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 ●全国総会の方針
 
結成20周年迎え 非核日本実現へ決意新た
    非核政府の会が第21回全国総会
2006年6月24日

第21回全国総会 結成20周年を迎えた非核の政府を求める会は2006年6月24日、東京都内で第21回全国総会を開きました。22都道府県、16中央団体の代表、各界個人賛同者ら70人が出席しました。
 今総会は、被爆60年の到達点──核兵器の廃絶を求める声が今日、核保有国の頑迷な抵抗と妨害にもかかわらず、世界の圧倒的多数の国々、諸国民が合流する流れへと発展していることに対する確信と、この非核・平和の流れをさらに広げて、国際政治を核兵器廃絶の実行へと動かすために、結成20周年を迎えた会が、その値打ち、役割をいかんなく発揮しようとの決意にあふれる総会となりました。
 総会では冒頭、常任世話人会を代表して、ジャーナリストの増田れい子さんが開会あいさつ。「20年前の会結成当時7万発あった核兵器がいま2万7000発に減ったものの、広島型原爆の30万発に匹敵する状況は正気の沙汰ではない。私たちのめざすのは核兵器ゼロ。核兵器を無力化するのは、私たちの核兵器廃絶の揺るがぬ意志と世界を覆う堂々たる非核の政府を求める運動。20歳になったこの運動をますます逞しく」と訴えました。
 中嶋篤之助(元中央大学教授)、藤田俊彦(前長崎総合科学大学教授)、笠井亮(日本共産党衆議院議員・国際局次長)の各常任世話人が議案の提案・報告を行いました。
 中嶋氏は、会結成当時の政治的背景とその後の核兵器をめぐる情勢の変化について報告。20年前、米ソを中心に世界の核兵器は7万発に達し、欧州での核戦争が危惧されるなか、空前の反核運動が起こり、核兵器削減交渉も始まる情勢のもとで会が「非核5項目」を掲げて結成された意義を強調。長年「理想論」とみなされた核兵器廃絶の首長が今日、国際政治の現実の課題へと変わってきたと力説しました。
 藤田氏は、非核の世界の実現をめざす国際的動向を中心に報告しました。核兵器の現状については、世界に2万7000発、爆発力が広島型原爆30万発相当というのは人類にとって途方もない大量無差別破壊を意味する数字だとし、とりわけ1万発を有する米国は核先制使用計画を付加し、将来にわたって核戦力の維持・強化・更新を図っていると指摘。他方、昨年の国連総会で核兵器の禁止・廃棄を拘束力ある国際条約に結実させようとの6ヵ国グループの動きに示される新しい変化にもふれ、被爆国日本はアメリカの核の傘から一刻も早く離脱し、核兵器廃絶の法制化の原動力の役割を果たすべきと強調しました。
 笠井氏は、先の通常国会を振り返り、国民投票法案などの悪法3法案の成立を許さなかったのは国民世論の力を示すものと述べるとともに、日本政府のアメリカの「核の傘」への依存姿勢が改めて明らかになったことを紹介し、この立場は核兵器廃絶を究極の彼方に追いやるお先棒をかつぐものと批判。日本政府がアメリカに対し、核兵器全面禁止・廃絶の国際協定実現のための協議に応じることを求めるよう、会として声を大にして訴えていこうと呼びかけました。
 討論では、18人が発言しました。
 米ブッシュ政権の世界戦略の危険性について、非核政府の会核問題調査専門委員の新原昭治氏は、米戦略の本質をみるキーワードは常時戦争態勢ともいうべき「長期戦争」構想と、そのために核戦力を中心に核・通常戦力の両方を使って先制攻撃を展開する「グローバル・ストライク」戦力だと指摘。在日米軍再編問題についても核抜きではないことを見落としてはならないと話しました。
 増田善信・常任世話人は核兵器の使用を一般的に違法とする国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見10周年にあたって、米国などに核兵器使用の法的根拠を与えないよう、憲法9条2項を持つ国として、“核兵器は自衛を含め全面的に違法”とするICJの新たな勧告的意見を求める運動が必要とのべました。
 米軍再編問題について神奈川の今野宏氏は、「米軍は横須賀基地で重金属の汚染を起こし、無断で湾を埋め立てる違法を平気でやっている。安全と言われても信用できない」と日米両政府のごまかしと犯罪性を告発。全労連の沢中正也氏は、「米原子力空母配備阻止7・9首都圏大集会」にむけて“黙っていれば一〇〇年先も米軍基地の町”“東京湾を戦争する国の発信基地にさせるな”と対話を広げている経験を紹介、集会成功へ協力を訴えました。
 日本原水協の水谷辰也氏は、ことし1月からとりくんでいる「すみやかな核兵器の廃絶のために」国際署名に国内外から大きな反響が寄せられていることを紹介し、この署名を急速に広げ、原水爆禁止2006年世界大会を被爆60年の大会にもまして大きく成功させたいと語りました。
 討論では、自治体合併で無効となった非核宣言を回復させる経験が相次ぎました。
 長崎の山下敏江さんは離島が多いという困難を抱えながらも、旧自治体ごとに部署が分散した庁舎を訪れて市長と懇談した1日がかりの活動を紹介、「被爆県として一刻たりとも宣言の空白は許されない。新市の誕生を待つのでなく、合併協議会の段階から力を注いだ」と話しました。石川の井上英夫氏も、91年から粘り強くとりくんで最後の1町も近く採択予定となり、100%回復は目前と報告しました。長野の望月峻成氏は核兵器廃絶国際条約請願署名にとりくみ、松本市などから賛同が寄せられていることを紹介しました。 顧問の東谷敏雄氏は、非核政策の実現を求めていくうえで、非核政府の会として、全国的な新たな非核宣言運動の推進、日本非核宣言自治体協議会との関係強化とともに世界平和市長会議提唱の「核兵器廃絶のための緊急行動2020」の全国的な宣伝にとりくみ、日本政府に影響を与えていくことが重要だとのべました。
 結成20周年を迎える各地の会の取り組みも紹介されました。
 京都の田中則夫氏(全国常任世話人)は、11月に記念集会「広島・長崎を京都でむすぶ」を開くこと、ニュースを送る420人の賛同者を500人に広げること、20年の歩みをたどるリーフレットの作成などに取り組んでいることを報告。
 大阪(中西裕人氏・同前)では、10年ぶりに非核自治体の要望にも応えて、戦後の非核・平和の映画・文学など文化作品のリストを載せたデータ・ブックを作成中。「自治体間の交流の場に」と非核自治体シンポジウムも計画しています。
 栃木の桜井欣氏は、ことし18年目となる地元紙への意見広告運動について発言。「ことしもやるんだろうと、期待している人がたくさんいる」とのべ、幅広い110人の呼びかけ人が2500人の賛同者を組織していると語りました。
 兵庫の楠真次郎氏は、反核をテーマに市民公開の学習会に力を入れていることを紹介、文学作品に見る被爆体験の継承、科学者の社会的責任などを学んでいると話しました。
 総会では、国民へのアピール「すみやかな核兵器廃絶へ、共に声を、運動を」を確認。131人の世話人、23人の常任世話人、9人の顧問、事務室長を選出しました。
 総会には秋葉忠利・広島市長、伊藤一長・長崎市長らの自治体首長、中央団体・個人のメッセージが多数寄せられました。