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 ●提言・声明
 
「核兵器の人道的影響に関する共同声明」への日本政府の賛同署名拒否に対し強く抗議する
非核の政府を求める会常任世話人会(2013.4.29)

                                           2013年4月29日
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
外務大臣 岸田 文雄 殿
                               非核の政府を求める会常任世話人会


 ジュネーブで開催中の2015年核不拡散条約(NPT)第2回準備委員会において、日本政府は、南アフリカ代表団が提出した「核兵器の人道的影響に関する共同声明」への賛同署名を拒否した。わが会は、同準備委員会開会に先立って、貴職に対し同「共同声明」を支持・推進するよう申し入れてきたものとして、今回の貴職の判断に対し、深い失望と憤りをもって強く抗議する。

 今回、74ヵ国が連名で提出した「共同声明」は、「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われないことは人類生存の利益」とし、「核兵器が二度と使われないことを保証する唯一の手段は核兵器廃絶だ」と指摘している。広島、長崎の被爆体験をふまえて、核兵器の被害の甚大さ、その非人道性を強調したこの声明は、人類が生存していくための当たり前の条件を唱えたメッセージであり、わが国の被爆者、国民大多数の願いそのものである。この「共同声明」を、唯一の被爆国である日本が賛同しないことは、世界に誤ったメッセージを発することにほかならず、貴職の根本姿勢、責任は重大である。

 貴職は賛同を拒んだ理由について、「わが国の安全保障環境にかんがみ、ふさわしい表現であるかどうか慎重な検討を行なった結果だ」としている。だが今日、核兵器廃絶は世界の国々共通の公の目的であり、核兵器保有国さえ受け入れざるをえなくなっている。そのなかにあって、米国の「核抑止力」への影響の懸念から署名を拒んだ貴職の態度は、日米核安保、日米同盟の危険性を浮き彫りにするものと言わざるをえない。世界の非核・平和の流れから取り残され、孤立する「核の傘」依存政策は、きっぱりと転換すべきである。

 賛同を拒否したのは「いかなる状況下でも」の文言の削除要求を受け入れられなかったからとも言われる。いったい、貴職は、状況によっては核兵器の使用が“人類生存の利益になる”との立場に立つのであろうか。そもそも「いかなる状況下でも」の表現は、2010年NPT再検討会議で、日本、核保有国を含む全締約国が合意した「最終文書」に盛り込まれたものである。貴職が「共同声明」を拒むに際して、その文言の削除を賛同の条件にするなどは、到底、国際社会の納得を得られるものではない。

 わが会は、日本政府が今後、被爆国として広島、長崎の被爆の実相を世界に発信する先頭に立つこと、また、自らも賛成した2010年NPT再検討会議の「核兵器廃絶合意」の履行に責任を負う立場から、今回の「共同声明」拒否の判断を撤回し、核兵器禁止条約の速やかな交渉開始のために積極的な役割を果たすよう、強く求めるものである。
以上