| 第18回全国総会で採択された「国民のみなさんへの訴え」(全文)は次のとおりです。 |
| 2003年5月31日 |
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国民のみなさんへの訴え
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| −いまこそ世界の平和秩序をめざして、この日本から非核・平和の世論と運動の新たな発展を− |
米英軍によるイラクへの武力攻撃は、二度にわたる世界大戦の痛苦の体験を経て、人類が築き上げてきた国連中心の平和ルールに真っ向から挑戦するものでした。大量破壊兵器の廃棄を名目にしながら、自らおびただしい大量殺戮・非人道兵器を使用し、何の罪もない子どもや女性、老人をはじめ多数のイラク市民の命を奪いました。私たちは、この無法を断じて許しません。
イラク戦争は、アメリカが国連による査察を通じた平和的解決の道を断ち切って、国連決議もないまま先制攻撃をおこない、他国の政権を軍事力で転覆させた侵略戦争そのものです。米英軍が軍事占領統治をすすめ、軍事力によって自分に都合のいい政権をおしつけようとするのは、新しい植民地主義にほかなりません。いま必要なのは、イラク国民の意思にもとづく復興です。その中心的役割を国連こそが担い、米英軍はすみやかに撤退させなければなりません。
怒りに燃えた世界の反戦世論は未曾有の規模に広がりました。ここには国連憲章・国際法にもとづく平和秩序の確立こそ、21世紀の世界平和の道であることが鮮やかにしめされています。この流れをさらに大きくしていこうではありませんか。
みなさん。
ブッシュ米政権はいま、危険な先制攻撃戦略とかつてない核使用戦略を国家政策に公然とかかげています。このもとで「いつでも使える」小型核兵器開発をすすめ、CTBT(包括的核実験禁止条約)を反古にし、MD(ミサイル防衛)の具体化・実戦配備を推進するなど単独行動主義を露骨にしています。世界のどこででも即座に核兵器使用に移れる体制づくりを狙うこのような企みは、世界の核兵器廃絶・平和を求める流れと鋭く矛盾せざるをえません。
みなさん。
核兵器廃絶を求める動きは、今や世界の大きな潮流となっています。2000年NPT再検討会議での「核兵器廃絶の明確な約束」合意以来、国連総会ではこれに言及した核兵器廃絶決議が圧倒的多数の賛成によって採択されています。原水爆禁止世界大会に各国政府代表が参加するなど、原水爆禁止運動と各国政府との協力が強まっています。かつてベトナム戦争など核兵器使用の危機が一歩手前まで迫った際にも、それを許さなかったのは世界の世論と運動でした。このことをあらためて想起し、今こそ「核兵器使うな、速やかな廃絶を」という世論と運動を飛躍させようではありませんか。
北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が核兵器開発をすすめていることを私たちは、被爆国民として断じて許すことはできません。北朝鮮が、自国の安全保障を脅かしているアメリカの先制攻撃戦略にたいして、NPTからの脱退を宣言して「物理的抑止力」で対抗しようとしているところに大きな問題があります。これでは、自らの国際的孤立をいっそう深刻にし、北朝鮮はもちろんアジアと世界の平和と安全にとっても、有害で危険な事態を拡大するだけです。どんなことがあろうと核戦争を許してはなりません。北朝鮮の核兵器問題は、平和的外交的に解決しなければなりません。北朝鮮は、国際約束を遵守する立場から核兵器開発をただちに中止し、各国との平和友好の関係に踏み出すべきです。日本政府は、このことをはたらきかける国際社会の先頭に立つべきです。
みなさん。
唯一の被爆国であり平和の憲法をもつわが国政府の非核・平和に対する態度が、かつてなく厳しく問われています。ところが、イラク戦争には、一貫してアメリカに追随し戦争推進の側に身を置き、反戦の流れに逆行する態度を際立たせ、わが国の歴史に恥ずべき汚点を残すこととなりました。国連でも、核兵器の「すみやかな廃絶」ではなく、装いを変えた「究極廃絶論」の立場から核兵器廃絶に背を向ける日本政府は、ブッシュ政権の核兵器使用政策にも「米国の選択肢」と容認する態度です。このような米核戦略に協力・加担する政策の根本転換をはかることは、世界とアジアの非核・平和の流れを強く押しすすめるうえで不可欠です。
政府・与党と民主党などが、今国会中の有事立法成立を狙っていることを、私たちは断じて許すことはできません。有事法制によって、アメリカの先制攻撃の戦争に自衛隊を参戦させ、米軍を支援し、自治体・国民を強制動員することは、憲法の平和的・民主的諸条項をじゅうりんし、基本的人権・平和的生存権を根底から破壊しようとするものにほかなりません。それは、米核戦略に協力・加担する体制に組み込まれ、その最前線基地とされている日本が、核戦争につながる核持ち込みや核出撃基地となる現実的危険とも深く結びついています。
みなさん。
いま原爆症認定集団訴訟が各地で開始されています。被爆者みずからが政府の核政策転換をせまって立ち上がりました。世界の非核・平和に貢献する国にするのか、アメリカに追随して戦争をできる国にするのか、まさに二一世紀の国づくりが今鋭く問われています。日本国憲法をふみにじる有事法案を断固廃案に追い込み、「核兵器も戦争もない平和な世界」の実現のために、ともに力をあわせましょう。
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| 2003年5月31日 非核の政府を求める会第18回全国総会 |
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