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 ●全国総会の方針
 
核兵器廃絶と非核の日本求める運動の発展を
          非核の政府を求める会が第27回全国総会
2012年6月25日

 「核兵器のない世界」を求める気運が高まるもとで、非核の政府を求める会は6月25日、東京都内で第27回全国総会を開き、被爆国にふさわしく非核日本に転換させるため、結成の原点に立ち返って運動を大きく発展させることなどを呼びかける議案を採択。18都道府県の会と17中央団体の代表、各界個人賛同者ら70人が出席しました。
 増田善信・常任世話人(気象学者)が開会あいさつを行ない、座長に柴田真佐子(全国労働組合総連合副議長)、原和人(全日本民主医療機関連合会前副会長)の両常任世話人を選出。
 冒頭、昨年の総会後亡くなった世話人らの生前の功績を偲び、黙祷を捧げました。
 野村幸裕・常任世話人(日本自治体労働組合総連合中央執行委員長)が総会議案を提案。核兵器禁止条約の交渉開始が国際政治の焦点になる情勢の特徴を明らかにし、核兵器の非人道性を訴える被爆者をはじめ日本の原水爆禁止運動など世界の非核平和の運動が土台になっていると強調。一部の核保有国がふりまく「核抑止力」政策の打破は急務と指摘。アメリカの“番頭役”を演じる日本政府の核政策、外交を被爆国にふさわしく転換させることの緊急性を力説しました。
 また、関西電力大飯原発の再稼働を決定した政府に抗議し、撤回を求めるとともに、原発依存・原子力依存行政の危険性とその転換を求める国民的議論を巻き起こそうと呼びかけました。
 藤田俊彦(前長崎総合科学大学教授)、笠井亮(日本共産党衆院議員)の両常任世話人が補強報告。
 藤田氏は、世界の核兵器状況、2015年核不拡散条約再検討会議準備委員会で提言された「核軍備撤廃の人道的次元に関する16ヵ国共同声明」について報告。
 笠井氏は、国会私物化と言うべき民自公3党の密室談合政治と国民多数との矛盾の深まり、悪政を大本から正す意義などを中心に、国会情勢を詳しく報告しました。
 討論では、延べ21人が核兵器禁止条約の交渉開始、被爆の実相の普及、原発問題などをめぐって発言しました。
 総会では、議案、「国民の皆さんへの訴え」を採択し、113人の世話人と23人の常任世話人、4人の顧問、事務室長を選出。
 田中則夫・常任世話人(龍谷大学副学長・教授)が閉会あいさつを行ないました。


 
広島、長崎両市長らがメッセージ

 松井一實・広島市長と田上富久・長崎市長のメッセージが紹介されました。


 非核の政府を求める会第27回全国総会方針

 はじめに

 わが会結成から四半世紀余、私たちはいま、核兵器廃絶と非核の日本を手繰り寄せる、歴史的な転換点に立っている。核兵器廃絶は今日、世界の圧倒的多数の国々が掲げる課題となり、核兵器禁止条約の交渉開始を求める気運が確かな広がりをみせている。核兵器禁止条約の交渉開始の展望を切りひらくために、国際社会から、とりわけ被爆国日本の非核・平和の世論と運動への期待が高まっている。
 核兵器廃絶を求める今日の流れは、国民が声をあげて政治を動かす国内外の新たな変化と響き合いながら進展しており、そのことが「核兵器のない世界」実現への確信をいっそう揺るぎないものとしている。わが国では、“オール福島”の原発ノー、“オール北海道”のTPP参加反対、“オール沖縄”の米軍新基地建設ノーに示される、切実な要求にもとづく県民ぐるみの共同行動が広がり、海外でも“アラブの春”や“私たちは99%”運動が相次ぐもとで、日本国民の多くが主権者として、非核・平和の課題をより身近で切実なものと捉え始めている。
 このとき、核兵器廃絶の旗振り役を果たすべき日本政府は、「核抑止力」論にしがみつく米国など核保有国の顔色伺いに終始して、被爆国の責務に背を向けるばかりか、原発問題でもくらし、平和の問題でもことごとく公約を裏切って、国民の厳しい批判に直面している。
 本総会は、こうした激動の情勢のもとで開かれる。核兵器をめぐる今日の情勢の変化、そのもとでの非核・平和の当面の課題、それを担うわが会の役割、発展方向を明らかにし、本総会を機に、改めて「非核5項目」に示される会結成の原点にしっかり立って、核兵器の廃絶と非核の政府を求める運動を情勢にふさわしく発展させよう。

1章 非核・平和をめぐる世界の情勢
     ――核兵器禁止条約の交渉開始が国際政治の焦点に

 「核兵器のない世界における平和と安全を達成すること」――これを2010年核不拡散条約(NPT)再検討会議が国際政治の「目的」に位置づけたことは、その後の核兵器廃絶を求める流れに新たな力を与えている。核保有国といえどももはや核兵器禁止条約の必要を正面から否定することはできず、第66回国連総会でも、2015年NPT再検討会議第1回準備委員会でも、「核兵器禁止条約の交渉開始を」が圧倒的多数の国々の揺るがぬ声となっていることが力強く示された。日本政府は国連総会等において、核兵器廃絶を遠い先へと追いやる「究極廃絶」論に立つ対案を提唱して、自国核兵器保有を正当化する核保有国のお先棒を担ぎ、世界の流れへの逆行ぶりを示した。
 今日の核兵器廃絶の流れは、▽被爆者をはじめとする我が国の原水爆禁止運動など世界の非核平和の運動が土台となって、▽非同盟運動や新アジェンダ連合の諸国、一部西側諸国など各国政府の外交努力、▽国連事務総長をはじめ国際機関関係者の積極的関与が互いに連携し、合流しているところに、その力強さの源がある。
 他方、「核抑止力」として核兵器の有用性を認める立場は、核保有国やその同盟国、パートナー諸国の間などに根深く残っており、これが核兵器廃絶に足を踏み出すうえでの最大の障害となっている。とりわけオバマ政権が「拡大核抑止」論を押し出し、これに呼応して同盟国の日本政府が「核の傘」の維持・強化を求める事態は、極めて重大である。民主党政権が、日米「核密約」の存在を認めながら、その破棄を拒否する背景に、こうした日米両政府の「拡大核抑止」政策があることを見ておかねばならない。
 自国核保有を合理化する核保有国の「核抑止力」論や「拡大核抑止」政策を許さず、核保有国、同盟国に「NPT合意」の誠実な実行と核兵器禁止条約締結の決断を迫ることは、今日、焦眉の課題である。

 (1)「核兵器なき世界」実現の期待示した第66回国連総会

 第66回国連総会は、「核兵器禁止条約の交渉開始」を求める決議に圧倒的多数の国々の支持が寄せられるなど、核兵器なき世界の早急な実現への期待の広がりを浮き彫りにした。
 非同盟諸国はこの間、非同盟運動創立50周年記念会合(昨年5月、インドネシア・バリ)を開き、「核兵器のない世界に至る唯一の道は、全面的かつ完全な核軍備撤廃である」とする「バリ記念宣言」、期限を切った核兵器廃絶への取り組みを強化することを明記した「声明」を採択して、2010年NPT再検討会議の「合意」実行を求める流れを促進した。「核兵器廃絶は、情勢の良し悪しにかかわらず国際政治が直面する第一義的な課題」との精神は、第66回国連総会における非同盟諸国代表の演説すべてに貫かれ、国際政治に強い政治的インパクトをもたらしている。
 ○ミャンマー(非同盟諸国)提案の「核軍備縮小撤廃」決議は、核軍備撤廃を合意された時間枠の中で期限を切って達成する方針を明記。投票総数の65%の賛成を得た。日本は棄権した。
 ○マレーシア(非同盟諸国)提案の「国際司法裁判所の勧告的意見のフォローアップ」決議は、核兵器条約の締結交渉開始を促した。カナダ、ノルウェーなど5ヵ国は米国に同調せず棄権して注目された。支持率は73%に達したが日本は棄権した。
 また、ニュージーランドは、新アジェンダ連合を代表して決議「核兵器のない世界に向けて――核軍備撤廃公約の実行を加速する」を提案し、核軍備撤廃に向けた諸措置の加速を核保有国にきびしく要求した。同決議は支持率93・3%の高率で採択された。
 この国連総会ではノルウェー、オーストリア、メキシコの3国が、核兵器廃絶は国際政治の死活的課題との認識に立って、ジュネーブの軍縮会議(CD)の機能停止の状態が続くなら国連の下に3つの作業グループを作って交渉を開始する内容の決議案「多国間軍縮交渉を前進させる」を提案した。決議案自体は最終段階で撤回されたものの、西側諸国から核兵器廃絶の流れを具体的に促進する新たなイニシアチブとして重要である。
 同国連総会では、軍縮委員会の冒頭にドゥアルテ国連上級代表が、“アラブの春”が軍縮分野にも押し寄せてきており、その象徴として「日本原水協の700万の署名がある」ことを挙げて注目をあびた。

(2)2015年NPT再検討会議第1回準備委員会が示したもの

 2015年NPT再検討会議第1回準備委員会が4月30日から5月11日までオーストリアのウィーンで開かれた。今回の会合の焦点は、2010年NPT再検討会議の「行動計画」、とくに核兵器禁止条約の交渉開始をいかに実行させるかにあった。前回NPT会議後も核保有国が動かず、膠着状態となるなか、現状の打開に向けて非同盟諸国や新アジェンダ連合国はもとより、多くの国々が核保有国に核兵器廃絶に向けた「行動計画」の実行を迫った。
 このなかでスイスをはじめとする諸国が、核兵器使用の人的・物的な被害や環境への影響を指摘し、国際人道法にもとづく解決の方向を提起して注目された。スイスなど16ヵ国提案の「核軍備撤廃の人道的次元に関する共同声明」は、核兵器の廃絶を達成するには限定されない人道的なアプローチが必要であると主張している。共同声明に名を連ねた16ヵ国はいずれも核兵器廃絶のカギとなる国々であり、この共同行動の意義は大きい。
 今回の会合に日本原水協代表団は「核兵器全面禁止のアピール」署名154万7979筆を携えて参加し、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表団とともに要請行動を展開した。この要請を受け、NGOセッションの冒頭、会議議長のオーストラリア軍縮大使が「私は初日に署名154万7979筆と4人の被爆者のメッセージを受け取った。核軍縮・不拡散にとって市民社会とNGOの役割はたいへん大きい」と報告した。このことは、先の国連総会におけるドゥアルテ上級代表のスピーチとともに、国連、各国政府とわが国の非核・平和運動の信頼関係の発展、被爆国の非核・平和運動の役割の重要性を感動的に示すものである。

(3)「核抑止力」政策の打破は急務――被爆の実相を世界に

 「核抑止力」論は今日、核兵器廃絶を実現するうえで最大の障害となっている。核保有国は「核兵器のない世界」を目標としつつ、「世界に核兵器があるかぎり、抑止力として核兵器を維持する」として自国核兵器の保有を合理化している。
 潘基文・国連事務総長は、2010年8月、広島で演説し、「核抑止力は幻想であり、安全保障に名を借りた妄想」だと批判した。核保有国が「核抑止力」論に立って自国核兵器を正当化し続けるかぎり、核兵器も、新たな核拡散の危険もなくならない。
 3月27日、ソウルで核保全サミットが開かれ、核テロの防止を主要目標として改めて確認したが、同サミットは、核兵器の大幅削減をめざすものではなく、「期限を切った廃絶」や、核兵器条約の交渉開始などは論議の対象にさえしていない。オバマ大統領は、同サミットで滞在先のソウルの外語大で講演し、「核兵器のない世界」への思いを改めて表明したと報じられているが、そこでも肝心の、2010年NPT再検討会議で米国自身も同意した核兵器廃絶合意の実行状況についての言及はなかった。
 同サミットで演説した潘基文氏は、「核の脅威を除去する最良の道は核兵器の廃絶」だと力説した。「人類と核兵器は共存できない」との被爆者の叫びは、たとえ1発であれ、いかなる理由であれ、核保有の正当化を許さない。
 「核抑止力」を克服する決定的なカギとなる被爆の実相、核兵器の非人道性を世界の共通認識にすることをはじめ、「核抑止力」論の危険な本質を、▽“核抑止は他国への核脅迫の仕組み”という本質論、▽「核抑止」の名で進められた際限なき核軍拡競争や、朝鮮戦争、台湾紛争、ベトナム戦争等での核使用計画などの歴史的検証、▽「核抑止」と称しての北朝鮮核開発にみられる現在の核拡散の実態等の諸側面から明らかにすることは、引き続き重要な課題である。

(4)世界の核兵器状況、核開発めぐる懸案

 ○核兵器状況  世界の核兵器保有量は、米国の専門家ハンス・クリステンセン氏らの推計によると、2010年に2万2400発、2011年に2万500発、2012年に1万9000発と推定される。わが会が結成された1986年から2011年までの25年間を通じて7万発から2万発弱まで核軍備の縮小が続いたことになる。同時に、米ロ両核大国が、核軍備を削減する一方で、核兵器の近代化・高度化を進めてきたことも見落とせない。その他の中小の核保有国の間でも核兵器の精緻化が続けられており、一部に核軍拡の動きすら伝えられている。
 2012年の場合、1万9000発のうち戦略弾頭4200発、非戦略弾頭200発、計4400発が作戦配備されている。国別保有数はロシアが1万発で作戦配備数は1800発、米国は8000発でそのうち戦略・非戦略弾頭計2150発が作戦配備されている。フランスは300発未満、中国240発、イギリス225発、イスラエル80発、パキスタン90〜110発、インド80〜100発とされ、北朝鮮10発未満としている。核爆発威力は全体で、広島型原爆の少なくとも十数万発に相当するとされる。
 核兵器はその爆発力(爆風=衝撃波、熱線、初期放射線)による比類なき破壊力とともに、長期にわたる放射線後障害をもたらす最も非人道的な大量殺戮兵器である。
 北朝鮮問題  北朝鮮は4月13日、国際社会の再三の発射中止要請にもかかわらず、「ロケット」の発射を強行した。今回の「ロケット」発射は、北朝鮮に「弾道ミサイル技術を利用した発射」の中止を求めた国連安全保障理事会の1874決議に違反するものである。わが会は、北朝鮮の今回の行為をきびしく非難するとともに、北朝鮮が「核実験」等新たな挑発的行動に出ないよう強く求める。
 北朝鮮の核開発問題をめぐる「6ヵ国協議」は2008年以降、膠着状態に陥っているが、北朝鮮は速やかに協議に復帰すべきである。同時に、2005年6ヵ国共同声明にもとづき、すべての当事国は、協議再開のため、粘り強く外交努力を行ない、その責任を果たすべきである。この点で、とりわけわが国が、北東アジアにおける軍事的緊張の要因となっている米国の「核の傘」から離脱して非核の政治に転換することが重要となっている。
 ○イラン問題と中東非核地帯化の前途  イランの核開発疑惑をめぐり、緊迫した情勢が続いている。4月には同国と、国連安保理常任理事国(米英仏中ロ)にドイツを加えた6ヵ国との協議が1年3ヵ月ぶりに再開され、5月には国際原子力機関(IAEA)との協議も再開されるなど、核疑惑解明に向けた具体的進展が図られつつある。
 しかし、イランは肝心の核施設への立入りを拒否するなど国連安保理やIAEAの決議を拒む姿勢を崩していない。他方、経済制裁によってもイランの核開発が停止しないことに苛立ちを募らせているイスラエルがイランへの軍事攻撃の可能性を示唆している。今後の成り行きについて依然、予断を許さない情勢のもと、同問題の平和的・外交的解決へ向けて、イラン政府による核兵器開発放棄の明確化、イスラエルの軍事攻撃阻止、イスラエルへの米国の二重基準の解消を含めて国際社会のいっそうの努力が求められている。

 2章 厳しく問われる日本政府の核政策――日本外交の転換は急務

 「古い自民党政治を変えてほしい」との国民の願いが高まるなか、民主党政権が誕生して2年9ヵ月――。だが新政権は内政でも外交でも国民の願いを裏切って、「自民党以上に自民党的」なアメリカ・大企業の“使い走り政治?≠ヨと行き着いている。この変節ぶりに国民多数が失望と不信を募らせていることは、「内閣支持率1割台」の世論調査にも端的に示されている。同時に、いまさら自民党に国民の支持が回帰するはずはなく、いまや「2大政党づくり」の破綻から「民自公3党の談合体制」へという新たな政党状況が生まれている。
 民主党政権と国民諸要求とのかけ離れぶりは、もはや埋めがたい。核兵器政策でも、国連総会提案決議に核保有国が許容しうる「究極的核廃絶」方針を復活させ、「拡大核抑止」を米国の政策に合わせて自ら提唱するなど核保有国の“番頭役”を演じるまでの転落ぶりである。
 日米「核密約」はかなり表面化したにもかかわらず、あくまでその存在を否定し続け、日米安保条約との関係等、その構造についてはまだ十分解明されていない。「核密約」を破棄しないかぎり、米軍の日本への核持ち込みの仕組みが温存される。それは「非核3原則」の蹂躙をこのまま許すかどうかという今日的な重要問題である。
 原発問題でも野田首相は、6月17日、関西電力・大飯原発3、4号機の再稼働を決定した。これに対し「事故原因の解明さえできていないのに再稼働か」と専門家、被災住民から怒りの声があがったのは当然である。わが会は、国民の命と安全に重大な犠牲をもたらしかねない、今回の再稼働決定に強く抗議し、その撤回を求める。また、海外への原発輸出に突進しようとしていることも無責任の極みであり、絶対に許されない。
 民主党政権にはもはや、国民の安全、日本の未来を担う意思も資格もないことは明白である。
 (1)被爆国にふさわしい政治へ
 「核兵器のない世界を」の気運が高まる中、日本政府には、被爆国であり、憲法9条を持つ国の政府として、この世界の流れを加速させる先頭に立つのかどうかが鋭く問われている。
 核兵器の廃絶にとって、「核抑止力」論の克服が国際政治の焦点となっているが、そのために核兵器の非人道性、残虐性を世界に発信することは、被爆国日本が果たすべき重要な国際的責務である。
 核兵器禁止条約への期待が広がるいまこそ、日本政府の核政策、外交方針を以下の方向へ転換するよう強く求める。
 ――国連と各国政府に核兵器禁止条約の交渉開始を提唱し、その実現のために全力を尽くすこと。
 ――原爆被害の非人道的な実態を世界に訴えること。スイスなど16ヵ国提唱の「核軍備撤廃の人道的次元に関する共同声明」を支持し、その先頭に立つこと。
 ――国連総会で非同盟諸国、新アジェンダ連合と協力し、核兵器廃絶諸決議を支持・推進すること。
 ――核兵器の存在と使用を是認する「核抑止」政策=「核の傘」からの離脱を国際社会に宣言すること。
 ――「非核3原則」を厳守し、「非核法」制定等、非核の日本を実現する実効性ある措置を講じること。
 ――日米「核密約」の存在と構造を徹底調査し、これを破棄すること。
 (2)原発依存・推進政治の責任は重大
 野田首相の大飯原発再稼働の決定は、福島原発事故を踏まえて国民の命と安全を守ろうとすれば、絶対にありえない愚挙である。わが会は、原発の事故原因を解明せず、安全基準も確立しないで再稼働に突進する野田政権の無責任政治を厳しく批判する。
 野田首相は今回の決定に当たり、「福島を襲ったような地震津波がおこっても、事故を防止できる」などと根拠もなく述べたが、「新・安全神話」をもって国民を危険にさらすとは、野田政権は原発事故から何一つ学びえていないと言うほかない。こうした猪突猛進の背景に、オバマ政権、日本経団連など財界をはじめ日米両国の「原子力共同体」の圧力があることは明白である。
 いま、福島原発事故を目の当たりにして、国民の多くが原発依存政策に疑問を抱き、「原発は根本的に見直すべき」との思いを強めている。数年以内の大地震の予測が報じられるなか、「地震国日本に原発があっていいのか」との懸念、「原発ゼロへ!」「自然エネルギーへの転換を!」の声の広がっていることは、まったく当然と言うべきである。
 
原発の本質的危険性
 原発の危険性について広く国民的論議をおこし、国民の共通認識を形成することは、引き続き重要課題である。
 ○原発推進の大号令となった1953年のアイゼンハワー米大統領「アトムズ・フォー・ピース」(原子力の平和利用)演説自体、世界的規模で冷戦が深刻化するなかで、?米ソ核対決の実情を米国民向けに説明する「率直作戦」?原子力の商業的利用?核兵器戦略の強化、の多重的狙いを持っており、「安全」の位置づけは当初から低かったこと、などに留意すべきである。
 とりわけ、被爆国であるわが国は、憲法9条をもち、国民の反核エネルギーが強かっただけに、核兵器使用を中核とする世界戦略に移行しつつあった米国が、日本への核持ち込み、日本からの核出撃態勢の確立に向けて、日本の「核タブー」払拭のための重要政策として原子力平和利用=原発の猛烈な売り込みをはかったことは重大である。
 ○現在の原発は、“安全性は二の次
”の潜水艦動力炉技術の民生転用であったことに加えて、際限のない核軍拡競争の補完――膨大な核分裂性物質生産と表裏一体のものとして、“限りなく安くあげる”ために安全性を度外視して開発されてきたところに、その危険性の大もとがある。
 ○原発による放射能もれは、一度の事故でも短時間にして周辺社会と生命体に壊滅的な打撃を与え、また、被害を長期にわたって地球的規模に広げる危険がある。
 ○人類は環境に放出された放射能を制御する方法を持っていない。放射能の絶対的な封じ込めは科学的に未知の領域であり、原発は未完の技術である。
 ○ひとたび放射性物質が外界に放出されれば、巨大原子炉の核分裂生成物は莫大なだけに環境汚染が甚大となる。
 
原子力艦船の「安全神話」の虚構性
 今回の原発事故は、横須賀、佐世保、沖縄などに寄港している米・原子力艦船の「安全神話」の虚構性をも浮き彫りにしている。米原子力艦船はこれまで何度も重大な原子炉事故を起こしてきた。だが日本政府は、米艦船の日本寄港時の空中放射線測定を制限する密約を結び、今日にいたるも米側に米艦船の原子炉の性能や構造、核燃料の形状等の基本情報の公開を求めようとさえしないなど、事実上、「国民の安全より米軍優先」の立場に立ってきた。4月には、米海軍が日米合意を無視し、横須賀基地で原子力空母ジョージ・ワシントンから低レベル放射性廃棄物を搬出した。原発の「安全神話」が崩壊したいま、政府は米原子力艦船の安全性に関するこれまでの対応を総点検し、見直すべきである。
 わが会は、結成いらい核戦争反対・日本の核戦場化阻止を掲げ、放射線被害の非人道性を一貫して告発してきたものとして、わが国の原発・原子力依存行政の危険性、その転換をめぐる国民的論議、合意形成のために、引き続き力を尽くす。
 (3)「普天間基地移設反対、無条件撤去」が沖縄の総意
 「普天間基地の県内移設・固定化絶対反対」「米軍基地撤去を」が“オール沖縄?≠フ声となるなか、沖縄県は、アメリカの占領支配から本土復帰を勝ち取って40年目の5月15日を迎えた。野田首相は就任直後の沖縄県訪問で普天間基地の名護市辺野古への移転を「唯一の有効な方法」と断定したが、先の日米首脳会談直前に発表した在日米軍再編計画見直しの新たな「合意」で改めて普天間基地の「県内たらい回し」を確認するなど、県民の総意に背いてアメリカ言いなりの対応に終始している。
 野田首相は日米首脳会談で共同声明を発表し、集団的自衛権行使と日米軍事同盟のグローバルな展開に道を開く米軍と自衛隊の「動的防衛協力」を謳った。「沖縄県民の負担軽減」を口にしても「日米同盟最優先」「海兵隊は日本の平和を守る抑止力」との立場に立つかぎり、そこから米軍基地撤去の方途は出てこない。
 
わが会は、破綻が明白な「日米合意」の白紙撤回、普天間基地無条件撤去を強く主張するとともに、日米安保条約発効60年の節目にあたり、今後、核安保の実態等、日米同盟の害悪についても解明・宣伝してゆく。

 
(4)新段階迎える改憲論議

 この間、衆参両院で憲法審査会が始動し、各党が改憲草案を相次いで発表、改憲派国会議員らでつくる「新憲法制定議員同盟」が「新しい憲法を制定する推進大会」を開くなど、憲法を真っ向から否定する動きが強まっている。とりわけ憲法「改正」の発議ができるとされる憲法審査会の始動は、改憲論議を新たな段階に押し上げようとするものであり、いささかも軽視できない。
 また、橋下大阪市長率いる「大阪維新の会」が「決定できる民主主義」を掲げ、市職員の思想調査、「君が代」斉唱の口元チェック等の人権侵害を強行し、憲法「改正」を主張していることは、改憲勢力を勢いづかせている。市民の暮らしを破壊することと一体の恐怖政治・独裁政治を打ち破る国民的な連帯が強く求められている。
 民意を圧殺する衆院選挙制度改悪の動き、国民の知る権利を奪い国民監視体制の確立につながる秘密保全法制定の企ても、非核・平和運動の存立基盤を切り崩す攻撃と言うべきものである。
 憲法施行から65年、わが国の国民は度重なる改憲策動を断固として封じてきた。今日の改憲策動が平和、くらし、人権の問題で憲法原則の実現を願う国民の要求への挑戦である以上、その企てに未来のないことは明白である。そのことは、全国の「九条の会」の広がり、憲法の平和的民主的諸原則を生かす政治を求める世論と運動の広がりにもはっきりと示されている。
 非核・平和の課題でも、変えるべきは、世界の前向きの変化についてゆけず、憲法の原則、9条の精神を足蹴にする現実政治のほうである。わが会は、憲法9条が原子爆弾の投下をふくむ戦争の惨禍のうえに制定された経緯にてらし、ひきつづき「9条を守り生かす」運動と連帯し、その前進のために力を尽くす。

 
3章 「非核の政府を求める会」活動の前進のために

 核兵器禁止条約の交渉開始、非核の日本を求める世論喚起のために、わが会の前進は、ますます重要となっている。
 (1)日本政府の核政策の転換を求める
 ○…わが会は日本政府に対し、この間、「第66回国連総会についての要請」(2011年9月、中野譲外務大臣政務官が応対)、「2015年NPT再検討会議第1回準備委員会についての要請」(2012年4月、浜田和幸外務大臣政務官が応対)を行なった。引き続き日本政府に対し、第67回国連総会軍縮委員会、2015年NPT再検討会議第2回準備委員会等に際して、日本政府が「究極廃絶」論を脱して被爆国にふさわしい核政策を遂行するよう申し入れを行なう。
 ○…「非核3原則」法制化、原子力規制委員会のあり方等、非核・平和をめぐる重要課題についての政府要請を検討する。
 ○…会の「2012年新春アピール――核兵器禁止条約の交渉開始、放射線被害のない日本をめざす転機の年に」の呼びかけに各界53氏から賛同・連帯のメッセージが寄せられた。非核の日本を願う広範な人々との共同の輪をさらに広げる。
 (2)核政策をめぐる調査・研究活動の強化
 ○…わが会は前総会以降、シンポジウム「“NPT合意実行へ進む世界、問われる日本――核兵器禁止条約の交渉開始へ被爆国の役割発揮を」(2011年12月)、会結成25周年企画「“核兵器と原発”を考えるつどい」(2012年3月)を開催。引き続き、核保有国と日本政府の核政策の解明・批判を中心にわが会ならではのシンポジウム・講演会等に取り組む。
 ○…核問題調査専門委員会活動の充実・強化を中心に、非核・平和をめぐる諸問題についての調査・研究活動をいっそう旺盛に進める。
 [調査専門委員会の当面のテーマ]
 ▽核兵器廃絶をめぐる内外 の動向▽世界の核兵器状況▽「核の傘」「核抑止論」批判▽核兵器(禁止)条約▽憲法第9条と非核の日本実現の課題▽「核密約」
「非核3原則法制化」問題▽北東アジア非核地帯化問題▽原発と核兵器の問題▽「非核の政府」「非核政策」をめぐる各国政府との交流・連帯。
 ○…インターネットのホームページの日常的な更新、掲載データの充実などいっそうの改善をはかる。
 (3)「署名」と「原爆展」を軸に、被爆の実相の普及に尽力する
 「核兵器は人類と共存できない」との被爆者の訴え、非人道的な被爆の実相を伝えることは、核兵器廃絶の国際世論を喚起し、「核抑止力」論の虚構を打破するうえで決定的な意義をもつ。わが会は、「核兵器全面禁止アピール」署名と新パネル「原爆と人間」展を全国各地で開催することを軸に、被爆の実相の普及に努める。
 「核兵器全面禁止のアピール」署名は国民世論を喚起し、国民世論を国際政治に反映し、国際政治を動かす主軸となっている。わが会は、平和市長会議、非核宣言自治体協議会に加盟する自治体への賛同の呼びかけをはじめ、署名活動のいっそうの前進のために力を尽くす。
 (4)原水爆禁止2012年世界大会の成功へ
 原水爆禁止2012年世界大会が8月2〜9日、「核兵器のない平和で公正な世界のために」をテーマに被爆地広島、長崎両市を中心に開かれる。わが会は「原水爆禁止世界大会のこれまでの合意にもとづいて国際連帯を強化する」(「非核5項目」)との原点、および2005年に同世界大会実行委員会に加わった経緯をふまえ、今年の世界大会がその歴史的意義にふさわしい成功をおさめるよう力を尽くす。
 (5)被爆者との連帯強化
 原爆症認定集団訴訟は2003年の提訴以来、9割を超える原告勝訴を勝ち取り、認定要件を緩和した新基準導入等、認定行政を大きく前進させてきた。しかし、新基準のもとでも大量却下が続き、各地で却下処分取り消しを求める新たな裁判が提訴されている。わが会は、原爆被害に対する国家補償と現行法改正を求める被爆者の要求を支持し、日本被団協との連帯をはじめ被爆者支援の取り組みを発展させる。
 (6)非核自治体運動、非核「神戸方式」の前進を
 非核自治体宣言運動・非核行政の発展を引き続き追求するとともに、自治体における非核・平和の共同行動を、今日の情勢の変化にふさわしく発展させる。
 「核密約」破棄と結んで非核「神戸方式」の全国化に向けた運動が重要となっている。兵庫の会と協力して具体化、推進する。
 日本非核宣言自治体協議会、平和市長会議との連帯、共同を発展させる。
 (7)会の組織的強化のために
 ○…会の活動・機能の強化にむけて、近畿、関東につづくブロック別交流会、賛同団体との懇談等を推進する。
 ○…「非核の政府を求める会ニュース」が、会の活動を伝え、核兵器・核政策をめぐる情報・資料を提供する紙面となるよう、紙面改善にいっそう力を尽くす。同「ニュース」普及のための経験交流を推進する。編集活動の改善をはかる。


 第27回全国総会では、野村幸裕常任世話人の全国総会議案の提案(別項)に続いて、藤田俊彦、笠井亮の両常任世話人が補強報告を行ないました。

世界の核戦力状況と「16ヵ国共同声明」を中心に(藤田氏)
 国際的な問題を中心に、補足的に発言します。
 一つは、世界の核戦力状況についてです。今、世界には約1万9000発の核兵器が存在しています。
 核兵器を保有する国を4つのグループに分けてみると、第1グループの核大国アメリカとロシアの核兵器の推定数は8000発と1万発で、両者の合計は全体の95%に相当します。第2グループのフランス、中国、イギリスは300〜240発、NPTに加入していない第3グループのイスラエル、パキスタン、インドは、80〜110発の範囲です。NPT脱退を宣言した第4グループの北朝鮮は10個未満と推定されています。
 世界の核戦力は、約7万発のピークに達した1986年から25年間に2万発を下回る水準にまで軍縮が続いたと推定しています。
 では、「核兵器なき世界」の実現は近いのか。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)年鑑2012年版は、「中仏ロ英米は、すべて今後とも際限ない将来にわたり核兵器国のままでいる決意のように見える」と指摘。とくに米ロについて、核運搬システム、核弾頭、関連生産施設の大規模な近代化計画を進めているとしました。
 インド、パキスタンについては「双方とも、新型の核弾頭搭載可能な弾道ミサイルと巡航ミサイルの開発と配備を続けている」、イスラエルについては「核兵器保有を公的に肯定も否定もしない、長年の核不透明政策を維持し続けている」、北朝鮮については、「同国が作戦用の核兵器を保有していることを実証する公的な情報はない」としています。
 発言の二つ目の柱は、先の2015年NPT再検討会議第1回準備委員会で提言された「核軍備撤廃の人道的次元に関する16ヵ国共同声明」についてです。
 この16ヵ国は、発達した経済を持つ中立的な国、非核・平和の分野で活動的な非同盟国、米国主導の軍事同盟に加わっているが非核政策に重点を置く国、非核・平和の宗教国と多様で、こうした国々が人道的立場から核兵器廃絶の大義を追求する共通の意見表明を行なったことに注目したい。
 では、「共同声明」は、核兵器国を含む他のNPT締約国に何を訴えたのか。
 「声明」は、広島、長崎への原爆投下の凄惨な結果にふれたうえで、核兵器使用の即時的短期的影響の他、中長期的な悪影響について訴えています。
 「16カ国声明」はさらに、「核兵器はその破壊力のゆえに、また、空間的にも、時間的にも、制御しえない効果のゆえに、他に類を見ない存在である。国際人道法のあらゆる規則は、十分核兵器に適応される」と指摘しました。
 「声明」は結論として、核兵器はいかなる状況下でも二度と使用されてはならないとし、「これを保証する唯一の方途は…全面的な、不可逆的な、そして検証可能な核兵器廃絶である」と指摘。そのために市民社会は「核兵器の持つ極めて重要な人道上の含意について、人々の意識を高めるうえで、決定的な役割を果たさねばならない」と説いています。
 「16ヵ国声明」は、このように人道的次元に立って核兵器廃絶の重要性を強調し、2015年再検討会議の準備を進める上で大きな積極的インパクトを与えたのです。

悪政を大もとから断ちきり、希望ある未来ひらくとき(笠井氏)
 主に国内情勢にかかわって補足報告します。
 最初は、緊迫している国会情勢についてです。
 今朝、税と社会保障の一体改革の特別委員会の理事会で、明日26日に総括質疑、採決という強行案を民主党が提案し、自民、公明の理事が賛成しました。
 これは民意に背くものです。世論は「今国会で決めるべきではない」が7割です。政権がみずからの公約を踏みにじるものでもあります。総選挙でやらないと約束した消費税増税を強行し、やるといった後期高齢者医療制度の廃止などは投げ捨てる。
 さらに、密室談合で合意したら国会でまともな審議抜きで採決を強行する。議会制民主主義の破壊、民自公3党の国会私物化です。
 しかも、税と社会保障の一体改革と言うが、大増税だけが残った。社会保障制度改革推進法案も憲法25条を真っ向から蹂躙するもので廃案しかありません。
 
私の発言の二つ目は、2大政党づくりが破綻し、いま、“3党談合体制”がむき出しになりつつあるということです。
 民主党の前原議員は予算委員会で、「社会保障はむだの宝庫。一つひとつの病院、診療所、生活保護をどこまで削れるか切り込むべきだ、その覚悟があるか」と野田首相に質問しました。まさに自公政権ができなかった、よりひどい形の構造改革路線を復活させようというものです。
 こうした新たな枠組みは、非核・平和の分野でもはっきりと表れていると痛感します。民主党政権ができて最初に着手した一つが「核密約」の調査でしたが、密約ではないという結論を出す。「非核2・5原則」に道を開くことまで言い出した。国連総会で、核兵器廃絶を究極の課題に逆戻りさせる決議案を提案し、8月6日の広島で首相が「核抑止力」を肯定した罪は重いと思います。
 
原発問題では、福島事故の原因が未解明でも再稼働し、沖縄の米軍普天間基地問題でも、公約の「県外、国外への移転」から「日米合意で辺野古移転」に逆戻りです。さらに、世界一危険な普天間基地を固定化し、そこに世界一危険と言われるオスプレイを配備しようとしています。
 第3の柱は、談合体制に突き進めば突き進むほど、国民の願いとの根本的な矛盾がいっそう明確に見えてくるということです。悪政強行の“談合3兄弟”に大義はない。そこに確信と展望を持つ必要があります。
 消費税増税、原発再稼働、TPP、普天間・オスプレイのどの問題でも、広範な国民は反対し、怒りの声をあげています。各分野で一致点での共同、新しい日本への動きが大きく広がっています。
 悪政の大本に、「財界中心・アメリカ言いなり」の政治があり、この政治を大本から転換すると大いに展望が開けてきます。
 アメリカ自身、冷静にアジア情勢を見ています。例えば『フォーリン・アフェアーズ』という雑誌で最近、キッシンジャーが“アジア諸国は、アメリカに十字軍としての役割や、中国との対決を望んでいない”と述べている。談合体制のもとでの日本の政治がどんなに世界の流れに逆行しているかは明らかです。
 ことしは日米安保条約発効60年、沖縄復帰40年の節目の年です。議案にあるように、核兵器廃絶、非核3原則との関係でも、安保や日米同盟の害悪について国民の間に広げていくことが大事だと痛感しています。



国民のみなさんへの訴え
核兵器のない世界、非核の日本求める共同の輪を広く大きく

 国民のみなさん
 私たち「非核の政府を求める会」は本日、第27回全国総会を開催し、核兵器の廃絶と非核の日本、非核の政府の一日も早い実現にむけて決意を新たにしました。核兵器廃絶は今日、世界の圧倒的多数の国々が掲げる課題となり、核兵器禁止条約の交渉開始を求める気運が確かな広がりを見せています。核兵器廃絶を求める流れはいま、国民が声をあげて政治を動かす国内外の新たな変化と響き合いながら進展しています。“オール福島”の原発ノーなどに示される、切実な要求にもとづく県民ぐるみの共同行動が広がり、海外でも“私たちは99%”運動などが相次ぐもとで、日本国民の多くが主権者として非核・平和の課題をより身近で切実なものと考え始めています。歴史の大局的な変化を確信とし、この変化をさらに加速させるために、全国の草の根から非核・平和の声を大きく広げようではありませんか。
 みなさん
 「核兵器のない世界」の実現を2010年核不拡散条約(NPT)再検討会議が国際政治の「目的」に位置づけたことは、その後の核兵器廃絶を求める流れに新たな力を与えています。第66回国連総会、および2015年NPT再検討会議第1回準備委員会で、「核兵器禁止条約の交渉開始を」が圧倒的多数の国々の揺るがぬ声となっていることが力強く示されました。核保有国といえどももはや核兵器禁止条約の必要を真っ向から否定することのできない新段階を、私たちは切りひらいてきているのです。
 他方で、核保有国やその一部同盟国は、「核抑止力」として依然、核兵器に固執しており、これが核兵器廃絶に足を踏み出すうえでの最大の障害となっています。「核抑止」論を打破し、核保有国に「NPT合意」の実行と核兵器禁止条約の交渉開始の決断を迫ることは、ますます重要です。
 みなさん
 このとき、核兵器廃絶の旗振り役を果たすべき日本政府は、アメリカなどの核保有国への追随に終始して、残念ながら被爆国の責務に背を向け続けています。日本をアメリカの核戦争の危険に巻き込みかねないオバマ政権の「拡大核抑止」政策に呼応して、アメリカに「核の傘」の維持・強化を求める日本政府の態度は、きわめて重大です。いま、核兵器廃絶や日米「核密約」破棄の課題をはじめ原発ノーや、消費税増税ノー、米軍基地ノーの課題でも「公約」をことごとく裏切る民主党政権に、国民多数が失望と怒りを募らせているのは、まったく当然のことと言えます。いまこそ、核兵器の廃絶、「核密約」破棄・「非核3原則」厳守をはじめ、憲法第9条にもとづく非核・平和の政治を求める声を、大きく広げようではありませんか。
 みなさん
 野田首相は1週間前、関西電力・大飯原発3、4号機の再稼働を決定しました。これは、福島原発事故を踏まえて国民の命と安全を守ろうとすれば、絶対にありえない愚挙です。この決定に対し、「事故原因の解明さえできていないのに再稼働か」と被災住民からも怒りの声があがっています。私たちは、原発の事故原因を解明せず、安全対策もないがしろにしたまま再稼働に突き進む野田政権、電力・原子力業界を厳しく批判するとともに、再稼働決定の撤回を強く求めるものです。さらに、原子力基本法に「我が国の安全保障に資する」との文言を潜り込ませたことで原子力の軍事利用に道を開こうとすることは許せません。いま、福島原発事故を目の当たりにして、国民の多くが原発依存政策に疑問を抱き、「原発は根本的に見直すべき」「原発ゼロへ!」との思いを強めています。日本の原発・原子力依存行政の危険性、その転換をめぐる国民的論議をさらに大きく巻き起こそうではありませんか。
 国民のみなさん
 ことしは、日本国憲法施行から65年、憲法を蹂躙する日米安保条約の発効60年――、まさに日本の非核・平和運動の真価が問われる年です。国連総会や、先のNPT再検討会議準備委員会でも、日本の「市民社会」(非核・平和運動)のイニシアチブ発揮に相次ぎ期待が表明されました。広島・長崎への原爆投下から67年、「核兵器は人類と共存できない」との被爆者の叫びは、たとえ1発であれ、いかなる理由であれ、核兵器の正当化を許しません。「核兵器のない世界」を1日も早く実現するために、全国各地で「原爆展」を開催するなど、被爆の実相、核兵器の非人道性を世界にさらに強く大きく発信しようではありませんか。私たちはいま、核兵器廃絶と非核の日本を手繰り寄せる、歴史的転換点に立っています。核兵器廃絶と非核の日本を求めるわが会とともに、原水爆禁止2012年世界大会を成功させ、核兵器も戦争もない平和な世界の実現に向けて、ともに意気高く前進しようではありませんか。

   2012年6月25日
                                     非核の政府を求める会第27回全国総会