

非核の政府を求める会常任世話人会    

内閣総理大臣 安倍晋三殿
外務大臣 岸田文雄殿