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 ●政府への要請
 
核兵器廃絶の交渉開始へ日本政府は役割発揮を
NPT再検討会議に向けて、非核政府の会が政府に申し入れ
2010年4月19日


 5月3日から核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれるのを前に、非核の政府を求める会は4月19日、外務省を訪れ、日本政府が核兵器廃絶のために積極的役割を果たすよう要請しました。駒場忠親(自治労連顧問)、野口邦和(日本大学専任講師)、増田善信(気象学者)の各常任世話人と斎藤俊一事務室長が参加。日本共産党のの笠井亮衆院議員(同会常任世話人)が同席しました。
 外務省からは西村智奈美外務大臣政務官らが応対しました。
 要請の内容は、▽被爆国政府として、核兵器廃絶の国際交渉を開始する合意実現のためにイニシアチブを発揮する▽核保有国に2000年再検討会議で合意した「核兵器廃絶の明確な約束」の履行を求める▽「核の傘」から脱却するとともに、「核密約」を破棄し、「非核三原則」厳守の実効性ある措置を講じる、など3項目。
 西村政務官は申し入れに対し、「(日本政府が)核兵器廃絶のリーダーシップをという気持ちはしっかり受け止めるが、現実の交渉では、そこまでいくのはむずかしい」「非核三原則については、政府としては法制化でなく国の基本方針として守っていく」と発言。「核密約」についても「二度と密約をつくらないようチェックする」と述べるにとどまりました。
 会の代表は、「廃絶交渉は国連総会でも多数の声。その気になれば始められる」「核抑止力を認めれば不拡散も進まない」「核廃絶の気運が高まっているだけに、被爆国政府の姿勢が問われている」と政府の積極的な役割発揮を重ねて求めました。
                          ◇
日本政府への申し入れ書

 第8回核不拡散条約(NPT)再検討会議がまもなく幕を開けます。今回の再検討会議は、「核兵器のない世界」を求める気運が高まるなかで開かれるだけに、世界の人々、各国政府がその成り行きを、大きな期待をこめて見守っています。思想・信条、政党支持の違いをこえて、核兵器のない平和な日本と世界を求める人々によって結成されたわが会は、同再検討会議を迎えるにあたり、貴職が、核兵器の廃絶のために、被爆国政府ならではのイニシアチブを発揮されるよう、強く望むものです。
 今回の再検討会議は、核先制攻撃戦略を推進したブッシュ米政権、その核政策に依存してきた自民党政権が下野し、「核兵器のない世界」を掲げるオバマ政権、鳩山内閣が発足して最初の再検討会議です。昨年4月のオバマ大統領のプラハ演説以降の一連の国際政治の動向を見ても、「核兵器のない世界」を求める流れはいまや、世界の大勢となっています。
 いまこそ「核兵器のない世界」を求める気運を核兵器廃絶への具体的道筋に結実させるときです。今回の再検討会議を、「核不拡散」とともに、「核軍備縮小撤廃」にむけた実効性ある具体化の場としなければなりません。「核テロ対策」が重要であるにしても、米ロをはじめ核保有国が所有する核兵器の存在そのものが、人類の生存にとって最大の脅威であるという事実を見失ってはなりません。日本政府は、核兵器全面禁止条約の締結をめざす、速やかな国際交渉を開始するために、積極的なリーダーシップを発揮すべきです。この国際交渉の開始は、国連総会における核兵器関連決議の採択状況をみても世界の圧倒的多数の国々の合意を得ており、核保有国がその意思をもちさえすれば、すぐにも着手できるものです。
 また、「核兵器のない世界」について、「私たちの生きているうちには達成できないかもしれない」などとして、「遠い将来の課題」に先送りすることは許されません。「私たちの生きているうちに核兵器をなくしてほしい」は広島・長崎被爆者の悲願です。「核兵器の1日も早い廃絶」を国際社会に訴えることは、被爆国日本政府が負っている歴史的役割です。
 日本政府が、「被爆国としての道義的責任」にたって「核兵器のない世界」を世界に発信する上で、名実共に「非核の日本」へと舵をきることが重要です。「核の傘=核抑止力」に依存したままでの核兵器廃絶の提唱では、また、核持ち込み密約を破棄しないで「日本は非核の国」と言ってみても、それが政治的信用も道義的説得力も持ち得ないことは、明らかでしょう。
 私たちは、こうした立場から、日本政府が以下の諸点について積極的な役割を果たすよう、申し入れるものです。
以上  
【要請項目】

 1. 日本政府は、憲法第9条をもつ被爆国政府として、核兵器廃絶を緊急の課題として、速やかにその国際交渉を開始する合意を実現するよう、イニシアチブを発揮すること。
 2. 核兵器廃絶について特別の責任を有する核兵器国が2000年再検討会議で合意された「核兵器廃絶の明確な約束」を誠実に履行するよう、日本政府として努力すること。
 3. 「核の傘=核抑止力」依存から脱却するとともに、日米「核密約」を認め、これを破棄すること。「非核3原則」の法制化等、わが国が将来にわたって「非核3原則」を厳守する実効性ある措置を講じること。

内閣総理大臣 鳩山 由紀夫殿
外 務 大 臣   岡田  克也殿

    2010年4月19日 
    非核の政府を求める会常任世話人会