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 ●全国総会の方針
 
核兵器廃絶、非核の日本へ 役割発揮を
広島・長崎の被爆の実相さらに発信を
          非核の政府を求める会が第28回全国総会
2013年6月1日


  非核の政府を求める会は6月1日、東京都内で第28回全国総会を開き、19都府県の会と14中央団体の代表、各界個人賛同者ら約70人が出席しました。
 増田善信常任世話人(気象学者)が開会あいさつ。核兵器廃絶の人道的アプローチを拒む日本政府の姿勢を被爆国にあるまじき行為と批判し、非核の政府を求める新方針について実りある論議を呼びかけました。
 座長に駒場忠親(日本自治体労働組合総連合顧問)、高橋和枝(新日本婦人の会中央本部副会長)の両常任世話人を選任。
 小澤隆一常任世話人(東京慈恵会医科大学教授)が総会議案を提案。「核兵器禁止条約の交渉開始」を求める流れこそ今日の世界の大局的な発展方向だと述べ、とくに新たに提唱された「核兵器の人道的影響に関する共同声明」について、「核抑止力」論で抵抗する核保有国に対し、核兵器の非人道性≠ニいう否定しがたい角度から核保有国に迫る動きとして注目されると報告。深刻な矛盾と破たんに直面する安倍政権は核政策でも、核兵器の非人道性を訴えるという被爆国として最小限の政治的・道義的責任さえ放棄していると批判。日本政府にはいま、米国の核抑止政策依存の特異な立場に拘泥するのか、被爆国にふさわしい役割を果たすのかが、かつてなく鋭く問われていると強調。原発問題について、事故まっただ中の福島第1原発の現状、国民多数の要求等に照らし、「原発ゼロ」の決断を政府に迫ろうと呼びかけました(議案全文は次号掲載)。

 藤田俊彦(前長崎総合科学大学教授)、笠井亮(日本共産党衆議院議員)の両常任世話人が補強報告を行いました。
 藤田氏は、2015年NPT会議第2回準備委員会を通して、核保有国の緩慢な姿勢への批判が強まっていること、核兵器廃絶について大まかな一致が確認され、新アジェンダ連合が核兵器廃絶の時間枠の必要を訴えるなどの新たな変化がみられると発言。他方、廃絶への方途についての隔たりも浮かび上がるもと、「核兵器の人道的影響に関する共同声明」に出席国の4分の3超の80ヵ国が賛同した意義は重要と強調しました。

 笠井氏は、破たんし始めた第2次安倍政権の暴走政治を批判。投機・バブルで株価乱高下のアベノミクス、「核兵器の非人道性」さえ拒む核政策、「核のゴミ」問題も未解決の原発の再稼働・輸出、憲法が憲法でなくなる96条改憲の動き、戦後政治に真っ向から挑戦する歴史問題など、あらゆる分野で禁じ手≠ノ手をつけたのが暴走の実態だと指摘。世界の流れ、国民の現実、歴史の真実を否定する流れに未来はない、非核政府の会の出番のときと訴えました。

 討論では、19人が発言しました。

 総会では、議案を採択し、113人の世話人と4人の顧問、23人の常任世話人、事務室長を選出。「国民のみなさんへの訴え」(別項)を採択しました

 田中則夫常任世話人(龍谷大学副学長・教授)が閉会あいさつを行いました。

広島、長崎両市長らがメッセージ
 総会には、松井一實・広島市長、田上富久・長崎市長、眞野勝弘・広島県廿日市市長、竹内脩・大阪府枚方市長、鈴木恒夫・神奈川県藤沢市長の5市長、平和・民主運動17団体、12労働組合、および各界個人・賛同者多数から、非核・平和の思いを込めた激励・連帯のメッセージが寄せられました。


核兵器廃絶、憲法守れ、原発ゼロへと活発に論議
日本政府は被爆国にふさわしい役割発揮を


 第28回全国総会では、小澤隆一常任世話人の議案の提案(2〜4面に全文)に続いて、藤田俊彦、笠井亮両常任世話人が補強報告を行ないました。



2015年NPT再検討会議第2回準備委員会の論議を中心に
藤田俊彦・常任世話人の補強報告(要旨)


 国際的な問題を中心に、補足的に発言します。
 2015年NPT再検討会議第2回準備委員会の討議の中で、最終的な核兵器廃絶の実現を求める点では一致があるものの、その目標にどのように到達するのかについて、厳しい意見の対立が続いています。

 新アジェンダ連合のブラジル代表は、「核兵器なき世界がいまだに見えてこない」と、憮然とした調子で断言しました。代表は、手厳しい批判を核兵器国に向け、核軍備縮小を加速し、可及的速やかに核軍備撤退に至ることを求めました。
 新アジェンダ代表は、核軍備撤退に至る段階ごとの縮小目標を設定せよと主張した上で、さらに、それぞれの縮小段階の時間、最終的な撤廃の時間枠の設定を求めています。こうして、非同盟運動の年来の核兵器廃絶の主張や決議への接近が、ますます顕著になっています。

 核兵器国の撤廃取り組みの緩慢さへの非難の激しさは、強い印象を残しています。
 非同盟諸国の主張は、端的に言えば、非同盟運動の年来の核軍備撤廃の主張を、2010年NPT再検討会議の行動計画などの成果を踏まえつつ、詳細かつ体系的に展開しています。

 今回のNPT準備委員会のもう一つの印象的なポイントは、核兵器の人道的影響に関する共同声明です。賛同署名した国の数は80ヵ国に増加しました。

 核兵器の使用による爆発は、直接的、無差別的、無制約的に大量の死と破壊をもたらします。各国政府機関はじめ赤十字などの国際機関も「手の施しようがない」と提案しました。この共同声明には、米国主導の軍事同盟加盟国、カリブ海地域の友好国、多くの非同盟国、中立国も加わっています。核軍備撤廃運動に人道主義が力強く回帰したという思いが、私の脳裏を横切りました。

 ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキの叫びは人道の叫びです。しかし、日本政府は、今回も、この「共同声明」に署名しませんでした。

 外務省をためらわせた「共同声明」の中の文言とは、「いかなる状況の下においても核兵器がけっして二度と使われないことが人類存続の利益になる」という部分でした。日本国民にとって当たり前の願いです。しかし外務省は、自らの置かれた安全保障環境を念頭に、署名を拒否したのです。日本は、アメリカの「核の傘」の下に置かれた国として、アメリカの核兵器使用の手を縛ることは避けねばならないという思惑がありました。

 次に、アメリカは現行の核抑止政策を継続する基本方針に固執し続け、アジア太平洋地域におけるアメリカの同盟国である日本とオーストラリアは、「核不拡散・軍縮イニシアチブ」(NPDI)というグループを主導してアメリカの政策展開を補佐しています。

 アメリカ政府代表は、今回のNPT準備委員会の一般討論で、ロシアとの間で締結された新START条約に触れて、配備済み戦略核兵器の限定的な削減を自画自賛し、自国の核軍縮取り組みへの支持と賛同を呼びかけました。

 第2回準備委員会の実質的議事終了後、準備委員会の正式な議事録は、今回もまとめられずに終わりました。こうした状況の解決を、いわば先延ばしにしたまま、第68回国連総会第一委員会で、核問題がどのように討議されるのか注目したいと思います。

暴走政治を許さず、被爆国政府にふさわしい役割発揮を
笠井亮・常任世話人の補強報告(要旨)


 主に国内情勢にかかわって補足報告します。
 本総会は、第2次安倍自公政権の暴走政治が破たんし始めた情勢の下で開かれています。世界の流れ、日本の現実、歴史の真実に目をふさいで、あらゆる分野で禁じ手≠ノ手をつける、暴走するという局面が今、目の前にあります。
 特徴的なことの一つは、アベノミクスを威勢よく始めたものの、株価が乱高下し、長期金利が上がって制御不能なっています。まさに政府が投機とバブルで打開するという禁じ手に手をつけた結果です。

 核政策で禁じ手を使ったのが、ジュネーブで「核兵器の人道的影響に関する共同声明」への賛同署名を拒否した問題です。安倍首相も国会で「唯一の被爆国として核兵器のない世界をめざす」と言わざるをえませんが、この賛同拒否には、核問題の根本姿勢があぶり出されています。

 核保有国が「核兵器廃絶合意」を履行しない現状を打開しようということで、アメリカと同盟を結んでいる国々も含めて国際社会が出した知恵が非人道的アプローチだと思います。本来、原爆を体験した日本の政府は、非人道性を世界に語って、真っ先に賛成すべきです。ところが、こともあろうにそれを拒否したわけで、被爆国にあるまじき禁じ手に手をつけた。

 私は、衆院外務委員会で、岸田外務大臣にこの問題を正しましたが、その答弁は、日本をめぐる安全保障環境を考えれば核兵器使用は正当化されるということでした。この態度の根底には、アメリカの「核の傘」に依存し、日米軍事同盟の下でアメリカ言いなりになっている問題があります。 今こそ、被爆国政府として、核兵器使用はいかなる状況下でも非人道的だと訴える立場に立ち、被爆国の役割を発揮すべきです。

 次に原発問題です。この問題でも、安倍政権は2つの禁じ手に手をつけた。一つは、「成長戦略」の中に原発の活用を盛り込もうとしていることです。しかし、福島の事故炉の現実、核のゴミをどうするかという問題もあります。成長戦略の中に原発活用を位置づけるのは間違っている。もう一つは、日印首脳会談でNPT未加盟のインドとの原子力協定の交渉に踏み込んだことです。

 こういうことで、再稼働も輸出もノー、そのまま廃炉にする、即時ゼロの決断という方向が、今、求められていると思います。
 憲法問題です。今週の産経新聞の世論調査でも、憲法96条改定に「反対」が52%、前回調査より7・3ポイント増えました。自民党は公約に「96条先行」とは書けなくなっています。 憲法が憲法でなくなる禁じ手に手をつけた。小林節慶応大教授ら改憲派の学者も「96条改定は駄目」とはっきり反対しています。

 最後に、歴史問題でも、歴史の真実、戦後政治の出発点に真っ向から挑戦する禁じ手に手をつけて、深刻な外交的行き詰まりに直面しています。維新の会の橋下共同代表の慰安婦問題発言は、歴史をゆがめ、真実を否定するという流れを象徴的に示しています。

 重大なのは、この問題が安倍内閣の歴史認識を出発点にしていることで、安倍首相が、「立場が異なる」と言うだけで、批判も否定もしないのは重大です。 今、政党間の力関係が劇的に変わるような情勢です。政府に被爆国にふさわしい役割を発揮させるために、非核政府の会として意気高く活動していきたいと思います。


非核の政府を求める会第28回全国総会議案

 
はじめに

 非核の政府を求める会第28回全国総会は、民主党政権が先の総選挙で大敗し、代わって登場した第2次安倍・自公政権の暴走政治も、破たんし始めた情勢のもとで開かれる。

 本総会の任務は、
第1に、2015年核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けた、核兵器廃絶を求める世界の流れの到達点と特徴を明らかにすることである。

 
第2に、発足半年となる安倍政権による米国の「核の傘」への依存を強める基本姿勢をただし、被爆国日本にふさわしい役割の発揮を求めていくことである。

 
第3に、こうした内外情勢のもとで非核・平和運動の発展をめざす、非核の政府を求める会活動の新たな強化方針を確立し、その先頭に立つ新役員を選出することである。

[T]世界の情勢は非核・平和に向けて力強く動いている

 この1年、「核兵器禁止条約の交渉開始」を求める流れこそ、今日の世界の大局的な発展方向であることが、第67回国連総会軍縮委員会、「核兵器の非人道性に関する国際会議」(オスロ会議)、2015年NPT再検討会議第2回準備委員会などの舞台で力強く示された。また、2010年NPT「合意」の履行に向けて、国連総会で「多国間軍備縮小撤廃交渉の促進」決議、「人道的特性に関する共同声明」の提唱等、新たなイニシアチブが発揮されたことは、この間の特筆すべき出来事である。これらのアプローチには、アメリカが主導する軍事同盟(北大西洋条約機構、米州共同防衛条約機構など)に加盟している諸国も加わっている。「核抑止力」論で抵抗する核保有国に対し、“核兵器の非人道性”という否定しがたい角度から迫っていこうとする意欲的挑戦として注目される。

 他方、米国はじめ核保有国は、2010年NPT「核廃絶合意」の履行状況を報告すべき2014年準備委員会を1年後に控えてなお、重い腰をあげようとせず、包括的核実験禁止条約(CTBT)などについても目立った進展はみられない。核保有国の責任は重大である。

 北東アジアではこの1年、北朝鮮の核開発・軍事挑発や日韓・日中両国間の領土問題や「歴史問題」などにより、政治的・軍事的緊張が高まっている。とりわけ、北朝鮮が国連決議を無視して核実験やミサイル発射等の挑発を繰り返していることは、北東アジアと世界の平和と安定への重大な挑戦であり、断じて許されない。北朝鮮は今後いっさいの軍事的挑発を中止し、朝鮮半島の非核化をめざす「6ヵ国協議」に無条件に復帰すべきである。すべての関係当事国は、2005年の合意の実現に努力すべきである。領土問題を含めて関係諸国は、問題の平和的・外交的解決のための粘り強い努力が求められる。

(1)核兵器禁止条約決議が3分の2超の賛成集めた第67回国連総会
 第67回国連総会は昨年12月3日、一連の核兵器関連決議を採択した。その多くは人道主義の立場から「核兵器のない世界」の速やかな実現を求めている。それらは、核兵器国による軍縮措置について、米ロ新START条約締結などを一定評価しながらも、2011〜12年の核軍備縮小過程の緩慢さを指摘し、怒りを込めて批判するものでもあった。

 ○核軍備撤廃に関する主要4決議はいずれも賛成3分の2以上で採択され、国連が全体として核兵器廃絶を希求していることをあらためて示すものとなった。
 ・「核軍備縮小撤廃」決議(賛成124:反対44:棄権18)はミャンマーにより提案され、核兵器国の核軍備削減の遅れを厳しく非難し、核弾頭・運搬システムの近代化を批判するとともに、一定の時間枠の中での核軍備撤廃の必要を強調した。

 ・マレーシア提案による核兵器条約締結を求める決議(同135:22:26)は、「国際司法裁判所の勧告的意見(1996年7月)のフォローアップ」を求めて、核兵器の開発、実験、製造、使用、威嚇などを禁止し、核兵器の廃棄を規定する条約の締結を訴えた。この決議も前文で一定の時間枠内での核兵器廃絶を求めた。
 ・新アジェンダ連合7ヵ国を代表してスウェーデンが提案した決議(同175:6:5)は、前年同様「核軍備撤廃公約の実行を加速する」と題され、核兵器国の核軍備削減を撤廃に向けて大幅に加速させるよう促した。

 ○国連総会は「多国間の核軍備縮小撤廃交渉を推進する」と題したユニークな決議(147:4:31)を採択した。ノルウェー、オーストリア、メキシコが中心となって共同提案した決議で、3分の2超の賛成を集めた。
 この新決議は、国連総会決議の具体化をはかる軍縮会議(CD)などの長期デッドロック状況を打開するために、国連機関として「作業部会」を設置し、「多国間の核軍備縮小撤廃交渉を推進する提案を開発する」ことを意図している。これは、実質的な成果をあげるための提案を作り出す「緩やかに構成された作業部会」とされ、NGOの参加など市民社会の関与を明確にしたことは重要である。2013年中に最長3週間、ジュネーブで会合し、第68回総会に報告書を提出することも決定され、すでに100ヵ国余が参加しているとされる。核保有国のうち米英仏ロ4ヵ国が反対し、中国、インド、パキスタン、イスラエルが棄権したもとで、この「作業部会」の本格的な始動が課題となっている。

(2)オスロ会議――「核兵器は禁止するしかない」の声相次ぐ
 ノルウェー政府が主催する「核兵器の非人道性に関する国際会議」が3月4、5の両日、オスロで開かれた。核兵器の使用が人体や環境等に与える壊滅的影響に焦点を当てた初めての多国間会議で、127ヵ国が参加した。

 赤十字国際委員会のマウラー総裁は開会演説で会議の意義にふれ、「核兵器の被害を認識するだけでは、核兵器の使用を防止し核兵器廃絶を達成するには不十分だ。核兵器の場合、防止とは、法的拘束力のある条約をつくることを含め、禁止し廃絶すること以外に道はない」と強調した。各国代表から、科学的証拠にもとづく具体的で説得力ある議論が展開され、同会議の議題でないにもかかわらず「核兵器は禁止するしかない」との発言が相次いだことは重要である。この会議に、米ロ英仏中の核保有国はこぞって欠席した。ガテマラー米国務次官代行は、「オスロ会議は我々が進めてきた核軍縮・不拡散をめぐる実際的で段階的な措置から関心とエネルギーを奪う」などと説明したとされるが、非人道的な被爆の実態に耳を傾けることに背を向ける主張自体が、核保有国の独善的で不誠実な態度を示すものと言わねばならない。

 いま真正面から問うべきは、核保有国を含む全会一致で確認された2010年NPT再検討会議の「合意」こそ、「核兵器のない世界」の実現に向けて、核保有国を拘束する国際政治の到達点であり、今後の運動の出発点だという事実である。

(3)NPT第2回準備委員会――“交渉開始を”の機運の高まり示す
 2015年NPT再検討会議の第2回準備委員会が4月22日〜5月3日の2週間、ジュネーブで開かれ、106カ国が参加した。今回の会合の焦点は、核保有国が2010年NPT「合意」の履行報告の義務を負う2014年準備委員会に向けて、その実行状況を確認し、「合意」達成への課題を明らかにすることにあった。

 アンゲラ・ケイン国連上級代表は開会演説で、「たとえ遅々とし、困難ではあっても、さらなる前進の意味を蘇らせる」ことが必要だと指摘。新アジェンダ連合のブラジル代表が「安全で平和な世界の唯一の保証は核兵器の完全な廃絶であり、いま行動するとき」と強調したのをはじめ、核兵器禁止条約交渉開始への機運の高まりを示す会議となった。それだけにいっそう、核保有国の準備のなさを批判する発言が相次いだ。核兵器をはじめ大量破壊兵器のない中東地域の確立をめざす国際会議が、予定されていた昨年末までに開かれなかったことも大きな問題となり、エジプト代表は会議後半をボイコットした。

 会合では、南アフリカ代表団が「核兵器の人道的影響に関する共同声明」を提出、バチカン市国やNATO(北大西洋条約機構)加盟国のノルウェー、アイスランドを含む80カ国が賛同、署名して注目された。同「共同声明」が「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われないことは人類生存の利益」であるとし、「核兵器が二度と使われないことを保証する唯一の手段は核兵器廃絶だ」と指摘していることは、きわめて重要である。

(4)「核抑止力」政策の打破は急務
 「核抑止力」論の打破は今日、核兵器禁止条約の交渉開始への道を開くうえでの焦点となっている。核保有国は「核兵器のない世界」をめざすとしつつ「世界に核兵器があるかぎり、抑止力として核兵器を維持する」として自国核兵器の保有を合理化している。軍事同盟諸国も「米国の拡大抑止の維持」(日本)、「NATOは核軍事同盟であり続ける」(NATO首脳会議)等、「核抑止力」依存政策に固執している。
 「世界に核兵器が存在するかぎり…」との頑迷な核保有合理化論は、もともと“米ソ冷戦”下の核軍拡競争の論理であり、“冷戦”終結後、「核軍事同盟」を温存させる方便であった。それは、核兵器使用を前提とし、軍事的緊張と脅迫を永続させようとするものにほかならない。核保有国がこうした「核抑止力」論に立ち続けるかぎり、世界から核兵器をなくすことも新たな核拡散を防止することもできないことは明白である。
 「核抑止力は幻想であり、安全保障に名を借りた妄想」(潘基文・国連事務総長)である。「人類と核兵器は共存できない」との被爆者の叫びは、たとえ1発であれ、いかなる理由であれ、核保有の正当化を許さない。「核抑止力」克服の決定的なカギとなる被爆の実相、核兵器の非人道性を世界の共通認識にすることに格段の力を傾注するとともに、「核抑止力」論の危険な特質を、その本質論、歴史的検証、今日的な拡散の危険等の諸側面から系統的に解明・追及してゆくことは、引き続き重要課題である。

[U]いまこそ被爆国にふさわしい非核・平和の役割発揮を

 昨年暮れの総選挙で民主党は、“公約総放棄”政治に対する国民の厳しい審判を受けて大敗する結果となった。民主党政権が国民の厳しい審判を受け、政権の座を追われたのは当然である。核兵器政策では、廃絶先送りの「究極的廃絶」論の復活、米国「拡大核抑止」政策の積極的支持、日米「核密約」温存等、事実上、「古い自民党政治」に終始するものであった。「政治を変えてほしい」との国民の願いはことごとく裏切られた。

 代わって自民・公明連合の第二次安倍政権が、「危機突破内閣」の看板のもと発足した。以来この半年、「改憲」「集団的自衛権の行使」を声高に掲げ、原発再稼働と輸出推進、米軍オスプレイ追加配備の「日米合意」、沖縄・辺野古埋め立て申請、日本の侵略戦争美化発言など、超タカ派・時代錯誤の政策・言動を矢継ぎ早に打ち出してきた。しかし、その暴走ぶりは、「96条改憲」策動に改憲派学者からさえ痛烈な批判が飛び出し、「歴史問題」では欧米からも「不必要なナショナリズム」等の批判・非難が噴出するなど、内外ともに深刻な矛盾と破たんに直面している。

 日本軍「慰安婦制度は必要だった」との橋下徹「日本維新の会」共同代表・大阪市長の暴言に対し、安倍首相が「他党の代表として立場が異なる」など批判も撤回要求もしなかったことは、同政権のきわめて異常な体質を示すものである。諸外国では、安倍首相の「侵略戦争の定義は定まっていない」発言や「村山談話」「河野談話」の見直し、9条改憲などの一連の言動とともに「ウルトラ・ナショナリスト」だと懸念されている。

 国民生活に犠牲をしわ寄せする強引な円安誘導等のアベノミクスも、米国の要求丸呑みのTPP交渉開始も、国民の懸念、怒りを激しいものとしている。

 核兵器問題についても安倍首相は、「核兵器廃絶の先頭に立つ」「非核3原則を堅持する」と表明しながら、実際には、昨年暮れの第67回国連総会でも、3月のオスロ会議でも、先頭に立つどころか、核兵器禁止条約交渉の開始に消極的な姿勢に終始している。

日本政府は、4月末の2015年NPT会議第2回準備委員会でも、「核兵器の人道的影響に関する共同声明」について、「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われないことは人類生存の利益」という一文の削除が受け入れられないとして、署名を拒否した。これは一定の状況下での核兵器使用を正当化するものにほかならない。核兵器の非人道性を訴えるという被爆国政府としての最小限の政治的・道義的責任さえ放棄する今回の態度は、これまで一貫して国連総会で非同盟諸国提案の核軍備縮小撤廃決議、核兵器禁止条約交渉開始決議への支持を拒み続けてきた立場の延長上に位置するものである。

被爆国として建前上は「核兵器廃絶」を掲げるものの、米国の核戦略、核抑止政策の展開にいかなる制約も持ち込ませないとする日本政府の特異な政治的立場が浮き彫りになっている。安倍政権には、いまこそ「核の傘」の鎖を断ち切り、世界の期待にこたえて被爆国にふさわしい役割を果たすのか、米国の核政策の“露払い”役に拘泥し続けるのかが、かつてなく鋭く問われている。

まもなく、東京都議会議員選挙、参議院議員選挙となる。いまほど、核兵器廃絶! 原発なくせ! 沖縄米軍基地撤去! TPP反対!――地域ぐるみ、国民ぐるみの声をさらに広げ、非核・平和、命と暮らしを守る政治の選択が強く求められているときはない。

(1)被爆国にふさわしい非核の政治へ
 「核兵器のない世界を」の機運が高まる中、いよいよ日本政府は、被爆国であり、憲法9条を持つ国の政府として、世界の流れを加速させる取り組みの先頭に立ってイニシアチブを発揮すべきときである。

 わが会はこの1年、昨秋の国連総会軍縮委員会、今春のNPT第2回準備委員会の開催に際して、日本政府に対し、これまでの核兵器問題への姿勢を改め、核兵器禁止条約の交渉開始を求める世界の流れの先頭に立つよう申し入れたが、民主党政権も自公政権も、核兵器廃絶を先送りする「ステップ・バイ・ステップ」政策に固執し続けている。

 また、わが会は、日米「核密約」の真相解明についても、シンポジウムを開催するなどして政府の調査が中途半端に終わった問題点を明らかにしてきた。この中で、@「ウィキリークス」の秘密電報により、2009年の日米秘密協議で外務省高官が核問題に関して「日本はニュージーランドのようにはならない」と誓約したこと、A米核戦略の基本にある「NCND(核兵器の所在を肯定も否定もしない)」政策を日本政府は現在も受け入れていること、BNCND政策のもとで米軍が緊急時に核兵器を持ち込む危険がある以上、日本政府には日本への核兵器持ち込み・通過の有無を厳重にただす責任があること――などを明らかにしてきた。また、岡田外相(当時)が「核持ち込み問題(での非核3原則)に関して将来の政権を縛らない」と明言したことは、「持ち込ませず」は国是としないとする、原則の重大な転換・後退の表明にほかならないと厳しく指摘してきた。

 これらは、わが国が米国の核戦略、核戦争政策に巻き込まれる今日的な危険性を具体的に示すものである。わが国が文字通りの非核政策を実現することは、いよいよ切実となっている。わが会は、日本政府が、被爆国にふさわしい役割を発揮するよう、以下の諸点を強く求めてゆく。

 ――国連と各国政府に核兵器禁止条約の交渉開始を提唱し、その実現のために全力を尽くすこと。
 ――原爆被害の非人道的な実態を世界に訴えること。スイス、バチカン市国など80ヵ国提唱の「核兵器の人道的影響に関する共同声明」を支持し、その実践の先頭に立つこと。
 ――国連総会で非同盟諸国、新アジェンダ連合と協力し、核兵器廃絶諸決議を支持・推進すること。
 ――核兵器の存在と使用を是認する「核抑止」政策=「核の傘」からの離脱を国際社会に宣言すること。
 ――「非核3原則」を厳守し、「非核法」制定等、非核の日本を実現する実効性ある措置を講じること。
 ――日米「核密約」の存在と構造を徹底調査・公表し、これを破棄すること。
 ――日朝平壌宣言(2002年9月)、6者会合共同声明(2005年9月)の履行を当事国として誠実に追求し、朝鮮半島の非核化、北東アジアの平和と安定のために積極的に貢献すること。

(2)原発・原子力依存政策の抜本的転換を
 東京電力福島第1原発事故から2年余、15万人余の福島県民がいまもなお避難生活を強いられている。事故は収束どころか、まさに真っただ中にある。事故炉と使用済み燃料貯蔵プールの冷却維持は依然、最重要課題である。とりわけ地下水が原子炉建屋地下とタービン建屋地下に流入し続け、建屋内の汚染水と混合して1日当たり400トンの汚染水が増加する深刻で危機的な事態となっている。すべての出発点は、安倍政権が野田民主党政権の「収束宣言」を撤回し、東電と国が事故炉の廃止措置、汚染地域の除染と被害に対する全面賠償の責任を果たすことである。

 安倍政権は、原子力規制委員会が7月までに定めるとしている「新規制基準」なるものをテコに、“安全が確認された原発は再稼働”の構えだが、「世界最高水準の安全性確保」を言うこと自体、新たな「安全神話」そのものである。“これで絶対安全”という基準を作れないのが原発である。また、原発問題での国・東電の情報開示に極端な秘密主義がつきまとっていることに、国民の多くが不信と疑念を強めている。その秘密主義は、日本の原発が米国の軍事戦略と一体不離に導入・推進されてきたことが背景にある。“原発と核兵器”の関係性の究明は、引き続き重要課題である。

 福島原発事故後、「原発ゼロ」を掲げた運動は継続的に大きく広がり、総選挙後の世論調査でも国民の7〜8割が「原発ゼロ」を支持している。事故がいまなお収束しないなか、原発の再稼働、まして輸出など論外である。“地震列島”日本で、しかも放射性廃棄物が処理・管理できず「核のゴミ」が増え続けている現状下、全原発を停止して廃炉に向かうことが、国民と国土の安全を守るもっとも現実的かつ可能な道である。わが会は、「放射能ノー、原発ゼロ」を求める国民世論の発展をふまえ、「日本の全原発の停止・廃炉」へと向かう、「原発ゼロ」の政治決断をただちに求める取り組みを強化する。

(3)オスプレイ撤去、米軍普天間基地撤去を
 米新型輸送機オスプレイの沖縄への配備強行から8ヵ月。直後から、「基地外でもヘリモード飛行」「学校や病院、人口密集地上空を飛行」など日米合意違反が常態化し、政府の「安全宣言」のでたらめさが浮き彫りとなった。にもかかわらず日米両政府はオスプレイの今夏12機追加配備を確認し、沖縄県民の怒りは沸騰している。沖縄県民と本土各地の住民の生命を脅かす米軍オスプレイは撤去しかない。

 安倍政権は今年3月、米海兵隊普天間基地の「移設」先としている名護市辺野古沿岸部の埋め立て申請を県北部土木事務所に提出した。沖縄の県内全市町村の首長・議長らが政府に提出した「建白書」で辺野古への新基地建設反対を表明したにもかかわらず、これを踏みにじって強行したことは、許しがたい暴挙である。沖縄県民より米国の利益を優先する政治に対し、「日米安保をなくせ」の声が広がっているのは当然である。

(4)改憲策動を許さない世論と運動を
 「改憲」を金看板とする安倍政権は、まず「憲法96条から変える」方向を打ち出し、国会の憲法審査会も今年5月、96条をめぐる議論をおこなうなど、改憲策動は新たな局面を迎えている。この「9条改憲」への迂回戦術として企図した「96条改憲」の動きは、名だたる改憲派の学者も「憲法を壊すもの。身体を張ってでも阻止する」と公然と表明するなど、広範な国民の批判を浴びている。「96条改憲」は“国民主権の立場に立って権力を縛る”という憲法の本質的性格を壊すものであり、絶対に許されない。96条改定論そのものの危険性を正面からとらえ、厳しく批判することが求められている。

 第1次安倍政権時代に発足し、政府に憲法解釈を変えて「集団的自衛権」の行使を求める報告書をまとめた安保法制懇(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)が今年2月に再開されたことも、見逃せない。安倍首相自身が、中国や北朝鮮などをめぐる「安全保障環境の変化」を理由に、「集団的自衛権」の政府解釈を検討するよう指示したことは重大である。自衛隊への「海兵隊機能」や敵基地攻撃能力の検討開始など、憲法蹂躙の軍事国家化をめざす自民党「防衛大綱」見直し提言案も断じて許されない。

 先の総選挙を違憲とする司法判断が相次いで下され、選挙制度改革が国政の重要課題となっている。民意を大きく歪める最大の要因が小選挙区制にあることは、自民党が、小選挙区において43.1%の得票で79%の議席を独占したことに端的に示されている。民意を正しく反映する比例中心の選挙制度への抜本改革に向けた世論喚起は急務である。

 憲法施行から66年、わが国の国民は度重なる改憲策動を断固として封じてきた。今日の改憲策動が平和、くらし、人権の問題で憲法原則の実現を願う国民の要求への挑戦である以上、その企てに未来のないことは明白である。そのことは、「九条の会」が全国7500ヵ所に広がり、世論調査で「9条改憲」に対する「反対」が多数を占め、「96条改憲」には6〜7割の国民が反対意思を表明していることにもはっきりと示されている。わが会は、憲法9条が原子爆弾の投下を含む戦争の惨禍のうえに制定された経緯にてらし、「9条を守り生かす」「96条改悪反対」の運動と連帯し、その前進のために力を尽くす。

[V]「非核の政府を求める会」活動の前進のために

 核兵器禁止条約の交渉開始、非核の日本を求める世論と運動の新たな前進のために、わが会の運動と組織のいっそうの発展に尽力する。

(1)日本政府にふさわしい役割発揮を求める
 ○わが会は日本政府に対し、この間、「第67回国連総会についての要請」(2012年9月、北野充・外務省軍縮不拡散科学部長が応対)、「2015年NPT再検討会議第2回準備委員会についての要請」(2013年4月、松山政司外務副大臣が応対)を行なった。引き続き日本政府に対し、第68回国連総会軍縮委員会、2015年NPT再検討会議第3回準備委員会等に際して、日本政府が「究極廃絶」の立場からの「ステップ・バイ・ステップ」論を脱して被爆国にふさわしい核政策を遂行するよう求めてゆく。

 ○「非核3原則」法制化、原発廃炉問題等、非核・平和、国民の安全にかかわる重要課題についての政府要請を検討する。

(2)核政策をめぐる調査・研究活動の強化
 核政策をめぐる調査・研究活動はわが会の特色を成すものであり、この活動のいっそうの発展をはかる。外部の識者との共同・連帯を系統的に追求する。

 ○わが会は前総会以降、シンポジウム「核兵器禁止条約交渉の決断か、核抑止への固執か――日本政府の核政策を問う」(2012年12月)、同「新『原発安全神話』と国民の安全――とんでもない安倍政権の原発推進発言」(2013年3月)を開催した。引き続き、核保有国と日本政府の核政策の問題点の解明・批判を中心に、わが会ならではの切り口・講師陣のシンポジウム・講演会等に取り組む。

 ○核問題調査専門委員会活動の充実・強化を中心に、非核・平和をめぐる諸問題についての調査・研究活動を旺盛に進める。

[調査専門委員会の当面のテーマ]
 ▽核兵器廃絶をめぐる内外の動向▽世界の核兵器状況▽「核抑止論」批判▽核兵器禁止条約▽憲法第9条と非核の日本実現の課題▽「核密約」問題▽「非核3原則法制化」問題▽「北東アジア非核地帯化」問題▽原発と核兵器の問題▽「非核の政府」をめぐる各国政府との交流・連帯。

 ○会ならではの情報が発信できるよう、インターネットのホームページの日常的な更新、掲載データの充実に向けて、専任スタッフの配置を含めて改善をはかる。

(3)国民諸階層との非核・平和の共同・連帯の拡大
 ○会の「2013年新春アピール――日本政府は『核抑止』依存政治をやめ、核兵器禁止条約実現へ役割発揮を」の呼びかけに各界38氏から賛同・連帯のメッセージが寄せられた。非核の日本を願う広範な人々との共同の輪をさらに広げる。

 ○2015年NPT再検討会議を核兵器廃絶の転機とするための世論喚起を目的に、適切な時期に「意見ポスター運動」にとりくむ。

(4)「核兵器全面禁止アピール署名」「原爆展」を軸に、被爆実相を普及する
 「核兵器は人類と共存できない」との被爆者の訴え、非人道的な被爆の実相を伝えることは、核兵器廃絶の国際世論を喚起し、「核抑止力」論の虚構を打破するうえで決定的な意義をもつ。わが会は、「核兵器全面禁止アピール」署名と「原爆と人間」展の開催を軸に、被爆の実相の普及に努める。
 「核兵器全面禁止のアピール」署名は、国民世論を喚起し、共同を広げ、国民世論を国際政治に反映する運動の軸となる。わが会は、平和市長会議、非核宣言自治体協議会に加盟する自治体への賛同の呼びかけをはじめ、署名活動のいっそうの前進のために力を尽くす。

(5)原水爆禁止2013年世界大会の成功へ
 原水爆禁止2013年世界大会が8月3〜9日、「核兵器のない平和で公正な世界のために」をテーマに広島、長崎両市で開かれる。原水爆禁止世界大会は近年、国連・各国政府・自治体と草の根NGOの共同・連帯を大きく発展させてきた。わが会は、今年の世界大会がその存在意義をいっそう力強く発揮するよう、その成功めざして力を尽くす。

(6)被爆者との連帯強化
 原爆症認定をめぐる司法判断と行政認識の乖離を埋めることを目的に、現在、「原爆症認定制度在り方検討会」で検討が進められている。被爆者の求める現行の認定制度の抜本改正が実現できるかどうかは、今後の世論と運動の発展にかかっている。会は、国家補償と現行法改正を求める被爆者の要求を支持し、日本被団協との連帯をはじめ被爆者支援のとりくみを発展させる。

(7)非核自治体運動、非核「神戸方式」の前進を
 ○非核自治体宣言運動・非核行政の発展を引き続き追求するとともに、自治体における非核・平和の共同行動を、今日の情勢の変化にふさわしく発展させる。日本非核宣言自治体協議会、平和市長会議との連帯、共同を発展させる。

 ○「核密約」破棄と結んで非核「神戸方式」の全国化に向けた運動が重要となっている。兵庫の会とも協力して具体化、推進をはかる。

 ○「非核自治体運動シンポジウム」を適切な時期に開催する。

(8)会の組織的強化のために
 ○会の活動・機能の強化にむけて、近畿、関東、東海・北信越につづくブロック別交流会、中央賛同団体との懇談会等を推進する。

 ○「非核の政府を求める会ニュース」が、今後いっそう会の活動を伝え、核兵器政策をめぐる情報・方針を発信する紙面となるよう力を尽くす。
 同「ニュース」普及のための経験交流を推進する。発行日の安定化など編集活動の改善をはかる。



 
国民のみなさんへの訴え
 核兵器も原発もない世界へ、被爆国の役割果たす国民的共同を大きく



 
国民のみなさん
 昨年暮れの総選挙で民主党政権に代わって自民・公明連合の第2次安倍政権が誕生して半年。その暴走政治にいま、核兵器をめぐる姿勢でも、憲法改悪や歴史観、原発や米軍基地問題、TPP・くらしの問題でも、国内外から深い憤りと厳しい批判の声が沸き起こっています。憲法改正の要件を緩和しようとする96条改憲は、時の権力によって9条をはじめ改憲自由≠ノしようとする策動で、改憲派学者などから痛烈な批判が相次ぎ、さきの侵略戦争を美化する「歴史認識問題」では欧米からも「不必要なナショナリズム」等の非難が噴出するなど、深刻な矛盾と破たんに直面しています。まさに日本の政治が世界に通用するかどうかが大もとから問われているのです。

 このとき、私たちは、第28回全国総会に集い、安倍暴走政治に終止符を打って、一日も早く核兵器の廃絶と非核の日本を実現しようと誓い合いました。まもなく東京都議会議員選挙と参議院選挙がおこなわれます。この政治戦を、国民犠牲・アメリカ言いなり政治打破の転機としようではありませんか。

 国民のみなさん
 この1年、「核兵器禁止条約の交渉開始」を求める流れこそ、今日の世界の発展方向であることが、国連総会はじめ一連の国際政治の舞台を通して力強く示されました。また、この間、アメリカが主導する軍事同盟に加盟する諸国を含む80ヵ国が連名で「核兵器の人道的影響に関する共同声明」を提唱し、「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われないことは人類生存の利益」であり「核兵器が二度と使われないことを保証する唯一の手段は核兵器廃絶」だと訴えたことは、核兵器の非人道性≠ニいう核保有国も否定しがたい角度から迫る意欲的挑戦として注目されます。

 他方、米国はじめ核保有国は、2010年核不拡散条約(NPT)再検討会議で自ら合意した「核保有国の核軍備縮小撤廃」の履行状況の報告時期が1年後に迫ってなお、重い腰をあげようとしません。包括的核実験禁止条約(CTBT)などについても目立った進展はみられません。核保有国の責任は重大です。

 国民のみなさん
 このとき、核兵器廃絶へ先陣を切るべき日本政府は、残念ながら、アメリカなど核保有国に追従して被爆国の責務に背を向け、国際社会の失望と不信を買う有様です。国連総会では核兵器廃絶を先送りする立場に拘泥して核兵器廃絶諸決議への支持を一貫して拒み続け、さきのNPT第2回準備委員会では80ヵ国連名の「共同声明」への賛同署名をも拒否して世界を唖然とさせました。被爆国としての最小限の政治的・道義的責任をも放棄する、恥ずべき選択と言わねばなりません。日本をアメリカの核戦争政策に巻き込む「核密約」の枠組みも温存させています。自国の安全保障を米国の核兵器に依存する「核の傘」政策を改めさせ、被爆国にふさわしい役割を果たさせてゆくことは、ますます重要です。

 国民のみなさん
 東京電力福島第一原発事故から2年余、いまも15万人余の福島県民が避難生活を強いられています。事故は収束どころか、まさに真っただ中≠フ状況です。とりわけ深刻なのは、地下水が原発建屋地下等に流入し続けて、毎日400トンもの汚染水が増え続けていることです。安倍政権は、まずは前政権の「収束宣言」を撤回し、東電と国が事故炉の廃止措置、汚染地域の除染と被害に対する全面賠償の責任を果たすべきです。安倍政権は新たな「安全神話」を持ち出して原発の再稼働・輸出に踏み切る構えですが、事故真っただ中≠ナ事故原因も未解明なままでの再稼働や輸出など、断じて許されません。地震列島日本で、しかも「核のゴミ」が増え続けている状況下、国民と国土の安全を守る確かな道は、全原発を停止して廃炉に向かうことです。全国の草の根から、政府に「原発ゼロ」の決断を迫ろうではありませんか。

 国民のみなさん
 今年は、「広島・長崎への原爆投下は国際法違反」と断じた原爆裁判下田判決から50年目にあたります。核兵器の非人道性・違法性を告発するアプローチは、「被爆者の生きているうちに核兵器のない世界を」と訴え続けた日本の被爆者運動と非核・平和運動の原点であり伝統です。あわや核戦争≠フ危機的情勢のもと、1985年に提唱された「ヒロシマ・ナガサキからのアピール」が訴えた核心も「核兵器の使用は不法かつ道義にそむくもの」であり、だからこそ「全面禁止・廃絶を求める」点にありました。人道的アプローチで各国政府代表が一堂に会する新たな情勢を迎えたいま、被爆国日本の非核・平和運動の真価が問われています。全国各地での「原爆展」開催を軸に、被爆の実相、核兵器の非人道性を国内外にさらに強く大きく発信しようではありませんか。「核兵器全面禁止のアピール」署名を積み上げ、核兵器禁止条約の交渉開始を求める流れを加速させようではありませんか。核兵器廃絶と非核の日本を求めるわが会とともに、原水爆禁止2013年世界大会を成功させ、核兵器のない平和で公正な世界の実現に向けて、ともに意気高く前進しましょう。

2013年6月1日           非核の政府を求める会第28回全国総会